2019年01月17日更新
円の方程式について分かりやすく解説!【問題付き】
円の方程式を知っていますか?円の方程式とは円の形を座標平面上で表すときに用いられる式です。2乗の計算や変形などを含むため少しややこしく、苦手意識を感じるところもあるかもしれません。今回はそんな円の方程式について理解できるよう、わかりやすく解説していきます。

はじめに

円の方程式を知っていますか?

円の方程式とは円の形を座標平面上で表すときに用いられる式です。

2乗の計算や変形などを含むため少しややこしく、苦手意識を感じるところもあるかもしれません。

今回はそんな円の方程式について理解できるよう、わかりやすく解説していきます。

円の方程式とは

円の方程式は以下のようなものを指します。


\(x^{2}+y^{ 2}=r^({2}\)

\((x-a)^{2}+(y-b)^{2}=r^{2}\)


上2つが問題などでよくみられる形の方程式です。

(r=半径 a,b=円の中心の座標)


更にその式を一般化したものが次の式です。

\(x^(2)+y^(2)+lx+my+n=0\)

(l,m,nは任意の値)


以上の3つの形の式を円の方程式と呼びます。

これらの方程式は円の中心座標・半径・円の成立不成立を表した式で、図形と方程式内での座標平面上の円にまつわる問題を解く際に必要になる重要な公式です。


定理の導出

それでは実際に円の方程式を導く過程についてみていきます。

原点を中心とする円の方程式

証明には座標平面上に原点OとOを中心とした円Cの円周上の任意の点P\(\left(x,y\right)\)を用います。


はじめに原点OからPに向かって伸ばした直線の大きさ(円Cの半径に当たる)を\(r\)(rは正)と仮定します。

次に点P(x,y)から垂直にy軸に向かって垂線をおろし、垂線とy軸との交点\(\left(x,0\right)\)を作ります。

このとき原点O(0,0)、任意の点P(x,y)、点Pからおろした垂線のy軸との交点(x,0)、この3つでrを斜辺とする直角三角形ができることがわかります。

円の方程式の証明はこの3つの点からなる直角三角形で行います。


三平方の定理において直角三角形の三辺は以下のように表すことができます。


\(a^{2}+b^{2}=c^{2}\)


これをこの原点O(0,0)、円周上の任意の点P(x,y)、点Pの垂線とy軸との交点(x,0)の直角三角形三角形、―つまり斜辺をOPとし、斜辺以外の2辺に関してそれぞれx座標・y座標で表される直角三角形に適用します。


\(x^{2}+y^{2}=OP^{2}\)(OPを斜辺とする直角三角形)


このとき線分OPと半径rは同一であるため、これを置き換えます。


\(x^{2}+y^{2}=r^{2}\)(rは半径)


以上から原点を中心とする円の円周上にあるP(x,y)について上の式が表されます。

また逆に、\(x^{2}+y^{2}=r^{2}\)(rは半径)である円Cから、「円Cは原点を中心とし、rを半径とする円である」ということができます。

任意の点を中心とする円の方程式

任意の点を中心とする円の方程式についても、考え方は原点中心の円の方程式と同様です。


はじめに円の中心を点C(a,b)、円周上の任意の点を点P(x,y)と仮定し、円の中心である点Cから点Pに向かって伸ばした直線の大きさをr(rは正)と仮定します。

このとき点Cからx軸に垂直に延した直線と点Pからy軸に垂直に延した直線の交点を点Qとします。

原点を中心とする円の方程式の証明にも垂線を用いましたが、任意の点を中心とする円の場合に異なるのはこの点です。


この3つの点C(a,b)、点P(x,y)、点Qの3つから三平方の定理を用いて、任意の点を中心とする円の方程式を証明していきます。

上の作図から線分CPを斜辺とする直角三角形CPQができました。

この直角三角形で三平方の定理を使う際に必要になるのが、3辺の大きさです。

斜辺CPの大きさは仮定より、

CP=r

斜辺を除く2辺は、

QC=x-a

PQ=y-b

以上のように表されます。

すべての辺の大きさが明らかになったため、三平方の定理を用いることができます。


三平方の定理は、


\(a^{2}+b^{2}=c^{2}\)(cを斜辺とする直角三角形)


これに先ほど明らかになった値をもとに直角三角形CPQの各辺の大きさを代入します。


\(QC^{2}+PQ^{2}=CP^{2}\)(CPを斜辺とする直角三角形)


\((x-a)^{2}+(y-b)^{2}=r^{2}\)


以上で円の任意の中心の点C(a,b)とその円周上の点P(x,y)についての式が表されます。

またこれも原点を中心とする円の場合と同様に、


\((x-a)^{2}+(y-b)^{2}=r^{2}\)


である円Cから、「円Cは点(a,b)を中心とし、rを半径とする円である」ということが言えます。

一般式とは(円の形・有無の判断)

