2019年02月03日更新
冠詞・定冠詞の使い分けは? a an the の3つの冠詞の意味
英語にあって、日本語にはない品詞である、冠詞。冠詞に〈a〉〈an〉〈the〉の3種類があることは、よく知られています。ただし、日本人にとって、いつまでも苦手な文法、よくわからない文法として残りがちなのが、この冠詞の使い方です。ここでは、冠詞について、みなさんがなるべく自然な感じでとらえられるように、要点をいくつかに絞って学んでいこうと思います。

冠詞とはどういうもの?

中学校で英語を学び始めた時、「物や人などの英語の名詞には、冠詞がつきます。特に、その名詞が1つである場合は、aやtheを必ずつけましょう」などと先生に言われて、何のことかさっぱりわからない!と思った人も多いのではないでしょうか。


日本語にはない、この冠詞という品詞は、英語をはじめとするいくつかの言語で使われている「限定詞」という種類の単語です。


冠詞は、「冠(かんむり)」というネーミングからもわかるように、いろいろな名詞の前にまるで冠のようについて、その名詞の数・属性・性質などを表して、名詞を限られたものとして区別する働きをもつ言葉です。


英語の冠詞には、不定冠詞〈a〉〈an〉と、定冠詞〈the〉の3つの種類があります。


そして、今まで英語を学んできた中で、この〈a〉〈an〉〈the〉の3つの冠詞の使い分けがよくわからない時、先生に説明を求めると、「えーと、この文章の時は、この名詞にはaをつけます。だけど、同じ名詞でも、こちらの文章ではtheをつけたほうがいいですね」などと言われて、思わずとまどってしまった経験がありませんか?

みなさんが今まで英語を学んできた中で、〈a〉〈an〉〈the〉の3つの冠詞の使い分けについて、徹底的に教わったことはおそらくなかったでしょう。だからこそ、日本人にとってこの冠詞の存在は、ちっぽけであっても、よくわからない度合は大きいといえます。


まず、冠詞が存在する意義として、これを意識してみてください。

→英語という言語では、とにかく「冠詞を使って、名詞をいろいろ区別する」ということが行われるのです。

そのため、名詞を書いたり話したりする時は、とっさの判断で冠詞をつけたり省略したりしている、というわけです。


ただし、冠詞についての文法は、細かいところでは若干あいまいな部分もあって、実際、冠詞の使い方について、英語を母語とする外国人に詳しい説明を求めても、「よくわからない」と言われることがあるくらいです。


そうはいっても、やはり基本的な冠詞の使い分けが身についていないと、英語という言語を使うのに不便ですよね。

まずは、冠詞を、不定冠詞と定冠詞に分けて、少しずつその文法と使い分けについて理解していきましょう。

不定冠詞〈a〉〈an〉は 名詞について数を限定する!

まず、英語は「数」にとても敏感な言語です。


英語の文章では、常に「その名詞が1つのものなのか、それとも2つ以上あるのか?」を意識している

といってもいいでしょう。



例を挙げると、日本語では「私は犬を飼っている。」 と言えばそれですみます。


しかし、英語の文では、

★〈飼っているのが1匹の犬〉なのか?

★〈飼っているのが2匹以上の複数の犬〉なのか?

をはっきりさせなければいけません。



そこで使われるのが、〈a〉〈an〉という冠詞です。

これらは、「不定冠詞」と呼ばれて、数えられる名詞(可算名詞)の単数形と結びつきます。


逆に言えば、

・複数形を表す時

・数えられない名詞(不可算名詞:water(水), information(情報)など)

とは結びつきません。


また、

・基本的には場所の名前や人名、題名などの固有名詞にもつきません。


※ただし!これには例外があります。例外については、後の項目で詳しく述べる予定です。)



では、まず2つの文を見比べてみましょう。


“ I have a dog.” (飼っているのが1匹の犬)

 “ I have dogs.” (飼っているのが2匹以上の複数の犬)


名詞 dogの前に〈a〉という冠詞をつけて、a dog とすると、「1匹の犬」といったように、名詞が単数であるという意味を持つようになります。


そして、「2匹以上の複数の犬」ならば、冠詞〈a〉をつける必要はなくなります。

名詞 dogを複数形の dogsとすればOK、というわけです。



それでは、次に〈a〉〈an〉についての注意事項を一覧にしてご紹介しましょう。

冠詞〈an〉がつく名詞節の発音に気をつけよう!

