2019年01月17日更新
『チェバの定理』とは?証明方法から使い方までをわかりやすく解説!【問題付】
高校数学の『チェバの定理』の内容と使い方をわかりやすく解説。公式の証明や三角形を描く際の辺の内分点・外分点の取り方、そして公式を忘れたときのための『一筆書き』による式の作り方をわかりやすく説明します。辺の並び方では覚えにくいチェバの定理を、曲線を書きながら身につけていきましょう!

チェバの定理とは?

高校数学の平面図形に登場する『チェバの定理』。

公式はこのようなものです。

三角形の図と点P、Q、Rの位置はこのようになります。

左辺の分数の右上と左下のアルファベットが同じという特徴があり、それぞれの分子と分母をひっくり返した、


\(\frac{PB}{AP}\cdot\frac{QC}{BQ}\cdot\frac{RA}{CR}=1\)


の形でも成り立ちます。


辺の比を代入するだけで使えるチェバの定理ですが、なぜこれが成り立つのでしょうか?

証明は下記のとおりです。


辺の比を代入するだけで使えるチェバの定理ですが、なぜこれが成り立つのでしょうか?

証明は下記のとおりです。

【チェバの定理の証明】

AQ、BR、CPの交点をOとして、

△OAB:△OAC=BQ:QC

となることを示す。


直線AQ上に点B、点Cから垂線を下ろし、AQとの交点をそれぞれ点D、点Eとする。


△BDQと△CEQは、


∠BQD=∠CQE(対頂角)


∠BDQ=∠CEQ=∠R


よって2角がそれぞれ等しいので、


△BDQ∽△CEQ


ゆえに、BQ:QC=BD:CE…①


ここで、△OABと△OACは辺OAが共通しており、これを底辺とすると高さはそれぞれBD、CEとなる。


底辺が共通しているのでその面積比は高さの比に等しく、


△OAB:△OAC=BD:CE…②


①と②より、


△OAB:△OAC=BQ:QC


ゆえに、\(\frac{△OAB}{△OAC}=\frac{BQ}{QC}\) …①




同様にして、


\(\frac{△OBC}{△OAB}=\frac{CR}{RA}\)…②


\(\frac{△OAC}{△OBC}=\frac{AP}{PB}\)…③


が成り立つ。


③、①、②の順で左辺をかけ合わせると、


\(\frac{△OAC}{△OBC}\cdot\frac{△OAB}{△OAC}\cdot\frac{△OBC}{△OAB}=1\)


ゆえに、


\(\frac{AP}{PB}\cdot\frac{BQ}{QC}\cdot\frac{CR}{RA}=1\)(終)




チェバの定理の証明は、底辺が等しい三角形の面積比が線分の比に等しいことを利用しています。


それでは実際に公式を使ってみましょう。


【例題1】

△ABCの辺AB、辺BCをそれぞれ2:1、3:2に内分する点をP、Qとする。

線分AQとCPの交点をOとし、BOの延長線と辺ACとの交点をRとするとき、CR:RAの値を求めなさい。



最初は公式に代入する形で、チェバの定理に慣れてください。

図形は実際に描いてみたほうが、公式を身につけやすくなるでしょう。



【例題1の解答】

AP:PB=2:1、BQ:QC=3:2からチェバの公式より、

\(\frac{2}{1}\cdot\frac{3}{2}\cdot\frac{CR}{RA}=1\)

\(3\cdot\frac{CR}{RA}=1\)

\(\frac{CR}{RA}=\frac{1}{3}\)

よって、CR:RA=3:1。(終)



一筆書きで一回り!


【例題1】は公式を見た直後ですので、すぐに代入できたと思います。

しかしいくら使いやすいといっても、辺の順番を覚えるのは大変ですよね?

