2019年01月22日更新
メネラウスの定理の性質と外分点の取り方、図形問題での使い方を詳しく解説
本記事ではメネラウスの定理の内容と性質、図形問題での使い方を詳しく解説していきます。定理の覚え方やチェバの定理との違い、分子と分母に数字をどうやって代入するのかなどを、例題をとおして身につけていきましょう。

はじめに

「メネラウスの定理ってどんな式? どうやって定理を覚えるの? 証明の仕方は? チェバの定理と何が違うの? 定理の使い方は?」

この記事ではそのような疑問に答えます。

メネラウスの定理とは?

外分点の取り方がポイント

△ABCの辺AB、BC、CAまたはその延長線と、三角形の頂点を通らない1本の直線との交点をP、Q、Rとするとき、

 \(\frac{AP}{PB}・\frac{BQ}{QC}・\frac{CR}{RA}=1\)

点Qが辺BCの外分点となっています。

メネラウスの定理は、直線が三角形の辺と交わらなくても成り立ちます。

点Qが辺BCの外分点であることは変わりません。

チェバの定理との違い

メネラウスの定理とチェバの定理は式自体は同じものです。


よってチェバの定理同様、メネラウスの定理も、左辺の分数の右上と左下のアルファベットが同じで、それぞれの分子と分母をひっくり返した、

 \(\frac{PB}{AP}・\frac{QC}{BQ}・\frac{RA}{CR}=1\)

の形でも成り立ちます。


2つの定理の違いは、三角形の辺以外の直線がどこにあるのかです。

メネラウスの定理は三角形と1本の直線から成り立っていますが、チェバの定理は各頂点を通る直線があり、辺以外の直線が3本あります。


チェバの定理の図形は下記のとおりなので、確認しておいてください。

メネラウスの定理の証明

平行線と比が大切

メネラウスの定理の証明は、平行線と比の考え方が大切です。


【メネラウスの定理の証明】

点Sが登場します。

△ABCの頂点Cを通り、直線PQと平行な直線と辺ABとの交点をSとする。

PR//SCより辺ASと辺ACにおいて、

 \(\frac{CR}{RA}=\frac{PS}{AP}\)

同様に辺BQと辺BPにおいて、

 \(\frac{BQ}{CQ}=\frac{PB}{PS}\)

ゆえに、

 \(\frac{AP}{PB}・\frac{BQ}{QC}・\frac{CR}{RA}=\frac{AP}{PB}・\frac{PB}{PS}・\frac{PS}{AP}=1\)


点Pと点Rが辺ABと辺ACの延長線上にある場合も、同じように補助線を引いて証明することができます。

メネラウスの定理の覚え方

一筆書きで一回り

さて、公式を覚えていれば数値を代入するだけのメネラウスの定理ですが、アルファベット順に覚えるのは大変です。


チェバの定理同様に、『一筆書きで一回り』の3つの手順に沿って公式を使っていきましょう。


【メネラウスの定理の覚え方】


《1》内分比と外分比も含めて問題文の図形を描く。

この図形では、AP:PB=3:2、BQ:QC=3:1として、CR:RAを求めるものとします。

《2》頂点Aをスタート地点として、曲線を書きながら2回ずつ進んで次の頂点B、頂点Cまで行き、最後にまた頂点Aに戻る(図では各辺とも、1回目の移動は赤、2回目は緑で示しています)。

《3》各辺を移動したときの、1回目に進んだ数字(比)を分子に、2回目に進んだ数字を分母に書いて、それらをかけ合わせ、最後に「=1」をつける。

 \(\frac{3}{2}・\frac{3}{1}・\frac{CR}{RA}=1\)

これでメネラウスの定理の完成です。


あとは分数を計算して、

 \(\frac{9}{2}・\frac{CR}{RA}=1\)

 \(\frac{CR}{RA}=\frac{2}{9}\)

 \(CR:RA=2:9\)