冠詞〈a〉と同様に、名詞が単数を表す時に使われるものが〈an〉です。


〈an〉は、〈後ろにくる名詞節の最初の発音が母音で始まる場合にのみ使われる冠詞〉です。


an orange(オレンジ)

an English book(英語の本)


注意しなければならないのは、後ろの単語の最初のアルファベットの文字が o, u でも、母音で始まる音でなければ、冠詞は〈a〉になる!という点です。


university(大学)→ a university 

one-eyed cat(片目の猫)→ a one-eyed cat

useful thing (役立つもの)→ a useful thing


では、このような名詞につくのは〈a〉と〈an〉どちらになるでしょうか?


1. He sent (  )SOS signal.

(これはSOS信号を送った。)


2. She possesses(  ) 18th century edition of Shakespeare's works.

(彼女は18世紀版のシェイクスピアの作品を所有している。)


ヒント→(  )のすぐ後ろの単語の最初の発音に注目しましょう。


答えは出たでしょうか?

正解はこちらです。


1. He sent ( an )SOS signal.

2. She possesses( an )18th century edition of Shakespeare's works.


後ろの単語の最初の文字に気を取られてしまうと、1つめの文では、「あっ、最初の文字は〈S〉だから、母音じゃなくて子音だな。それじゃあ、冠詞は〈a〉でいいのかな?」と、まちがった判断をしてしまうことになります。


正しくは、後ろの単語の最初のアルファベットの文字が子音でも、それが母音で始まる発音であれば、冠詞は〈an〉になるのです。SOSの最初の文字〈S〉は、母音で始まる発音ですよね!


同様に、2つめの文のように、後ろの単語が数字になっていた場合も、まずその英語の発音を確認してみてください。


〈18th〉は〈eighteenth〉と発音するので、発音では最初の文字は母音となります。

そのため、ここでの冠詞もまた、〈an〉となります。


それから、高校生が英作文などの際にまちがえやすいのが、〈year〉という単語につく冠詞です。


yearは、日本語化していて「ハッピーニューイヤー」などと言われるため、「発音すると母音で始まるから、an year だな」と思われることが多いです。


しかし、実は〈year〉の発音は、母音始まりではなく、少し濁った音が最初に入っているため、冠詞をつけると 〈a year〉となるのです。

冠詞まちがいがたいへん多く見られる単語例なので、ぜひ注意して覚えておいてください。

〈初めてその話に出てくる漠然とした1つのもの〉に〈a〉〈an〉がつく

次に、日本昔話風のお話の始まりの部分をひとつご覧ください。


「ある小さな村に一人のおじいさんがおりました。」


これを英語にしてみると、次のような文になります。

“There lived an old man in a small village.”


an old man (一人のおじいさん)

→これは、日本語のほうの「一人の」という制限からも、〈an〉がつくことがわかります。


a small village(小さな村)

→これは、日本語のほうを見ると「一つの」という制限は特に書かれていませんよね。

しかし、一人のおじいさんが住んでいる村は、常識的に考えてみると、一つに違いないでしょう。



そして、この物語の最初の部分では、「小さな村」という存在について初めて触れられています。

そういうわけで、「小さな村」にも冠詞〈a〉がつけられるのです。



ちなみに、これ以降物語が進んでくると、冠詞はこのようになります。


「おじいさんは村の子供達に毎日新鮮な牛乳を届けていました。」

The old man delivered fresh milk to the children in the village.”