そこで、次の『一筆書きで一回り』の3つの手順に沿ってチェバの公式を導いてください。


《1》内分比と外分比も含めて問題文の図形を描く。

《2》頂点Aをスタート地点として、曲線を書きながら2回ずつ進んで次の頂点B、頂点Cまで行き、最後にまた頂点Aに戻る(図では各辺とも、1回目の移動は赤、2回目は緑で示しています)。

これでチェバの定理の完成です。

本来の意味とは少し異なりますが、手順2が『一筆書きで一回り』を示しています。

三角形の1つの頂点から始まり、他の2つを経由して、最後は同じ頂点に戻ってくるように線を書いていきましょう。


さて、三角形を描く際、点P、Q、Rが辺AB、BC、CAをそれぞれ内分している場合は問題ないでしょう。

しかし外分点は少し描きにくいかもしれません。

ちょっと横道に逸れますが、外分点の取り方を説明します。

外分点は比例式に注目!

例えば点Pが線分ABを2:1に内分するとしましょう。

これは頭の中ですぐにイメージが沸いたのではないでしょうか?

点Pはここにありますね。

それでは点Pが線分ABを2:1に外分する場合はどうでしょうか?

外分の知識があいまいでも、外分点が点Aの右側か、点Bの左側にあることは想像できるでしょう。

どちらにあるかを考える上で意識してほしいのは、外分でも「AP:BP=2:1」の比例式が成り立つことなのです。

つまり、線分APのほうが線分BPよりも長いので、点Pは点Bの右側になければなりません。

あとはAP:BP=2:1から、AB:BP=1:1になると考えて、点Bが線分APの中央にくるように点Pを描きましょう。

これを理解していれば、点Pや点Qが三角形の辺を外分している場合も三角形を描けると思います。

それでは上の手順に沿って、次の問題に挑戦してみましょう。

【例題2】

△ABCの辺ABを4:1に外分する点をP、辺ACを3:1に外分する点をRとする。

辺BC上の点をQとして、直線AQと線分CP、BRが1点で交わるとき、BQ:QCの値を求めなさい。



【例題2の解答】

図はこのようになります。

外分点のイメージはつかめたでしょうか?

AP:PB=4:1、CR:RA=1:3からチェバの定理より、


\(\frac{4}{1}\cdot\frac{BQ}{QC}\cdot\frac{1}{3}=1\)

\(\frac{BQ}{QC}=\frac{3}{4}\)


ゆえに、BQ:QC=3:4。(終)



内分点・外分点を利用したチェバの定理は理解できたでしょうか?

それでは最後は応用問題です。

【例題3】

△ABCの内部に点Oがあり、辺AB、辺BC、辺CA上の点を順にP、Q、Rとする。

∠AOB、∠BOC、∠COAを線分OP、線分OQ、線分ORがそれぞれ二等分しているとき、三角形ABCと点P、Q、Rに関してチェバの定理が成り立つことを示しなさい。



こちらの問題の三角形は下記のようになりますが、公式に数値を代入するわけではありません。

三角形の頂角の二等分線が、底辺をどのように分けるのかがポイントとなります。

【例題3の解答】

三角形ABCにおいて、頂角を∠AOBとする。

線分OPが∠AOBを二等分するので、

 AP:PB=OA:OB

よって、

\(\frac{AP}{BP}=\frac{OA}{OB}\)…①

同様にして、

\(\frac{BQ}{QC}=\frac{OB}{OC}\)…②

\(\frac{CR}{RA}=\frac{OC}{OA}\)…③

 

以上より①、②、③の両辺をかけ合わせて、

\(\frac{AP}{BP}\cdot\frac{BQ}{QC}\cdot\frac{CR}{RA}=\frac{OA}{OB}\cdot\frac{OB}{OC}\cdot\frac{OC}{OA}=1\)

よって、チェバの定理が成り立つ。(終)


以上、チェバの定理を解説しました。

『一筆書きで一回り』!

この手順をしっかり覚えて、チェバの定理をマスターしてください!

この記事の執筆者
スタモ編集部
最高の学習をもっと身近に、どこでも。スタモ編集部は、大学受験や日々の勉強に役立つ記事を発信しています。予備校講師や塾講師の経験のある東大、京大、早慶の卒業者メンバーが中心に、どこよりも詳しく、どこよりも丁寧な内容をお届けいたします。
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