首都圏の私立・国立小学校 受験データ

Guide

小学校受験の考査(試験)の内容ペーパー・行動観察・運動・制作・口頭試問を何校が行うか(学校公式の募集要項で集計)

解説出典の確認日 2026年10月19日

小学校受験では、子どもが受ける試験のことを「考査(こうさ)」と呼びます。考査は、鉛筆で紙に答える試験だけではありません。友だちと遊ぶ様子を見る試験や、体を動かす試験、先生と1対1で話す試験などがあり、どれを組み合わせるかは学校ごとに違います。

結論

  • 考査の内容を公式に書いている93校のうち、一番多いのは行動観察(集団で遊ぶ様子を見る試験)の60校です。ペーパー(紙に答える試験)は36校でした。
  • ペーパーの記載が無く、行動観察などの試験だけを書いている学校が26校あります。ペーパーを行わないと明記する学校も3校あります。
  • 種類を書かず「考査」「検査」とだけ書く学校が28校あります。国立の学校の多くもこの書き方なので、説明会で中身を確かめてください。
考査の種類(学校公式の記載) 学校数
行動観察・集団の活動 60校
ペーパー(筆記) 36校
運動 35校
口頭試問・個別テスト 16校
制作・工作・作業 15校
種類の記載なし 28校

数えたのは、学校一覧のうち学校公式サイトの原文との照合が済んで、考査の内容の記載がある93校です。2027年度(2026年の秋に行う入試)の募集要項・入試案内・Q&Aの記載を、2026年10月19日に数えました。1つの学校がいくつもの種類を書いているので、合計は93校より多くなります。

志望校の考査の内容は、学校一覧の各校のページの「考査の内容」の欄で見られます。面接の形(誰が受けるか・いつあるか)は、小学校受験の面接でまとめています。

考査の種類と呼び方

募集要項(学校が出す受験の案内)では、同じ種類の試験でも、学校によって呼び方が違います。上の表は、学校の呼び方を次のように5つの種類に分けて数えたものです。

募集要項の呼び方と、5つの種類

ペーパー・口頭試問

  • ペーパー:ペーパーテスト・筆記試験
  • 口頭試問:個別テスト・個人テスト・口頭試験

行動観察・運動

  • 行動観察:集団遊び・集団行動・生活テスト
  • 運動:運動テスト・運動機能検査・模倣体操

制作

  • 制作・工作・描画・手技
  • 作業・巧緻性(手先の器用さ)

「知能テスト」「素質検査」とだけ書く学校は、紙に答える試験かどうかが書かれていないので、ペーパーの数には入れていません。たとえば桐蔭学園小学校は、知能テストを言語・思考等を見取るペーパーテストと説明していて、この学校はペーパーの数に入っています。

面接は、この5つとは別に数えています。子どもも面接を受けるのか、保護者だけなのか、面接の日が考査と別の日なのかは、小学校受験の面接で学校の数とあわせて確かめられます。

ペーパー(紙に答える試験)の中身

ペーパーは、絵がかかれた紙に、鉛筆などで印や線を書いて答える試験です。問題を録音された声で出す学校もあり、たとえば光塩女子学院初等科は、ペーパーの中身を公式サイトで次のように説明しています。

光塩女子学院初等科のテストA(2025年秋に実施した内容)

  1. ①記憶お話を記憶して内容を答える出題は録音された音源を使い、全部で6枚(40分程度)です。紙を見ただけでは何を聞かれているか分からない作りで、学校は「見ただけで出題の意図が分かるようにはなっていない」と書いています
  2. 数量数や量の問題に答える
  3. 立体立体をいろいろな方向から見て、あっているものを見つける
  4. 規則形や数の変化の中に規則性を見つける
  5. 言語物の名前でしりとりをする。同じ数え方のものを見つける
  6. ②運筆鉛筆の持ち方に気を付けて線をかく。お手本を見てかき写す運筆は、線をなぞったり、お手本を見てかき写したりする問題です

ほかの学校も、ペーパーで出す分野を公式に書いています。淑徳小学校は「記憶」「数量」「観察思考」「生活常識」の4項目、捜真小学校は言語・数・巧緻性・生活常識の問題を出すと書いています。巧緻性(こうちせい)は手先の器用さ、生活常識はふだんの暮らしで知っておくことを指す言葉です。

国立音楽大学附属小学校は、図形や数量の問題、話を聞いたり絵を見たりして答える問題を、全員で一斉に行うと書いています。

捜真小学校は、ペーパーテストを一緒に例題を解いて、やり方を確かめてから始めると書いています。初めて見る形の問題でも、やり方の説明があってから始まる学校があるということです。

ペーパーの記載がある学校の割合は、都県で違います。千葉県の私立は9校のうち8校、神奈川県の私立は21校のうち8校、東京都の私立は48校のうち17校でした。

行動観察と運動

行動観察は、グループや教室で遊んだり活動したりしている子どもの様子を、先生が見る試験です。正しい答えを出す試験ではなく、話を聞いて動けるか、友だちと一緒に過ごせるかを見ます。考査の内容を書いている学校のうち60校が行動観察を書いていて、一番多い種類です。

