首都圏の私立・国立小学校 受験データ

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国立小学校の受験抽選はいつあるか・通学区域(住所の条件)・費用の決まりを、首都圏10校の2027年度の募集要項で確かめる

解説出典の確認日 2026年10月19日

国立小学校とは、国立大学に付いている小学校のことです。たとえば筑波大学附属小学校は、募集の案内に「初等教育に関する実験・実証的な研究を使命とする」と書いていて、大学の学生が教育実習に来る学校でもあります。入る子を決めるときに、検査(子どもを見る試験)だけでなく「抽選」(くじ引き)を使う学校が多いことが、私立の小学校との一番大きな違いです。

結論

  • 学校データで詳しい項目を掲載している国立10校のうち、9校に抽選があります。検査の前に抽選がある学校が4校、検査のあとにある学校が6校、前後の両方にある学校が3校です。
  • 国立の10校はすべて、住んでいる場所の条件(通学区域)があります。受験のために住所だけを移す「寄留」は、記載のある学校がすべて「認めない」としています。
  • 授業料はかかりません。これは国の決まりです。かかるのは検定料(受験料)と募集要項の代金で、公示に書かれている検定料は1,100円から3,300円の範囲です。
国立と私立の受験の違い(学校公式の記載から)

国立小学校

  • 抽選と検査で選ぶ。抽選で外れると検査を受けられない学校がある
  • 住んでいる区・市が決まっていて、区域の外からは出願できない
  • 授業料なし。検定料は1,100〜3,300円の範囲で公式に記載
  • 募集要項を有料(2,000円)でWeb購入する学校が多い
  • 日程は10月の抽選から12月の検査まで

私立小学校

  • 考査(試験)と面接で選ぶ。抽選は無い
  • 住む場所の制限が無い学校が多く、通学時間の目安を書く学校がある
  • 入学金と授業料がかかる
  • 募集要項を公式サイトで無料公開する学校がある
  • 東京の私立の考査は11月1日〜5日に集中

学校ごとの日程・通学区域・出典は学校一覧の各校のページで見られます。私立と国立を両方受けるときの日程の重なりは、併願カレンダーで学校を選ぶと日付順に並びます。

抽選はいつあるか(選考の段階)

国立小学校の選考は「第一次・第二次・第三次」のように段階に分かれていて、抽選がどの段階にあるかは学校で違います。たとえば筑波大学附属小学校は、学校紹介に「抽選および検査によって選抜」と書いていて、2027年度は次の順番です。

筑波大学附属小学校の2027年度の選考(公式の募集案内から)
第一次選考(抽選)2026年11月7日
第二次選考(検査)12月13日〜15日
第三次選考(抽選)12月17日
入学候補者発表12月18日

お茶の水女子大学附属小学校も、第一次検定(抽選)→第二次検定→第三次検定(抽選)の3段階です。学校説明会のQ&Aでは、最初の抽選は「人数が非常に多い現状で」全員に検定を受けてもらうのが物理的に難しいためと説明し、最後の抽選は「国立附属小学校は抽選でいろいろな子をとるように」という文部科学省からの指示に基づくと書いています。

首都圏の国立10校の段階を、2027年度の公示・募集要項の記載で並べると次のようになります。

学校 1段目 2段目 3段目
筑波大学附属 抽選 検査 抽選
お茶の水女子大学附属 抽選 検定 抽選
学芸大附属竹早 抽選 調査 抽選
学芸大附属大泉 抽選(※) 総合調査 なし
学芸大附属小金井 入学調査 抽選 なし
学芸大附属世田谷 発育調査 発表・抽せん なし
埼玉大学附属 検査 検査 抽せん
千葉大学附属 調査・面接 発表 なし
横浜国大附属横浜 事前抽選(※) 第1次選考 抽選
横浜国大附属鎌倉 事前抽せん(※) 第1次選考 抽せん

※の抽選は、志願者の数によって行わないことがあります。大泉小学校は「志願者数が第2次選考(総合調査)の実施可能な数内に納まる見込み」なら第1次選考の抽選をせず全員を有資格者にすると書き、横浜小学校は「応募が男女それぞれ募集定員の4倍を大きく超えた場合」に公開の事前抽選を行うと書いています。鎌倉小学校も、出願者が定員の4倍を大きく超えた場合に事前抽せんを行うことがあります。

この表から分かることは3つあります。

  • 検査の前に抽選がある学校(筑波・お茶の水・竹早・大泉と、人数しだいの横浜・鎌倉)では、準備をしても検査を受けられないことがあります。なので、国立だけに絞らず、私立や公立も含めて考えておくと安心です。
  • 検査のあとに抽選がある学校(小金井・世田谷・埼玉大・横浜・鎌倉と、両方にある筑波・お茶の水・竹早)では、検査に通っても最後の抽選で入学できないことがあります。
  • 千葉大学附属小学校だけは、公式の公示に抽選がなく、発育総合調査と保護者面接で入学予定の子を決めます。