The old man もthe villageも、物語の中で出てくるのが2度目以降。

そのため、冠詞がそれぞれ〈an〉〈a〉から 「その」という意味合いを持つ定冠詞〈the〉に変化しています。


また、the childrenも、おそらくこれより前にchildrenに関する情報が出ていたために、

やはり定冠詞〈the〉がついたのだと思われます。

数値として、「1 」=〈one〉という意味を明確に表す時に使う

〈a〉〈an〉は、単純に数値としての 1 、つまり〈one〉という意味としても使われます。



I have been working here for a year.

(私はここで1年間働いている。)


He finished his homework in an hour.

(彼は宿題を1時間で終えた。)


1年間、1時間という数値を、それぞれの単位に「1」という数をつける代わりに、不定冠詞〈a〉〈an〉をつけることでも表現することができます。



ここで1点、注意すべき点を挙げておきます。


前にも述べましたが、year という単語の発音は、母音始まりではないので、


〇 a year

✖ an year


となります。



逆に、hour という単語は、発音すると母音からになるため、


〇 an hour

✖ a hour


となります。


この冠詞はまちがうことが多いので、くれぐれも注意してください。

〈a〉〈an〉が動物などの種族全体を表現することがある


例えば、ある種の動物が持つ能力について述べるときなどに、動物名の単語が、その種族全体を表現する場合があります。


その時、動物名の単語は


Dolphins don't drink water like us.

(イルカは私たちのようには水を飲みません。)


のように、冠詞なしの複数形で表すのが一般的ですが、


不定冠詞の〈a〉をつけて

A dolphin doesn't drink water like us.


とすることもあります。


その場合の日本語訳は、上の文と同じでもいいし、または少し感情を乗せて

「イルカは私たちのようには水を飲まないものです。」

などとしてもいいでしょう。

「ある〜」=〈a certain〉という意味を示す時に用いられる

なかなかマイナーな訳し方ではありますが、〈a〉〈an〉がついた時、その名詞に「ある〜」の意味合いを添える場合があります。


He might be right in a sense.

(彼は、ある意味では正しいのかもしれませんね。)

頻度・割合を表す時 時間や重さなどの単位の前に〈a〉〈an〉がつく

これはみなさんにもおなじみの〈a〉〈an〉の使い方かもしれません。

1日に何回、1時間あたり何メートル、1キロあたり何円など、頻度や割合を分数のように表すときに用いられます。


Carol cleans up her room four times a week.

(キャロルは週に4回部屋を掃除する。)

例外!〈a〉〈an〉が固有名詞の前につく時もある


基本的には場所の名前や人名、題名などの固有名詞にもつかない〈a〉〈an〉ですが、違いとして、固有名詞につく場合があります。


次の例文を見てみましょう。


You are studying physics so hard!

 I want you to become an Einstein.


(あなたは物理を一生懸命勉強していますね。私はあなたにアインシュタインのような物理学者になってもらいたいです。)


an Einsteinの部分に注目してください。

Einstein(アインシュタイン)は、20世紀の物理学の父と言われる、世界的にとても有名な物理学者です。


その固有名詞に〈an〉がつくことで、それは単なる固有名詞ではなく、「アインシュタインのような物理学者」という意味合いを持つようになるのです。


他にも、a Mozart(モーツァルトのような音楽家), a Kennedy(ケネディーのような政治家), a Shakespeare(シェイクスピアのような劇作家)などのように使われることがあります。

定冠詞〈the〉は、特定のものを表す!

不定冠詞〈a〉〈an〉に加えて、もう一つ定冠詞の〈the〉という冠詞があります。


定冠詞〈the〉は、特定のものを表す単数形・複数形の名詞につきます。

ちなみに、〈the〉は、発音が母音で始まる単語の前ではイ行の発音で〈ディ〉と読みます。


それでは、定冠詞〈the〉がどのようなときに使われるのか、まとめてみましょう。

〈話の中で すでに出てきた名詞を2度目以降に使う時〉に〈the〉がつく

先ほど、不定冠詞〈a〉〈an〉の項目の中で昔話風のお話を英語にしてみたのを思い出してみてください。


「ある小さな村に一人のおじいさんがおりました。」

“There lived an old man in a small village.”


