全国の国立大学の附属小学校のうち、2027年度の考査日と、選考の方法か抽選の記載を学校公式の資料で確かめられた47校を数えました。抽選の記載がある29校のうち21校は、確認した募集区分で抽選が検査のあとだけです。検査の前に抽選を行う規定がある8校のうち5校は、首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)の学校です。「まず抽選に通らないと検査を受けられない」形は、確かめられた範囲では首都圏に偏っています。
結論
- 登録している国立72校のうち、2027年度の考査日を確かめられたのは58校、そのうち選考の方法か抽選の記載を確かめられたのは47校です。47校の内訳は、抽選の記載あり29校・抽選の語が無い18校です。残る11校は選考の方法を確かめられず、抽選の有無を判定していません。
- 抽選の記載がある29校のうち、検査のあとだけが21校、検査の前に抽選を行う規定があるのが8校(前だけ3校・前と後の両方5校)です。検査の前の8校のうち4校は、志願者の数によって抽選を行わないことがあると書いています。
- 集計には、条件付きの抽選と、奈良教育大学附属小学校の2次募集(2027年度で確かめられた同校の唯一の募集区分)を含みます。
検査の前に抽選を行う規定がある(8校)
- 要項の手順では、抽選で外れると検査に進めない
- 首都圏の5校(筑波・竹早・大泉・横浜・鎌倉)と、神戸・群馬・奈良教育大(2次募集)
- うち4校は、志願者の数しだいで抽選を行わないことがある
検査のあとだけ抽選の規定がある(21校)
- 確認した選考の手順に、検査の前の抽選は無い
- 首都圏の小金井・世田谷・埼玉大のほかは、首都圏以外の学校
- うち6校は、検査に通った子が募集人員を超えたときだけ抽選と書く
首都圏の国立の日程・通学区域・募集要項の手に入れ方は国立小学校の受験でくわしく説明しています。この記事は、全国の国立を同じ物差しで数えることに絞っています。
数え方
対象は、学校データに入っている全国の国立大学の附属小学校72校です(義務教育学校・小中学校の前期課程の第1学年の募集を含みます)。首都圏の学校と地域ごとの学校のデータを、1つの表にまとめて数えました。
| 段階 | 学校の数 | 外れた学校 |
|---|---|---|
| 学校データに入っている国立 | 72校 | — |
| 2027年度(令和9年度)入学者向けの考査日を確かめられた | 58校 | 14校(うち前年度の日程だけ確認3校) |
| 選考の方法か抽選の記載を確かめられた | 47校 | 11校(抽選の有無は判定せず) |
| 抽選の記載がある | 29校 | 18校(抽選の語が無い) |
2027年度の考査日を確認できなかった14校は、公式サイトに入試の情報が無い、募集要項が画像だけで読めない、サイトを取得できなかった、などの学校です。前年度の日程だけを確認できた3校(お茶の水女子大学附属・宇都宮大学附属・愛知教育大学附属名古屋)も、年度を混ぜないため数に入れていません。
「2027年度の考査日を確かめられた学校」を、すべての項目に共通の対象条件にしています。通学の条件や検定料だけを2027年度の資料で確かめられた学校があっても、この記事の数には入りません。
言葉の決まりは次のとおりです。
- 抽選:選考としての「抽選」「抽せん」の記載です。茨城大学附属のように、受験番号を決めるための抽選は入れていません。条件付きの抽選(志願者の数によって行う・行わない)も「抽選の記載あり」に入れています。
- 検査:発育調査・試問・行動観察・知能検査・面接による調査など、子どもを見る選考です。奈良教育大学附属の「面接による調査」も検査に入れています。
- 段階:募集要項・公示に書かれた選考の順番で分けています。実際に抽選が行われたか(志願者の数で行わなかったか)は数えていません。
- 募集区分:学校の分類は、2027年度で確かめられた募集区分の記載で決めています。奈良教育大学附属は、確かめられたのが2次募集の要項だけで(1次募集の要項は公式サイトで確認できませんでした)、2次募集の手順で分けています。
