2019年01月24日更新
等比数列の一般項と和の公式の性質、その使い方を詳しく解説
本記事では等比数列の一般項\(a_{n}\)と和の公式\(S_{n}\)の性質を解説していきます。一般項の初項と公比の性質、公比がマイナスのときの注意点、和の公式の求め方などを身につけていきましょう。

はじめに

「等比数列ってどんな式? 初項と公比とは? 公比の指数が\(n-1\)なのはどうして? 一般項と和の公式はどうやって使うの?」

本記事ではこれらの質問にわかりやすく答えていきます。

等比数列とは?

そもそも数列とは?

\(1、3、5、7、…\)のように、数を一列に並べたものを数列といいます。

数列の数字一つ一つをといい、\(n\)を番号として\(a_{n}\)を使って表します。

上記の例では、

 \(a_{1}=1、a_{2}=3、a_{3}=5、a_{4}=7、…\)

となります。


項の中で特に\(a_{1}\)を初項一番最後の項は末項と呼びます。

また、上記は奇数の数列で第\(n\)項は\(2n-1\)で表されますが、これを一般項といい、\(a_{n}\)で表します。

この場合は、

 \(a_{n}=2n-1\)

となります。

等比数列の一般項とは?

数列の中で、

 \(3、6、12、24、…\)

のように、初項にある数をかけていったものを等比数列と呼びます。

この場合は初項が3、それに2をかけていったものが並んでいます。


かけていく数は公比といい、\(r\)を用います。

等比数列を文字で表すと、

 \(a、a×r、a×r^{2}、a×r^{3}、…\)

のようになり、一般項は、

 \(a_{n}=ar^{n-1}\)

と表すことができます。

一般項はここに注意!

等比数列の一般項\(a_{n}\)は、\(r\)の指数が\(「n-1」\)になることに注意してください。


こうすることで等比数列\(a_{n}=ar^{n-1}\)の初項は、

 \(a_{1}=ar^{1-1}=ar^{0}=a\)

となります。


また、等比数列の一般項では次のような間違いにも気をつけましょう。


例えば等比数列の一般項が、初項3、公比5と求められた場合、

 \(a_{n}=3\cdot5^{n-1}\)

となるわけですが、これをさらに、

 \(a_{n}=15^{n-1}\)

としてしまうミスを見かけます。


指数の\(n-1\)は公比の\(5\)にしかついていないので、初項と公比をかけることはできません。

一般項は、かけ算を表す「\cdot」が入るのが普通なので覚えておいてください。

等比数列の一般項の性質

等比中項の公式

等比数列には次のような性質があります。

\(a、b、c\)がこの順に等比数列を成しているとき、

 \(b^{2}=ac\)

が成り立つ。


\(b\)は等比中項といいます。

等比中項の公式の証明

数列\(a、b、c\)について、初項を\(a\)、公比を\(r\)とすると、\(b\)と\(c\)はそれぞれ、

 \(b=ar\)

 \(c=ar^{2}\)

と表すことができる。

このとき、

 \(b^{2}=(ar)^{2}=a^{2}r^{2}\)

 \(ac=a×ar^{2}=a^{2}r^{2}\)

よって、\(b^{2}=ac\)が成り立つ。(終)


それでは等比数列の一般項の問題に挑戦してみましょう。

等比数列の一般項の公式の使い方

\(n-1\)乗に注意!