小金井小学校の公示には、調査で「合格候補者」を決めてから「合格候補者の中で抽選を行い」合格者を決める、とあります。ただし附属幼稚園を卒園する見込みの合格候補者は抽選をせずに合格者になる、とも書かれています。

検査の中身は学校によって書き方が違い、小金井小学校は「文章を読む、文字を書く、数字を使って計算をするなどの調査」はしないと明記しています。面接については、国立10校のうち面接の記載があるのは4校(横浜・埼玉大・千葉大・お茶の水)です。埼玉大学附属の面接は、公示に「児童を中心に行う」とあります。詳しくは小学校受験の面接で説明しています。

通学区域(住んでいなければ出願できない区域)

国立小学校には、学校ごとに「通学区域」が決まっています。住んでいる場所がその区域に入っていないと、出願(受験の申し込み)そのものができません。国立10校はすべて、募集要項か公示に区や市の名前で区域を書いています。

学校 2027年度の通学区域(要約)
筑波大学附属 東京23区・西東京市・和光市
お茶の水女子大学附属 東京23区
学芸大附属竹早 東京23区
学芸大附属大泉 練馬区など8区と11市
学芸大附属小金井 多摩地域の14市と杉並区・中野区など
学芸大附属世田谷 学校の定める地域(町名の一覧)
埼玉大学附属 さいたま市の7区ほか、蕨市・戸田市など
千葉大学附属 千葉市全域で60分以内
横浜国大附属横浜 横浜市の指定10区で45分以内
横浜国大附属鎌倉 鎌倉市・逗子市・横浜市栄区ほか

表は要約です。たとえば大泉小学校の区域は練馬区・豊島区・板橋区・文京区・新宿区・中野区・杉並区・北区と、西東京市から所沢市までの11市(埼玉県の和光市・新座市・朝霞市・所沢市を含む)で、小金井小学校は「東京都内の通学時間が40分以内の地域を一部含む町全体」を区域にしています。自分の住所が入っているかは、学校一覧の各校のページから公式の一覧で確かめてください。

区域に住んでいることの確かめ方も決まっています。小金井小学校は出願時に世帯全員の名前が載った住民票を出すことになっていて、横浜小学校も出願時に住民票で確かめます。横浜小学校の「45分以内」は、乗り換えの時間(1回につき5分)を含む実質の時間で、学校が複数の乗換検索サイトと実地の調査で確かめた最短時間で判断します。

引っ越しの予定がある家庭には、例外を書いている学校があります。大泉小学校は、合格したら区域内に転居すると確約できれば受験でき、2027年1月15日までに転居先を決めて3月31日までに転居を完了し住民票を出すことが条件です。埼玉大学附属小学校も、入学(2027年4月1日)までに区域内へ転居すれば合格者の入学を認めるとしていて、鎌倉小学校の志願資格は「2027年3月31日までに、学校の定める学区に保護者と居住できる者」です。

私立と比べると違いがはっきりします。私立99校のうち通学の条件の記載がある86校を見ると、住む場所や通学時間の制限が無いと公式に書く学校が44校あり、たとえば慶應義塾幼稚舎と青山学院初等部は「国内外のどこに住んでいても受験できます」と書いています。通学時間の上限を書く学校は11校(雙葉小学校の「60分以内」など)で、国立のように住む区市町を指定する学校は1校(桐朋学園小学校)だけです。

費用の決まり(授業料・検定料・募集要項代)

国立小学校に授業料が無いのは、学校の方針ではなく国の決まりです。学校教育法は、学校は授業料を取ることができるとしたうえで、国立と公立の小学校の義務教育については「これを徴収することができない」と定めています。なので、私立のような入学金と年間の授業料はかかりません。

かかるのは、受験のときの検定料(受験料)と募集要項の代金です。2027年度の公示や募集要項に金額が書かれているのは次の学校です。

学校 検定料 募集要項
筑波大学附属 公示に記載なし 2,000円
お茶の水女子大学附属 公示に記載なし 2,000円
学芸大附属大泉 1,100円+2,200円 2,000円
学芸大附属小金井 公示に記載なし 2,000円
学芸大附属世田谷 3,300円 2,000円
横浜国大附属横浜 公示に記載なし 無料
横浜国大附属鎌倉 3,300円 Web公開

大泉小学校の検定料は第1次選考(抽選)が1,100円、第2次選考(総合調査)が2,200円と、段階ごとに払います。横浜小学校の募集要項は無料ですが、学校に取りに行く必要があり郵送はしてもらえません(学校案内は1,200円で販売)。「公示に記載なし」の学校は、検定料の金額がWebで公開されている公示には無く、有料の募集要項を買って確かめることになります。

