2019年01月22日更新
円柱の体積の公式と性質、円の公式の使い分けなどを詳しく解説
本記事では円柱の体積の公式と性質、その使い方をいくつかの例題で詳しく解説していきます。直円柱と斜円柱の体積がなぜ等しくなるのか、また、それに使う円の面積と円周の公式の覚え方も身につけていきましょう。

はじめに

「円柱の体積はどうやって求めるの? 直円柱と斜円柱って何? 円の面積と円周の長さを求める公式はどうやって区別するの?」

本記事では例題をとおして、これらの質問にわかりやすく答えていきます。

円柱の体積の公式とは?

基本は(底面積)×(高さ)

長方形の一辺を軸として、一回転させてできた図形を円柱(直円柱)といいます。

円柱の体積は、

 (半径)×(半径)×\(3.14\)×(高さ)

で求めることができます。


円周率を\(π\)、底面の円の半径を\(r\)、高さを\(h\)として文字で表すと、その体積\(V\)は、

 \(V=πr^{2}h\)

となります。

底面の半径が\(r\)、高さが\(h\)の円柱

円柱の体積は小学校で習い、中学校ではそれを\(π\)などの文字を用いて表しますが、どちらにしても体積は、

 (底面積)×(高さ)

で求めることができます。


体積は底面の円を高さの分だけ垂直に重ねていったものの和というイメージで覚えましょう。

ちなみに円柱は下側の円だけでなく、上側の円も底面といいます。


(底面積)×(高さ)で体積を計算できるのは、円柱だけでなく、底面が長方形や三角形などの角柱でも同じです。

斜円柱とは?

さて、円柱には直円柱の他に、底面から円が斜めに積み重なった斜円柱(しゃえんちゅう)もあります。

斜円柱

こちらの体積を求める公式も直円柱と同じく、

 (底面積)×(高さ)

となります。

高さは斜めの部分ではなく、下記の部分であることに注意しましょう。

底面から底面へ垂直に引いた線が高さです。

斜円柱の体積公式の証明

斜円柱の体積の公式が直円柱と同じ理由は次のとおりです。

こちらは底面積\(25πcm^{2}\)、高さ\(10cm\)の直円柱を真横から見た図です。

体積は、

 \(25π×10=250πcm^{3}\)

となりますね。

この直円柱を底面に平行な面で\(10\)等分し、少しずつ右にずらしていくと、このようになります。

形は元の円柱とかなり変わりましたが、体積は底面積\(25πcm^{2}\)、高さ\(1cm\)の円柱が\(10\)個あると考えて、

 \(25π×1×10=250πcm^{3}\)

となります。


これは元の円柱を\(10\)等分したので、円柱がギザギザの階段のようになりました。

さらにこれを\(100\)等分、\(1000\)等分…と分割の数を無限に増やしていくと、階段の段差が小さくなって、やがて滑らかな坂のようになり、斜円柱となります。


一つ一つの円柱の高さは限りなくゼロに近いですが、高さの合計は\(10cm\)なので、結局体積を合わせると\(250πcm^{3}\)となるのです。


繰り返しますが、円柱や角柱の体積は底面が高さのぶんだけ積み重なったものというイメージを忘れないようにしましょう。


それでは円柱の体積の問題に挑戦してみてください。

円柱の体積公式の使い方

円の面積の求め方は?

【例題1】

底面の円の直径が\(6cm\)、高さが\(8cm\)の円柱の体積を求めなさい。

図はこのようになります。

【ポイント】

円柱の体積は、(底面積)×(高さ)で求められますが、円の面積を求める公式は大丈夫でしょうか?


【例題1の解答】

底面の円の直径が\(6cm\)なので、半径は\(3cm\)となる。

よって底面積は、

 \(3cm×3cm×π=9πcm^{2}\)

なので、円柱の体積は、

 \(9π×8=72πcm^{3}\)

円の面積と円周の公式の覚え方

底面が長方形や三角形の場合は、底面積を求めるのに苦労することはあまりないでしょう。

しかし、円の場合は面積を求める公式と円周の長さを求める公式が混ざってしまうことがあるかもしれません。

ここでしっかりと確認しておきましょう。

円の半径は\(r\)を使います。


【円の面積を求める公式】

(半径)×(半径)×\(π\)、または\(πr^{2}\)


【円周の長さを求める公式】

\(2\)×(半径)×\(π\)、または\(2πr\)


公式を求めるポイントはその単位にあります。

面積の単位は\(cm^{2}\)や\(m^{2}\)など「平方」で、円周の長さの単位は\(cm\)や\(m\)などですよね。

単位が平方になるには、\(cm\)や\(m\)を2回かけるということなので、ここから、

 (半径)×(半径)

の形が思い出せると、公式を思い出すきっかけになるでしょう。

体積が最初からわかっているときは?

【例題2】

高さが\(6cm\)、体積が\(150πcm^{2}\)の円柱がある。

このとき、底面の円の半径を求めなさい。


【ポイント】

円の半径を\(xcm\)として、体積の公式から方程式を作ってみましょう。


【例題2の解答】

底面の円の半径を\(xcm\)とおくと、

 \(π×x^{2}×6=150π\)

 \(6πx^{2}=150π\)

 \(x^{2}=25\)

 \(x=±5\)

ここで\(x>0\)より、\(x=5\)

よって、半径は\(5cm\)。


それでは最後は応用問題です。

底面の半径も高さもわからないときは?

【例題3】

底面の円周の長さが\(6cm\)、高さが底面の円の半径の\(2\)倍となるような円柱がある。

このとき、円柱の体積を求めなさい。


【ポイント】

円の面積と円周の公式は確認できたでしょうか?

【例題3の解答】

底面の円の半径を\(xcm\)とおくと、高さは\(2xcm\)とおくことができる。

図はこのようになります。

円周の長さが\(6πcm\)なので、

 \(2πx=6π\)

 \(x=3\)

高さが円の半径の\(2\)倍なので、

 \(3×2=6\)

よって円柱の体積は、

 \(π×3^{2}×6=54πcm^{2}\)

まとめ

以上、円柱の体積の公式を紹介しました。

円柱の体積は(底面積)×(高さ)で求められること、そして円の面積と円周を求める公式をしっかり区別することが肝心です。

この公式を理解すれば円錐や角錐の体積公式も覚えやすいので、たくさんの問題をこなして身につけていってください。

この記事の執筆者
スタモ編集部
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