まず、この物語の最初の部分では、

「一人のおじいさん」「小さな村」

という存在について初めて触れられていて、冠詞〈a〉がつけられています。


そして、物語が進んでくると、冠詞は


「おじいさんは村の子供達に毎日新鮮な牛乳を届けていました。」

The old man delivered fresh milk to the children in the village.”


The old man もthe villageも、

物語の中で2度目以降に出てきた時には、それぞれ冠詞が変化し、 「その」という意味合いを持つ〈the〉に変化します。


誰かと話している時にも、どんな時でも、この変化はよく起こります。


“ Help! A robber with a gun!”

(助けて! ご、強盗です。ピストルを持っています!)


“ Pardon me? Tell me again how many guns the robber is bringing.”

(何ですって?強盗はピストルを何丁持っているんですか?もう一度言ってください。)



どんなに切羽詰まった時でも、冠詞の変化は忘れずに!

状況から〈それである〉と明らかに分かる場合は 初めて話題に出てくる名詞でも〈the〉がつく!

これは、自分で英文を作る時などに、どの冠詞がいいのか迷ってしまいがちな事例の一つかもしれません。


先に述べた〈the〉の用法に対して、例外的な使い方なのですが、

たとえ、初めて話題に出てくる名詞だとしても、周囲の状況から何を指しているのかが明らかにわかる場合は、〈the〉をつけます。


Let's meet at the usual place tomorrow.

(明日いつものところでお会いしましょう。)


話者が「いつものところで」と言えば、聞き手側も「いつものところ?ああ、あそこのことだね!」と明らかにその場所を把握していると思われます。

そのようなときは、「いつものところ」に〈the〉がつくのです。

修飾語句、形容詞の最上級、序数などによって名詞が限定される場合に用いる

名詞が何かの修飾によって限定されている場合とは、例えば次のような文です。


The girl wearing a blue skirt is my daughter.

(青いスカートをはいている女の子が、私の娘です。)


「女の子」には、「青いスカートをはいている」という修飾がなされています。

それによって、話題となる「女の子」が限定される場合などは、あえてその名詞に〈the〉が用いられます。


ほかにも、次のような場合があります。


The tallest boy in our class is Mike.

(私たちのクラスで一番背が高い男子は、マイクです。)


Turn right on the second corner.

(2番目の角を曲がって。)


You had better get off the train at the next station.

(次の駅で電車を降りた方がいいですよ。)


いずれも、

「クラスで一番背が高い」(比較の最上級)

「2番目の」(序数)

「次の」(順序)

といったように、修飾によって限定をうけている名詞なので、ここでは〈the〉が用いられています。

この世に「唯一のもの」には〈the〉がつく!

この用法は、定冠詞〈the〉の使い方の中では最も有名なもののひとつなのではないでしょうか。


月や地球など、唯一無二の存在は

the moon(月)

the earth(地球)

といったように、どんな時も〈the〉がつけられます。


一方、唯一無二ではなく、他にも複数の存在が認められる名詞の場合は、

a planet (惑星)

a star(星)

などのように、冠詞〈a〉がつけられます。


つまり、地球は唯一無二の存在 the earth であり、太陽系の中の一惑星 a planet でもあるわけです。

〈the+形容詞〉で ある種の人間や事柄を表すことがある

ここでは、「人々」と「もの」2つの事例をご紹介します。


★まず、〈the +人の様子などを表す形容詞〉= 「〜の人々」という意味合いを持つもの。


Mother Teresa helped the poor.

(マザー・テレサは貧しい人々を助けた。)


形容詞 poor(貧しい)という語に定冠詞〈the〉がつくと、「貧しい人々」となります。

これは、〈the〉がつくことで、人間の貧窮を表す形容詞が名詞化し、そのような人々のことを表すようになる事例です。


反対に、

rich(裕福な)→ the rich(裕福な人々)

となります。


他にも、

young(若い)→ the young(若者)

foolish(愚かな)→ the foolish(愚かな人間)

などがあります。


★また、

〈the +抽象的な形容詞〉=「〜のこと、~なこと」という表現になるものもあります。


People always want to explore the unknown.