抽選の語が無い18校は、確認した公式資料(選考の方法・考査日・発表の記載)に選考としての抽選の語が無かった学校です。「抽選を行わない」と明記しているかどうかまでは分けていません。
抽選がある学校と、その段階
- 抽選が検査の前だけ
- 3校
- 検査の前と後の両方
- 5校
- 抽選が検査のあとだけ
- 21校
※ 検査の前に抽選を行う規定がある学校は「前だけ」と「両方」を足した8校、検査のあとに抽選の規定がある学校は「両方」と「あとだけ」を足した26校です。
首都圏と首都圏以外で分けると、首都圏は9校のうち8校に抽選の記載があり、首都圏以外は選考の方法か抽選の記載を確かめられた38校のうち21校に抽選の記載があります。首都圏以外でも半分ほどの学校に抽選の記載がありますが、検査の前に抽選を行う規定があるのは3校です。
検査の前に抽選を行う規定がある学校
| 学校 | 検査の前の抽選(要項の記載) | 検査のあとの抽選 |
|---|---|---|
| 筑波大学附属・学芸大附属竹早 | 実施の条件の記載なし | 規定あり |
| 学芸大附属大泉 | 志願者の数による条件あり | 規定なし |
| 横浜国大附属横浜・鎌倉 | 志願者の数による条件あり(事前抽選) | 規定あり |
| 神戸大学附属 | 実施の条件の記載なし | 規定あり |
| 群馬大学附属 | 志願者の数による条件あり | 規定なし |
| 奈良教育大学附属(2次募集) | 実施の条件の記載なし | 規定なし |
首都圏以外の3校の記載は次のとおりです。神戸大学附属小学校は、一次選考の通過者が男女各72名になるよう抽選を行い、諸検査のあと最終合格者が募集人員(男女合わせて20名程度)になるよう抽選を行うと書いています。群馬大学附属小学校は「第一次選考(抽選)は応募者140名を基準に実施の有無を検討」と書いていて、抽選のあとの第二次選考で能力検査などを行います。奈良教育大学附属小学校の2次募集は2次募集は抽せんによる選考(抽せん後に面接による調査)です。同校の1次募集の手順は確かめられていないので、同校の1次募集が同じ形かは分かりません。
検査のあとだけ抽選の規定がある学校
確認した選考の手順に検査の前の抽選が無く、検査のあとに抽選を行う規定がある学校です。
| 地域 | 学校(21校) |
|---|---|
| 首都圏 | 学芸大附属小金井・学芸大附属世田谷・埼玉大学附属 |
| 北海道・東北 | 旭川・宮城教育大 |
| 甲信越・東海 | 信州大長野・信州大松本・岐阜・愛知教育大岡崎・三重 |
| 近畿 | 京都教育大京都・和歌山 |
| 中国・四国 | 島根・岡山・広島・広島三原・高知 |
| 九州 | 福岡・久留米・宮崎・鹿児島 |
このうち6校(旭川・信州大長野・信州大松本・愛知教育大岡崎・三重・宮崎)は、検査に通った子が募集人員を超えたときだけ抽選をすると書いています。たとえば三重大学附属小学校は「第一次選考合格者が定員を超過したときは抽選(第二次選考)」と書いています。残りの学校の抽選の対象(検査に通った子の中か、など)は学校ごとに書き方が違うので、志望校の要項で確かめてください。
住む場所と通学時間の条件
2027年度の58校のうち、住む場所・通学の条件を公式資料で確かめられた53校について、条件の書き方を分けました。
| 住む場所の書き方 | 学校の数 | うち通学時間の条件・目安も書く | 例 |
|---|---|---|---|
| 市区町村・校区・学校の決めた区域 | 41校 | 17校 | 筑波(23区など)・岡崎(岡崎市内)・宮崎(指定の小学校区) |
| 都道府県だけ | 4校 | 3校 | 京都(京都府内)・平野(大阪府)・兵庫教育大・群馬 |
| 住む地域は書かず、通学時間などだけ | 8校 | 7校 | 神戸・天王寺・福岡・久留米・静岡 |