学校が公式に書いている行動観察の中身

光塩女子学院初等科

  • 集団の中での社会性を見る(75分程度)
  • 運動:じゃんけんゲーム・リズム・バランス・模倣体操ほか
  • 創作劇:グループで協力して作品を作り、それを使って遊ぶ
  • 授業:教室の席に座ってゲームや発表、お箸を使う活動をする

国立音大附属・捜真

  • 国立音楽大学附属小学校:ルールを守ってみんなで遊ぶ・音楽に合わせて体を動かす
  • 捜真小学校:7〜8名・40分(ペーパーテストを含む)で、ハサミとクレヨンを使った工作・模倣体操・道具を使った自由遊び

光塩女子学院初等科は、行動観察で「結果ではなく、指示されたことに取り組む姿勢を見る」と書いています。サレジアン国際学園小学校も、社会性のテストで集団の中で関わる力があるかを見ると書いています。

授業の形で子どもを見る学校もあり、LCA国際小学校は模擬授業の中で行動観察をすると書いています。慶應義塾幼稚舎は試験の種類を分けて書かず、「様々な活動を通じてありのままの姿を見る。特別な準備は要らない」と書いています。

運動は、体操やリズム、バランスの遊びなどで体を動かす試験です。考査の内容に運動を書いている学校は35校で、聖ヨゼフ学園小学校は運動の試験で運動能力を見ると書いています。

制作と口頭試問

制作は、はさみやクレヨンなどを使って、絵をかいたり物を作ったりする試験です。考査の内容に制作・工作・作業を書いている学校は15校で、口頭試問(先生と1対1で、口で答える試験)を書いている学校は16校です。

学校 公式に書いている中身
捜真小学校 ハサミとクレヨンを使った工作・模倣体操・道具を使った自由遊び
横浜三育小学校 知能検査・手技・描画・運動機能検査・行動観察・面接
聖ヨゼフ学園小学校 課題の作業をして、器用さ・巧緻性を見る
啓明学園初等学校 個人作業(ペーパーテスト・口頭試問・制作 等)
国立音大附属小学校 1対1で、語彙・言葉の概念・日常生活の問いに答える
明星学園小学校 からだ・ことば・あそびの活動について、口頭試問形式の試験

口頭試問は、面接とは別の試験です。聖ヨゼフ学園小学校の要項には、個人テストは1対1の口頭試験だと書かれています。先生が子ども1人に質問をして、子どもが口で答える試験です。

英語のコースがある学校には、英語で答える口頭試問もあります。啓明学園初等学校の英語特進コースは、英語の口頭試問(リスニング・スピーキング)を行うと書いています。

横須賀学院小学校のように、考査の中身を「きくこと・かくこと」「せいさく」「うんどう」「おはなし」と、子どもに分かる言葉で書いている学校もあります。

ペーパーの無い学校・国立の学校

ペーパーを行わないと公式に書いている学校は、シュタイナー学園初等部・東京創価小学校・和光鶴川小学校の3校です。たとえば和光鶴川小学校は、選考を子どもの面接対話試験(筆記試験なし)と書いています。

一方、文字の読み書きは要らないと書いている学校が3校あります。ペーパーがあっても文字は使わない、という意味の学校もあるので、2つを分けて見てください。

ペーパーについての公式の書き方

行わないと明記

  • 和光鶴川小学校:子どもの面接対話試験(筆記試験なし)
  • 新渡戸文化小学校:「好きなこと入試」はペーパー試験を行わない
  • 立教小学校:前年度は2日間の考査で、ペーパーテストは無かった

読み書きは要らない

  • 聖ヨゼフ学園小学校:発問はすべて口頭。文字の読み書きは要らない
  • 東京学芸大学附属小金井小学校:文章を読む・文字を書く・数字で計算する調査はしない

種類を書かない

  • 白百合学園小学校:基本的な生活習慣と、物事への取り組みが年齢にふさわしいかを見る
  • 国立の学校の多く:「検査」「調査」と抽選の段階だけを記載

新渡戸文化小学校の「好きなこと入試」と、立教小学校の前の年度の記載は、入試の回や年度を限った書き方です。なので、ペーパーを行わないと明記する3校には数えていません。

国立の10校のうち、ペーパー・行動観察などの種類を書いているのは1校(埼玉大学教育学部附属小学校)だけです。ほかの国立の学校は「検査」「調査」と抽選の段階だけを書いていて、たとえばお茶の水女子大学附属小学校は、説明会のQ&Aで「幼稚園教育要領などの範囲の内容で選考する」と書いています。

幼稚園教育要領は、幼稚園で何を育てるかを文部科学省が決めたもので、育てる力を健康・人間関係・環境・言葉・表現の5つの領域(分野)に分けています。抽選の流れは国立小学校の受験で説明しています。

考査の日と、ほかの学校の考査の日が重ならないかは、併願カレンダーで学校を選ぶと日付順に並びます。

今日やること

  1. 1志望校の考査の欄を見る学校一覧から志望校を開き、「考査の内容」の欄で、ペーパー・行動観察・運動・制作・口頭試問のどれが書かれているかを書き出す
  2. 2種類が書かれていない学校を確かめる説明会で「考査では、ペーパーと行動観察のどちらがありますか」「運動はありますか」と聞き、配られた資料を取っておく
  3. 3持ち物と服装を合わせて見る運動や制作がある学校は、要項の持ち物の欄で上履き・筆記用具の要否を確かめる

Sources / 出典