等比数列の一般項を求める際は、公比\(r\)の指数が\(n-1\)であることに気をつけてください。


【例題1】

第\(4\)項が\(24\)、第\(6\)項が\(96\)となる等比数列\(a_{n}\)を求めなさい。


【ポイント】

初項\(a\)、公比\(r\)の等比数列の一般項は、\(a_{n}=ar^{n-1}\)です。

\(r\)の指数に注意しましょう。


【例題1の解答】

求める等比数列の初項をa、公比をrとする。

第\(4\)項が\(24\)なので、

 \(a_{4}=ar^{4-1}=ar^{3}=24\)…①

第\(6\)項が\(96\)なので、

 \(a_{6}=ar^{6-1}=ar^{5}=96\)…②

②÷①より、

 \(r^{2}=4\)

 \(r=2\)または\(r=-2\)


\(r=2\)のとき①より、

 \(a×2^{3}=24\)

 \(8a=24\)

 \(a=3\)


\(r=-2\)のとき①より、

 \(a×(-2)^{3}=24\)

 \(-8a=24\)

 \(a=-3\)


よって求める数列は、

\(a_{n}=3\cdot2^{n-1}\)、または\(a_{n}=-3\cdot(-2)^{n-1}\)(終)



一般項の公比がマイナスの場合は、必ずかっこで括るようにしてください。


次は等比中項の問題です。

等比中項の公式の使い方

【例題2】

\(4、m、2m\)がこの順に等比数列を成しているとき、この数列の一般項\(a_{n}\)を求めなさい。


【ポイント】

\(a\)や\(r\)を用いなくても、等比中項の公式\(b^{2}=ac\)で求めることができます。


【例題2の解答】

等比中項の公式より、

 \(m^{2}=4×2m\)

 \(m^{2}=8m\)

 \(m^{2}-8m=0\)

 \(m(m-8)=0\)

よって\(m=0\)または\(m=8\)。

\(m=0\)のとき、数列は\(4、0、0\)となり不適。

\(m=8\)のとき、数列は\(4、8、16\)となり、初項\(4\)、公比\(2\)の等比数列となる。

よって、\(a_{n}=4\cdot2^{n-1}\)。(終)



それでは一般項の最後の問題です。

和の公式が必要?

【例題3】

等比数列\(a_{n}\)が、

 \(a_{1}+a_{2}=8\)

 \(a_{3}+a_{4}=72\)

を満たしているとき、この数列の一般項を求めなさい。


【ポイント】

記事の後半に等比数列の和の公式が登場しますが、項数が少ないときは、一般項を利用したほうが近道です。


【例題3の解答】

\(a_{n}\)の初項を\(a\)、公比を\(r\)とする。

\(a_{1}+a_{2}=8\)より、

 \(a+ar=8…①\)

\(a_{3}+a_{4}=72\)より、

 \(ar^{2}+ar^{3}=72…②\)

②を変形すると、

 \(r^{2}(a+ar)=72\)

ここに①を代入して、

 \(r^{2}×8=72\)

 \(r^{2}=9\)

 \(r=±3\)

\(r=3\)のとき、これを①に代入すると、

 \(a+3a=8\)

 \(4a=8\)

 \(a=2\)

\(r=-3\)のとき、これを①に代入すると、

 \(a-3a=8\)

 \(-2a=8\)

 \(a=-4\)

よって求める数列は、

 \(a_{n}=2\cdot3^{n-1}\)、または\(a_{n}=-4\cdot(-3)^{n-1}\) (終)



さて、次は等比数列の和の公式を覚えていきましょう。


等比数列の和の公式とは?

\(r\)の指数が\(n\)になる!

等比数列\(a_{n}\)の初項を\(a\)、公比を\(r\)とするとき、第\(n\)項までの和\(S_{n}\)は、

 \(S_{n}=na(r=1のとき)\)

 \(S_{n}=a\frac{r^{n}-1}{r-1}=a\frac{1-r^{n}}{1-r}(r\neq1のとき)\)

となる。

和の公式の証明

和の公式の証明は下記の通りです。


\(r=1\)のとき、数列\(a_{n}\)の第\(n\)項までの和は、

 \(S_{n}=a+a×1+a×1^{2}+…+a×1^{n-1}\)

 \(=a×n\)

 \(=an\)


\(r≠1\)のとき、数列\(a_{n}\)の第\(n\)項までの和は、

 \(S_{n}=a+ar+ar^{2}+…+ar^{n-1}…①\)