(人々は、いつも未知のことを探りたがる。)


この文では、 unknown (知られていない)という抽象的な形容詞に〈the〉をつけることで、形容詞を「未知のこと」と、名詞化しています。


同様に、

impossible(不可能な)→ the impossible(不可能なこと)

important(大切な)→ the important(大切なこと)

など名詞化する例もあります。

固有名詞に〈the〉がつくもの

はたして、英語において固有名詞には〈the〉がつくのでしょうか?


人名や国名などの固有名詞には、一般的には〈the〉がつかないことが多々あります。

そこで、「固有名詞には〈the〉をつけてはいけないのだ」と勘違いして覚えてしまっている人も多いようです。


実際は、「ものによっては、固有名詞でも〈the〉がつく」というのが正解です。



面白いのは

「山」→ 富士山 Mt. Fuji  →「山」名には〈the〉がつかない!

「山脈」→ 日本アルプス the Japan Alps  →「山脈」名には〈the〉がつく!

といったように、

日本語ではあまり差を感じない名詞どうしなのに、英語では、冠詞のつけ方に差があるという点です。


ただし、「この名詞の場合は必ずつく」という100%の確実性はありません。

企業名なども含め、固有名詞によっては例外がいくつか生じているようです。

この件に関しては、英語を母語とする外国人たちに聞いても、みんなが全く同じことを言うことがないのです。

日本人にとっては、いささか曖昧さが残る点ではあります。



そこで、「これには〈the〉がつく・これには〈the〉がつかない」の大まかな目安のみを次にまとめておきます。

ぜひ参考にしてください。


★〈the〉がつく固有名詞


自然のもの →砂漠、海、川、湾、運河、半島、海峡、山脈、連峰などの名前。

 the Pacific Ocean(太平洋)

 the Korean Peninsula(朝鮮半島)

 the Panama Canal(パナマ海峡)


建物 →ホテル、劇場、博物館、美術館などの名前。

 the Royal Opera House (ロイヤル・オペラ・ハウス)

 the Metropolitan Museum of Art(メトロポリタン美術館)


その他 →新聞や雑誌の名前。

 the Asahi Shimbun(朝日新聞)

 the Times(タイムズ誌)


★〈the〉がつかない固有名詞


自然のもの →湖、山などの名前。

 Lake Baikal(バイカル湖)

 Mount Kilimanjaro(キリマンジャロ山)


建物 →公園、銀行、駅、空港などの名前。

 Yoyogi Park(代々木公園)

 Los Angeles International Airport(ロサンジェルス国際空港)


また、 the Mississippi River (ミシシッピ川)など、世界的に有名な名称の場合は、

 the Mississippi(ミシシッピ川) 

のように、後ろの部分=River が省略されることもよくあります。

体の部位につく〈the〉には要注意!

次の2つの文を見比べてください。

どちらが正しいかわかりますか?


 A stranger seized me by my arm.

 A stranger seized me by the arm.


「見知らぬ人物が私の腕をつかんだ。」と言う日本語訳になるのですが、ぱっと見たかんじだと、

「つかまれたのは〈私の腕〉だから、やはり by my arm になるのではないかな?」

と思った人が多いかもしれません。



正解は

✖️ A stranger seized me by my arm.

〇  A stranger seized me by the arm.


このように、体の部位につく定冠詞は意外とまちがえやすいものです。

「体の部位に触れる」、「体の一部分を叩いたりする」というような表現の時は、その部位に〈the〉がつくのです。


覚えておいてほしいポイントは、これです。

★先に〈seized me〉と体全体を言ってから、体の一部分を表す〈by the arm〉をつけよう!