通学時間の条件・目安を書く学校は、3つの書き方を合わせて27校です。「1時間以内」「60分程度」「およそ1時間」が多く、40分・45分・50分以内を書く学校が8校あります。「以内」と書く学校と「程度」「およそ」と書く学校があり、厳しさは同じではありません。大阪教育大学附属天王寺小学校は「自宅から本校まで片道50分以内で通学できる地域に居住」、京都教育大学附属京都小中学校は「京都府内に住民票と生活の本拠があり、通学所要時間が片道およそ1時間の範囲」です。自家用車などでの送迎を認めないと書く学校も10校あります。通学時間をどの交通手段・経路で数えるかは、学校ごとの書き方に従ってください。
53校のうち、出願の時点で区域内に住んでいなくても、入学までに引っ越す予定で出願できる(または入学の時点で住んでいればよい)と書く学校は13校です。たとえば滋賀大学附属小学校は「区域外でも応募可。令和9年3月31日までに通学区域内へ転居し、出願の際に誓約書を提出」としています。反対に、横浜国大附属横浜のように出願の時点で区域外に住んでいると出願できない学校もあります。引っ越しを考えている家庭は、いつの時点で住んでいる必要があるかを、志望校の募集要項で先に確かめてください。
通学の条件は、学校データの元の記載に年度の書き添えが無い学校が多く、項目ごとに2027年度の資料かを確かめ直してはいません。通学区域は年度で変わることがあるので、志望校の2027年度の要項で確かめてください。
検定料と面接
「検定料」の名目の金額を学校データの検定料・出願の欄で確かめられた学校は29校で、そのうち28校が3,300円です。残る1校は奈良教育大学附属小学校の2次募集で、検定料は1,100円(2次募集)です。ただし同校は抽せん合格の場合、面接調査・健康診断の費用2,200円がかかるので、抽せんに通って面接調査まで進むと、記載された支払いの合計は3,300円になります。
段階ごとに払う学校・返す学校もあります。学芸大附属大泉小学校は第1次選考 1,100円と第2次選考 2,200円に分けて払う形で、両方払うと3,300円です。神戸大学附属小学校は、一次選考(抽選)の選外者には検定料3,300円のうち2,200円を返還すると書いています。学芸大附属世田谷(3,300円)と大泉は、別の公式ページで金額を確かめましたが、学校データの検定料の欄に金額が無いため29校には入れていません。
残る29校は、検定料の金額を学校データの欄で確認できなかった学校です。公開されているWebの資料に金額が無い学校もあり、その場合は学校が配る募集要項で確かめることになります。授業料は、学校教育法が国立・公立の小学校の義務教育では授業料を徴収できないと定めていて、どの国立の小学校でもかかりません。入学後にかかるお金(給食費・PTA会費など)は学校ごとに違います。
2027年度の58校のうち、面接・面談の記載(面接の欄・選考の方法・考査日)を確かめられた学校は27校で、そのうち保護者の面接・面談(親子面接を含む)の記載がある学校は18校です。保護者の面接を、考査の日ではなく願書を出すときに行うと書く学校が4校あり、静岡大学附属静岡小学校は願書受付当日に保護者面談(5分程度)があります。残りの学校は面接の記載を確かめられなかった学校で、面接が無いとは限りません。面接で何を聞かれるかは小学校受験の面接で説明しています。
志望校で確かめること
- 1抽選の段階を読む抽選が検査の前か後か。前なら検査に進めないことがある。後なら、検査に通っても入学できないことがある
- 2住む場所の条件を読む市区町村・校区の名前か、通学時間の条件か。いつの時点で住んでいる必要があるか(出願時か、入学までか)
- 3説明会と願書の受け取りを押さえる説明会に出ないと願書をもらえない学校がある(鹿児島大学附属・旭川など)。配る日と受け付ける日を書き出す
- 4私立や公立と並べて考える抽選がある学校は、準備をしても入学できないことがある。ほかの進学先も一緒に考えておく
学校ごとの日程・通学の条件・出典は学校一覧の各校のページで見られます。この記事の数は、学校公式の2027年度入学者向けの募集要項・公示で2026年11月4日までに確かめたものです。募集要項がこれから公開される学校(大阪教育大学附属池田・愛媛大学附属など)は、公開後に変わることがあります。