両辺にrをかけると、

 \(rS_{n}=ar+ar^{2}+ar^{3}+…+ar^{n-1}+ar^{n}…②\)

②-①より、

 \((r-1)S_{n}=ar^{n}-a\)

 \((r-1)S_{n}=a(r^{n}-1)\)

両辺を\((r-1)(r\neq1)\)で割ると、 

 \(S_{n}=a\frac{r^{n}-1}{r-1}\)

右辺の分子と分母に\(-1\)をかけて、

 \(S_{n}=a\frac{1-r^{n}}{1-r}\)

よって成り立つ。(終)


②から①を引く際、右辺の\((ar+ar^{2}+ar^{3}+…+ar^{n-1})\)は相殺されることになります。

等比数列の一般項の\(r\)の指数は\(n-1\)ですが、和の公式では指数がnになることに注意してください。

和の公式の2つめは、公比が1より小さいときに使いましょう。

分母がプラスになるので、符号のミスが少なくなります。

それでは和の公式を使った問題に挑戦してみましょう。

\(r\)の指数に注意!

【例題4】

初項\(3\)、公比\(2\)の等比数列\(a_{n}\)の第\(10\)項までの和を求めなさい。


【ポイント】

公式を使う際は、公比rの指数に気をつけましょう。


【例題4の解答】

等比数列の和の公式より、

 \(S_{n}=3\frac{2^{10}-1}{2-1}\)

 \(=3(1024-1)\)

 \(=3×1023\)

 \(=3069\)


\(2^{10}=1024\)は指数対数の問題でもよく登場するので覚えておいてください。

和から項数を求める問題

【例題5】

初項\(4\)、公比\(3\)の等比数列\(a_{n}\)の第n項までの和が\(1456\)になるとき、nの値を求めなさい。


【ポイント】

【例題4】同様に和の公式を利用します。


【例題5の解答】

等比数列の和の公式より、

 \(S_{n}=4\frac{3^{n}-1}{3-1}\)

 \( =2(3^{n}-1)\)

 \( =1456\)

 \(3^{n}-1=728\)

 \(3^{n}=729\)

よって、\(n=6\)。(終)

和から一般項を求める問題

それでは最後は応用問題です。


【例題6】

等比数列\(a_{n}\)の和\(S_{n}\)が、

 \(S_{3}=35\)

 \(S_{6}=315\)

と満たすとき、一般項を求めなさい。


【ポイント】

【例題3】とは異なり\(S_{6}\)は項数が多いので、和の公式を使って連立方程式を作ります。


【例題6の解答】

数列\(a_{n}\)の初項を\(a\)、公比を\(r\)とする。

\(S_{3}=35\)より、

 \(a\frac{r^{3}-1}{r-1}=35…①\)

\(S_{6}=315\)より、

 \(a\frac{r^{6}-1}{r-1}=315…②\)

②を変形すると、

 \(a\frac{(r^{3}+1)(r^{3}-1)}{r-1}=315\)

 \((r^{3}+1)×a\frac{r^{3}-1}{r-1}=315\)

ここに①を代入して、

 \((r^{3}+1)×35=315\)

 \(r^{3}+1=9\)

 \(r^{3}=8\)

 \(r=2\)

これを①に代入すると、

 \(a\frac{2^{3}-1}{2-1}=35\)

 \(a×7=35\)

 \(a=5\)

よって求める数列は、

 \(a_{n}=5\cdot2^{n-1}\)

まとめ

以上、等比数列の一般項と和の公式をご紹介しました。


一般項の公比\(r\)の指数は\(n-1\)で、公比がマイナスのときには必ずカッコをつけること。

また、和の公式のrの指数はnであることに注意してください。

数列の単元はこのあと漸化式(ぜんかしき)や\(Σ\)(シグマ)が登場しますが、等差数列と等比数列の公式を理解していれば、それほど難しくはありません。

演習問題をたくさんこなして、公式を身につけていきましょう!

この記事の執筆者
スタモ編集部
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