となります。


それでは実際に問題を解いてみてください。

メネラウスの定理の使い方

図を描いてから数字を代入

【例題1】

△ABCの辺AB、辺AC上を通る直線lがあり、辺AB、辺ACとの交点をそれぞれ点P、点R、辺BCの延長上との交点を点Qとする。

AP:PB=3:2、BC:CQ=4:2のとき、AR:RCを求めなさい。


【ポイント】

図形問題では辺の大小や角度をある程度正確に、そして大きめに描くことを心がけてください。

この問題では、BC:CQ=4:2はそのまま公式に代入できないことに注意しましょう。


【例題1の解答】

BQ:QC=6:2なのでメネラウスの定理より、

 \(\frac{AP}{PB}・\frac{BQ}{QC}・\frac{CR}{RA}=\frac{3}{2}・\frac{6}{2}・\frac{CR}{RA}=1\)

 \(\frac{9}{2}・\frac{CR}{RA}=1\)

 \(\frac{CR}{RA}=\frac{2}{9}\)

よって、CR:RA=2:9


三角形を書いたあとは、頂点Aから左に一回りして、メネラウスの定理に数字を代入していきましょう。

外分点の取り方

メネラウスの定理では外分点が必ず登場します。


【例題2】

△ABCの辺ABを3:1に外分する点をP、辺ACを8:1に外分する点をRとする。

直線PRと直線BCの交点をQとするとき、BC:CQを求めなさい。


【ポイント】

外分点の取り方は大丈夫でしょうか?


【例題2の解答】

メネラウスの定理より、

 \(\frac{AP}{PB}・\frac{BQ}{QC}・\frac{CR}{RA}=\frac{3}{1}・\frac{BQ}{QC}・\frac{1}{8}=1\)

 \(\frac{3}{8}・\frac{BQ}{QC}=1\)

 \(\frac{BQ}{QC}=\frac{8}{3}\)

よってBQ:QC=8:3より、BC:CQ=5:3

外分点の取り方

【例題2】では外分点が出てきました。

内分点はすぐに書けるでしょうが、外分点はまだ曖昧な方がいるのではないでしょうか?

チェバの定理の記事と重複しますが、まだ覚えていない方はここで抑えてください。


外分のイメージをつかむために、まず、内分を確認しておきます。

例えば点Pが線分ABを2:1に内分するとしましょう。

これはすぐにイメージが沸いたのではないでしょうか?

点Pはここにありますね。

大切なのは、「AP:BP=2:1」になることです。


それでは点Pが線分ABを2:1に外分する場合はどうでしょうか?

外分の知識があいまいでも、外分点が点Aの右側か、点Bの左側にあることは想像できるでしょう。

どちらにあるかを考える上で意識してほしいのは、外分でも「AP:BP=2:1」の比例式が成り立つことなのです。

つまり、線分APのほうが線分BPよりも長いので、点Pは点Bの右側になければなりません。

あとはAP:BP=2:1から、AB:BP=1:1になると考えて、点Bが線分APの中央にくるように点Pを描きましょう。

これを理解していれば、点Pや点Qが三角形の辺を外分している場合も三角形を描けるはずです。


それでは最後の問題です。

△ABCにとらわれないこと

【例題3】

△ABCの辺ABを1:1に内分する点をP、辺BCを4:1に外分する点をQとする。

直線PQと直線ACの交点をRとするとき、PR:RQを求めなさい。


【ポイント】

△ABCを使うと、メネラウスの定理で求められるのはCR:RAになるはずですね。

この問題では△ABCに直線PQが交わっているのではなく、△BQPに直線ACが交わっているという考え方をします。


【例題3の解答】

下側にある△BQPに注目!

△BQPにおいてメネラウスの定理より、

 \(\frac{BC}{CQ}・\frac{QR}{RP}・\frac{PA}{AB}=1\)

よって、

 \(\frac{4}{1}・\frac{QR}{RP}・\frac{1}{2}=1\)

 \(\frac{2}{1}・\frac{QR}{RP}=1\)

 \(\frac{QR}{RP}=\frac{1}{2}\)

ゆえに、PR:RQ=2:1。

おわりに

以上、メネラウスの定理を解説しました。

外分の考え方をするぶん、チェバの定理よりも使い方が難しいですが、一筆書きの方法をマスターして、公式を使いこなしていきましょう!

この記事の執筆者
スタモ編集部
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