一般式とはこれまでの特徴的な2乗で表される式とは異なり、


\(x^{2}+y^{2}+lx+my+n=0\)


のような一般的な形で表される式を指します。


ただしこの式そのものは円の形(中心・半径)と円そのものの有無を表した式になっており、変形することでこれまでで示した円の方程式に変換することができます。


例えば次の場合で考えてみましょう。


\(x^{2}+y^{2}-2x-2y-2=0\)


この式を円の方程式の形に変形させます。


\(x^{2}+y^{2}+lx+my+n=0\)

\((x^{2}-2x-1)+(y^{2}-2y-1)-2=0\)

\((x-1)^{2}+(y-1)^{2}=4\)


この形が2つ目で示した


\((x-a)^{2}+(y-b)^{2}=r^{2}\)


と同じ形になっていることがわかると思います。


つまり


\((x^{2}-2x-1)+(y^{2}-2y-1)-2=0\)

\((x-1)^{2}+(y-1)^{2}=4\)


について


変形から(1,1)を中心とし、半径2の円”ということがわかります。


このように円の方程式の要素を展開して一般化したものを、一般式と呼びます。


ちなみに一般式の時点では円の方程式かどうかわからないとき、この変形を用いることでその式が円なのか円でないのかを判断することができます。


原点を中心とする円・任意の点を中心とする円の証明の際に「半径r(rは正)」という文言が何度か登場しました。

これは実は大事な定義なのです。


rが正であるということはつまり「半径が存在する」ということを指します。


逆にrが負である場合は半径が成立せず、円そのものが成り立たないということを示すことになります。


例えば先ほどの式。


\((x^{2}-2x-1)+(y^{2}-2y-1)-2=0\)

\((x-1)^{2}+(y-1)^{2}=4\)(4>0)


これは変形することで右辺部(\(r{2}\)に当たる値)が正になるため、円を表した方程式であることがわかります。

一方以下の式はどうでしょう。


\((x^{2}-2x-1)+(y^{2}-2y-1)-4=0\)

\((x-1)^{2}+(y-1)^{2}=-2\)(-2<0)


変形の結果、右辺部(\(r{2}\)に当たる値)は-2、負の数となりました。よってこの式は円の方程式を表していない、ということがわかります。


以上のように一般式からの変形を用いることで円の中心・半径だけでなく、円の有無も判断することができます。

例題

それでは実際に円の方程式を用いた問題について解いてみましょう。

中心・半径から円の方程式を求める問題

次に一般式を用いた円の有無を判断する問題を解いてみましょう。


問.次の式についてそれぞれ円を表す式か答えなさい。

(1)\(x^{2}+y^{2}-4x+10y+20=0\)

(2)\(x^{2}+y^{2}-6x-8y+25=0\)

(3)\(x^{2}+y^{2}+2x-6y+10=0\)


解答.

一般式からその式が円を表すかどうか判断するためには、式を平方の形に直し、右辺の正負を判断しなければなりません。

それぞれの式についてみていきます。


(1)\(x^{2}+y^{2}-4x+10y+20=0\)


この式について平方の形に直すと、

\(x^{2}+y^{2}-4x+10y+20=0\)

\((x-2)^{2}+(y+5)^{2}-9=0\)

\((x-2)^{2}+(y+5)^{2}=9\)…(右辺)>0


右辺が正であるため、\(x^{2}+y^{2}-4x+10y+20=0\)の式は円であり、(2,-5)を中心とする、半径3の円であることがわかりました。



(2)\(x^{2}+y^{2}-6x-8y+25=0\)


次に(2)の式についてみていきます。

この式も同じく平方の形に直すと、

\(x^{2}+y^{2}-6x-8y+25=0\)

\((x-3)^{2}+(y-4)^{2}+10=0\)

\((x-3)^{2}+(y-4)^{2}=-10\)…(右辺)<0


この式では右辺が負の数になりました。

この場合半径が実数状に存在しないことになるため、円は成立しません。


よって\(x^{2}+y^{2}-6x-8y+25=0\)は円の方程式ではないことがわかります。



(3)\(x^{2}+y^{2}+2x-6y+10=0\)


最後に(3)の式についてみていきます。

(3)の場合も同様に平方の形に直します。

\(x^{2}+y^{2}+2x-6y+10=0\)

\((x+1)^{2}+(y-3)^{2}=0\)


円の方程式の形に直した結果、(右辺)=0になってしまいました。

上の場合これを満たすのは(x,y)=(-1,3)のみになります。

よって\(x^{2}+y^{2}+2x-6y+10=0\)は点(-1,3)を示す式だということ言えます。

おわりに

ここまで円の方程式の求め方と一般式を用いた問題の解き方について解説しました。


円の式を作れるようになったでしょうか。

理解の後には実践が大切です。


平方の形に直したり、円の有無を判断するのにはなれが必要なので、できるだけたくさん問題を解いて、方程式を自分のものにしていきましょう!

この記事の執筆者
スタモ編集部
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