2019年01月16日更新
「大過去=過去完了形」という認識は間違い!過去完了形を正しく理解しよう
高校英文法で初めて見る人も多い「過去完了形」。中学で習う「現在完了形」を過去にしたもの、と習った人も多いかと思います。今回は、多くの人が勘違いしていたり、あまりよく理解できていないポイントを重点的にまとめてみました。

高校英文法で初めて見る人も多い「過去完了形」。

 

中学で習う「現在完了形」を過去にしたもの、と習った人も多いかと思います。

 

現在完了形を過去にしたものならそんなに難しくないかな?と思われがちなのですが、

 

実は奥が深く、間違いも多いのがこの過去完了形なのです。

 

今回は、多くの人が勘違いしていたり、あまりよく理解できていないポイントを重点的にまとめてみました。

1、そもそも過去完了形ってどんなもの?

まずは基本的な過去完了形の知識をしっかりとおさえておきましょう。

 

過去完了形は、現在完了形を過去にしたもの。

 

現在完了形は、have+過去分詞で、 完了・結果/経験/継続 について表すことができます。

過去完了形は、had+過去分詞で、完了・結果/経験/継続 について表すことができます。

 

上の例文は「宿題をやっていた過去」があり、「今、既に終わった」という「今」のことを表しています。

 

過去完了では、その「今」が「過去」のことになるため、「宿題をやっていた過去」は「過去よりももっと過去」のこととなるわけです。

「父が帰って来た」という過去よりも更に過去に「宿題をやっていた過去」があり、「父が帰って来た」という過去の時点では既に宿題が終わっていた、ということです。

 

このように、明らかにある過去よりも更に過去が存在する場合は現在完了形では表せないため、過去完了形を使います。

 

現在完了形と過去完了形の最大の違いは、この「過去よりも更に過去」があるかどうかです。

(1) 答え:②

①「まだ東京にいる?」に対してNoで答えているため、「今もういない」という意味になるので、

未来の時制は使えない。

③明確に大過去がないため、過去完了形は使えない。

④theyは複数形なので、3単現のsはつかない。

 

(2) 答え:①

②「彼らが結婚した時」という過去があるということは、知り合っていたのは更に過去になるため、現在完了形は使えない。

③「彼らが結婚した時」は過去であることと、knowは動作動詞ではないため進行形にできないことの2つの理由で間違い。

④knowは動作動詞ではないため進行形にできない。

2、「過去よりも更に過去=過去完了形」は大きな勘違い!

さて、【1 そもそも過去完了形ってどんなもの?】を読んで、

 

「過去完了形の特徴は過去よりも更に過去があることだから、それがあれば過去完了形!」

 

と思った人は多いのではないでしょうか?

 

実はそれ、大きな勘違いなのです。

 

過去よりも更に過去があるからといって、必ずしも過去完了形を使うとは限りません。

 

例えば、「昨日は怖い夢を見て、4時に起きてしまった」という文があったとします。

 

まず、「昨日は」と言っている時点で「4時に起きてしまった」のは過去のことだとわかります。

 

「怖い夢を見た」のは「4時に起きた」よりも過去、つまりは過去よりも更に過去ということになります。

 

では、これを英訳する際は過去完了形を使わなければならないのでしょうか?

 

答えはNoです。単に過去形を2回使うことで英訳できます。

 

I got up at 4 a.m. yesterday because I had a nightmare.

 

これでOKなのです。

 

なぜこれが過去完了形でなくてもよいのかというと、理由は2つあります。

 

①わざわざ過去完了形にしなくてもわかるから

②過去完了形が表す意味ではないから

 

まず ①わざわざ過去完了形にする必要がないから ですが、これは簡単な話で、「起きるよりも先に夢を見る」ということは当たり前だからです。

 

当たり前のことなので、わざわざ過去完了にして「こっちの方がより過去の出来事ですよ」と明示しなくても分かるのです。

 

過去完了にするのは、「こっちの方がより過去の出来事ですよ」ということを明示する必要がある場合です。

 

次に、 ②過去完了形が表す意味ではないから ですが、これは過去「完了」形であることに注目しなくてはなりません。

 

過去完了形は、その名の通り現在完了形の過去バージョンなので、基本的な用法としては現在完了形と全く同じです。

 

現在完了形が表す意味は、 完了・結果/経験/継続 の3つです。

 

つまり、過去完了形ものこの完了・結果/経験/継続を表すものなので、そうでない意味は過去完了形を使わなくても表すことができるのです。

 

実はこれは、大過去という用法です。

 

ん?大過去って「過去完了形の時に使うもの」なんじゃないの?と疑問に思った人もいることだと思います。

 

実はそれは間違いです。

 

多くの人が、「大過去=過去よりも更に過去=過去完了形」という間違いをしているのです。

 

厳密に言えば、大過去と過去完了形は別物です。

 

そして、大過去は過去形で代用することができます。

 

ここからは、「大過去と過去完了形の違い」と「そもそも過去完了形を使うのはどんな時か」について詳しく解説していきます。

3、大過去とは何か?