2027年度(2026年秋)の日程

国立の日程は私立より後ろで、学校データで日程が分かる国立9校のうち、最初の選考の日(抽選を含む)が10月の学校は2校、11月が6校、12月が1校です。2027年度の各校の日付は次のとおりです。

学校 出願 抽選・検査 発表
筑波大学附属 10/13〜16 Web 11/7抽・12/13〜15・12/17抽 12/18
お茶の水女子大学附属 要項に記載 要項に記載 要項に記載
学芸大附属竹早 9/24〜30 Web 10/17抽・11/25,26・11/28抽 11/27
学芸大附属大泉 9/11〜10/2 Web 10/9抽・11/25,26 11/28
学芸大附属小金井 9/14〜25 Web 11/25,26・11/28抽 11/27
学芸大附属世田谷 9/17〜25 郵送 11/25〜・11/28抽 11/28
埼玉大学附属 9/15〜10/30 郵送 11/24・11/26・11/27抽 11/27
千葉大学附属 11/19,20 持参 12/3 12/7
横浜国大附属横浜 9/4〜17・9/30〜10/8 11/10,11・11/17抽 11/16
横浜国大附属鎌倉 9/3〜16 Web 11/10,11・11/21抽 11/18・21

「抽」は抽選の日です。お茶の水女子大学附属小学校の2027年度の日程は、購入した募集要項の中だけで公開されていて、Webで見られるのは前の年(2026年度)の日程です。2026年度は第一次検定が2025年11月15日、第二次・第三次検定が2025年12月8日〜12日でした。

東京の国立は、11月1日前後に集中する東京の私立の考査が終わったあとに検査があります。なので、私立と国立の両方を受ける日程は組めますが、竹早・大泉の抽選と、横浜・鎌倉の第1次選考は私立の出願や面接の時期と重なります。私立を含めた1年の流れは小学校受験のスケジュールで、日付の重なりは併願カレンダーで確かめられます。

募集要項の手に入れ方と、国立ならではの注意

国立の多くは、募集要項(出願に必要な書類が付いた案内)を有料でWebから買う形です。買わないと出願できない学校があるので、まず要項の販売期間を押さえてください。

出願までの流れ(Webで要項を買う学校の例)
  1. 1募集要項を買う筑波は10月5日〜16日にmiraicompassで、小金井は9月5日〜20日に出願サイトで、どちらも1部2,000円。大泉は「募集要項を購入しないと、出願できません」と明記
  2. 2出願するWebで登録して検定料を払う。小金井は住民票を郵送、大泉の第2次選考は願書を持参、世田谷は郵送で消印有効
  3. 3説明会・動画を見る竹早は対面の説明会が無く説明動画を公開。埼玉大は11月13日の入学検査日程説明会に遅刻・欠席すると受検資格を失う

世田谷小学校は願書を窓口で現金で買う形(1部2,000円)で、郵送の出願は期間外の消印だと受け付けられません。千葉大学附属小学校は応募書類を事務室で配り、11月19日か20日に持参して出す形です。

埼玉大学附属小学校は、入学検査日程説明会で前年度の入学検査問題を公開(掲示)すると公示に書いています。公式に過去の問題を見られる機会なので、出願した家庭は予定に入れておいてください。

附属中学校への進み方は学校で違う

国立の小学校から同じ大学の附属中学校へ進めるかどうかは、学校ごとに決まりが違います。「国立は内部進学できる(できない)」と一律に考えず、志望校の公式の記載で確かめてください。

学校 附属中学校への進み方(公式の記載)
埼玉大学附属 卒業生は全員、附属中学校へ連絡進学できる
筑波大学附属 附属中学校の入学試験を受けて合格した者に限られる
お茶の水女子大学附属 連絡進学の制度があり、小学校での生活の様子も伝えたうえで中学校が判断

埼玉大学附属小学校は、全員が連絡進学できる代わりに、ほかの中学校を受験するとその資格を失います。お茶の水女子大学附属小学校も、内部進学を希望する場合は他校との併願ができません。附属中学校に進むつもりなら、小学校を選ぶ時点でこの決まりまで見ておくと、6年後に迷わずにすみます。

今日やること

  1. 1自分の住所で出願できる学校を調べる学校一覧から国立の学校を開き、通学区域に自分の区・市・町名が入っているかを公式の一覧で見る
  2. 2要項の販売期間と出願日をメモするWebで買う学校は販売期間を過ぎると出願できない。販売の開始日・出願の締め切り・抽選の日の3つを学校ごとに書き出す
  3. 3私立と並べて日程を見る併願カレンダーで国立と私立を一緒に選び、抽選の日と私立の面接・考査が重ならないかを確かめる

Sources / 出典