2 、「過去よりも更に過去=過去完了形」は大きな勘違い!で、大過去と過去完了は別物だと述べました。

 

では大過去とは何か?というと、「過去完了形を使って、過去よりも更に過去であることを明示する文法」です。

 

大過去は、過去完了の要素ではないのです。

 

大過去の用法で、分かりやすくするために過去完了形を使うこともある、ということです。

 

大過去はあくまで「過去よりも更に過去のこと」というだけなので、表しているのは点の時間。

 

よって、過去形で代用することができます。

 

【2 「過去よりも更に過去=過去完了形」は大きな勘違い!】で出て来た例文を思い出してみましょう。

 

I got up at 4 a.m. yesterday because I had a nightmare.

 

これは、 I got up at 4 a.m. yesterday because I had had a nightmare. と過去完了形で表すこともできます。

 

「怖い夢を見た」ことは、「見た」という点の時間として表されています。

 

他にも、 I lost the notebook which he gave me. (私は彼にもらったノートを失くした。)も、

 

「彼にノートをもらった」ことは明らかに「ノートを失くした」という過去よりも更に過去のことですが、

 

「彼にノートをもらった」ことは点の時間として表されているため、過去形でよいのです。

 

これを、 I lost the notebook which he had given me. と過去完了を使うと、

 

「彼にノートをもらった」ことは「失くした」よりも更に過去のことですよ!と分かりやすくなるというだけの話です。

4、過去形と過去完了形の違い

3、大過去とは何か?で、「大過去が表しているのは点の時間」と説明しました。

 

それに対して過去完了形が表しているは、線の時間。

 

よって、過去形で代用することはできません。

 

過去よりも更に過去のことが出てきたら、その文が時間を点として捉えているのか、線として捉えているのかで大過去なのか過去完了なのか区別することができます。

 

「線の時間を表す」とはどういうことなのか?

 

以下の例文を見てみて下さい。

 

I had never studied French before I entered college. (私は大学に入るまで1度もフランス語を勉強したことがなかった。)

 

点の時間とは、あくまで「~をした」のように特定できる点のこと。

 

「大学に入るまで1度も勉強したことがない」は、大学に入るまでの人生全てを言っています。

 

よって、これは線の時間と言えます。

このようなイメージです。

 

「フランス語を勉強していない」のは「大学に入るまで」なので、中学生や高校生の時も含まれます。

 

よって、明確に「この時」と特定できないのです。

これが、過去完了形が過去形で代用できない理由です。

答え:④

①「30歳になる前に何度か」なので、線の時間。

②「就職するまで15年間」なので、線の時間。

③「中学生の時に3回」なので、線の時間。

5、過去完了形は完了・結果の用法に注意!

「4、過去形と過去完了形の違い」では、過去完了形は線の時間を表すので過去形で代用することはできない、と説明しました。

 

過去完了形の中でも、経験と継続の用法には線の時間であることがわかりやすいです。

 

では、こちらはどうでしょうか?

 

The game had already begun when we arrived at the stadium. (我々がスタジアムに着いた時、既に試合は始まっていた。)

 

「試合が始まった」のは明らかに「我々がスタジアムに着いた」よりも過去のことです。

 

かつ、「試合が始まった」のは、経験や継続と違って点の時間で表せそうです。

 

よってこれは、 The game already began when we arrived at the stadium. と、過去形で代用できる!

 

…と思ってしまいがちなのですが、実は違います。

 

これは過去完了形の完了・結果という用法で、大過去との混同が非常に多いポイントです。

 

完了は「~し終わっていた」、結果は「~してしまっていた」という意味です。

 

「我々がスタジアムに着いた時、既に試合は始まっていた。」は、「試合は開始し終えていた」という完了、あるいは「試合が始まってしまっていた」という結果、を表すものです。

 

この「~し終わっていた」という完了、「~してしまっていた」という結果のニュアンスは、過去形では表すことはできません。

 

過去形は、あくまで「~した」という意味しか表せないからです。

 

ここで、過去形で代用できる文とできない文を見比べてみましょう。

 

・I lost the notebook which he had given me.

・The game had already begun when we arrived at the stadium.

 

「ノートをもらった」ことは完了や結果ではなく、単に「もらった」という出来事ですが、

 

「試合が既に始まっていた」ことは完了や結果のニュアンスが含まれるという違いがあります。

 

よって、上の文は過去形で代用できますが、下の文は過去完了形でしか表せないのです。

 

ちなみに、alreadyが使われていれば、その文はだいたい過去完了形で、過去形で代用することはできません。

 

alreadyは「既に」という意味で、動作の完了にかかわる単語だからです。

 

もし迷った時は、alreadyがあれば過去完了形と判断してしまってよいでしょう。

答え:②、③

①「バスが出発し終わってしまっていた」という完了・結果の意味が含まれるので代用できない。

④「結婚式が開始し終わってしまっていた」という完了・結果の意味の意味が含まれるので代用できない。

6、仮定法に注意!

ここまでで、「過去完了形は過去よりも更に過去のことを表す」ということがわかりました。

 

ですが、過去完了形を使っていても過去よりも更に過去のことを表さない場合もあるのです。

 

それは、仮定法を使っている時。

 

仮定法は、現在のことなら過去形を、過去のことなら過去完了形を使って表します。

 

仮定法というとifを使うイメージがありますが、そのifが省略されることもあります。

 

その場合、過去完了形なのか仮定法なのかを見極める必要があります。

 

注目するポイントは、

 

①倒置になっていないか 

②hadが副詞節で使われていないか

③助動詞の過去形+haveがないか

④実際にあったことなのか

 

の4点です。

 

例文を見てみましょう。

 

Had we known you were in hospital, we would have visited you.

 

この文は、Had we knownとhad+過去分詞を使っているので、一見過去完了形の文に見えます。

 

ですが、これは仮定法の文です。

 

注目するポイントとして挙げた4点と照らし合わせながら、これが仮定法である理由を説明していきます。

 

 

①倒置になっていないか

 

Had we knownと倒置で初めているのに、文末に?がついていません。

 

よって、過去完了形の疑問文ではないことがわかります。

 

仮定法では、節でifを省略した場合、そこは倒置になり文頭に置くため、疑問文のような語順になるという決まりがあります。

 

I would call her if I were you. (もし僕が君なら、彼女に電話するのに。)

 

この文のifを省略すると、以下のようになります。

 

Were I you, I would call her.

 

これは仮定法過去、つまり現在のことについて仮定する用法ですが、仮定法過去完了でも同じです。

 

I would have called her if I had been you. (もし僕が君だったら、彼女に電話したのに。)

 

ifを省略すると、

 

Had I been you, I would have called her.

 

となります。

 

 

②hadが副詞節で使われていないか

 

仮定法では、if節は副詞節です。

 

・I would call her if I were you.

・I would have called her if I had been you.

 

①で出した例文ですが、これはどちらも主語はif節ではない方のI、述語動詞は上の文がwould call、下の文がwould have calledです。

 

ここで、今までに出て来た過去完了形の例文を見てみましょう。

 

The game had already begun when we arrived at the stadium.

 

had+過去分詞は文の主節、述語動詞として出てきます。

 

 

③助動詞の過去形がないか

 

仮定法過去では動詞の過去形と助動詞の過去形、仮定法過去完了では過去完了形と助動詞の過去形+haveが使われます。

 

その際に使われる助動詞はwould, could, mightの3つです。

 

過去完了形と共にwould have, could have, might haveが使われていたら、まず仮定法を疑ってよいでしょう。

 

 

④実際にあったことなのか

 

仮定法は「非現実的なこと、実際にはなかったこと」について仮定します。

 

Had I been you, I would have called her.

 

この文は、直訳すると「僕が君だった、彼女に電話しただろう」です。

 

「僕」は「君」ではありませんし、「君」にもなれないので、この文は非現実的であると言えます。

 

また、wouldを使って「~だろう」という意味を表しているので、実際には電話しなかったと推察できます。

 

よって、「僕が君だったら」という仮定法の文であると考えられます。

 

 

以上4点から、 Had we known you were in hospital, we would have visited you. は仮定法過去完了の文と考えられます。

 

よって、「君が入院中だと知っていたら、お見舞いに行ったのに。」という訳になり、

 

過去完了形を使ってはいるけれど、あくまでも表しているのは過去についてということになります。

7、まとめ

・過去完了形は、完了・結果/経験/継続を、線の時間で表す

・大過去は点の時間なので過去形で代用可能

・完了・結果と大過去の混同に注意、alreadyがあれば過去形での代用不可

・仮定法過去完了のifの省略との混同に注意

この記事の執筆者
スタモ編集部
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