この語順を頭に入れておけばOKです。


またこの文は、日本語にする時に

「見知らぬ人物がその腕で私をつかんだ。」とよく誤訳されます。

おそらく、my arm でなく the armとなっているせいでしょう。まちがえないよう注意しましょう!


ほかにも、

He patted me on the shoulder.

(彼は私の肩をぽん、とたたいた。)

という文が、高校の定期テストや大学入試用のテストで見られます。


ここも、和訳に「私の肩」とあったとしても、こうなります。

✖ on my shoulder

〇 on the shoulder


このタイプの英文を見たら、冠詞部分と日本語訳にぜひ注意してください!

注意するべき冠詞の位置はこれ!


原則としては、冠詞は名詞に対してつくものです。

そして、その名詞に修飾部分の副詞や形容詞がついていたら、それらの単語の前に来ます。

しかしながら、次のような例外もあります。                        

such, quite, rather, what を伴う表現での冠詞〈a〉〈an〉の位置は?

such, quite, rather, whatが名詞を修飾する部分にあるときは、次の文のように、冠詞〈a〉〈an〉は、such, quite, rather, what の後ろにつきます。


I have never such a big fish!              

(こんな大きな魚は捕まえたことがないよ!)



命令文ではこんなふうになります。中学や高校の英語のテキストなどで見たことがありますよね。


What a nice house this is!

(これは、なんてステキなおうちなのでしょう!)

so, as, too, howを伴う表現での冠詞〈a〉〈an〉の位置は?

これはかなり難しい文法になりますが、so, as, too, how が名詞を修飾する部分にあるとき、

〈so, as, too, how〉+〈形容詞〉+〈a/an〉+〈名詞〉

という語順になります。



こう書いただけではなかなか理解しがたいと思われるので、次の例文を見てみましょう。


I have never heard so interesting a story.

(私は、そんなに面白い話を聞いたことがなかった。)


She put on as charming a face as possible.

(彼女はできる限り魅力的な顔つきをした。)


下線部分を見ると、今までの冠詞と名詞の定位置のイメージとはかなり異なります。

その位置に違和感を覚える人がほとんどでしょう。


そのため、この文法は大学入試の英語では整序問題としてかなりの頻度で出題されています。

大学受験生の方は、この so, as, too, howと冠詞の関係性について、しっかり頭に入れておいてください。


こんな時冠詞は必要?それとも不要?

その他、中学や高校の英語のテスト、大学入試問題などで出題されることが多い、冠詞の要・不要問題をいくつかご紹介します。


「こんな時、冠詞って必要なんだろうか?それとも不要なのか?」と迷いそうな事例ばかりです。

時間のある時に、ぜひ次の問題にトライしてください!


1.These pencils are sold by(     )dozen. 

(これらの鉛筆は1ダース単位で売られる。)


2.Traveling by(     )train is sometimes more comfortable than traveling by(     )car.

電車で旅することは、時に車で旅するよりも快適である。)


3.Mr. McGregor is a high school teacher by (     )profession.

(マクレガーさんの職業は高校教師である。)


2番の例文は、一見

「どうかな?名詞の前だし、冠詞は〈a〉か〈the〉が入るはずだけど」などと考えさせられますよね。

しかし、この文法は中学校の英語の授業で学ぶものなので、はっと気づいた人もいるかもしれません。


しかし、1番と3番の例文のほうはどうでしょう。

どちらも冠詞が必要なのかどうか、なかなか思いつきにくいのではないでしょうか。



正解は次のとおりです。


1.These pencils are sold by(the)dozen


〈by the 〜〉は、単位のまとまりを表現するのに使われます。


ダースのような数量の他にも、


be paid by the week (週給である)

などのように、時間単位にも使われます。



2.Traveling by( 冠詞なし )train is sometimes more comfortable than traveling by( 冠詞なし )car.


電車も車も名詞ですが、交通手段を表現する場合は、乗り物の前は無冠詞となります


3.Mr. McGregor is a high school teacher by (冠詞なし)profession.


この文例はあまりなじみがないかと思いますが、

このような文における「職業は〜」という表現も、無冠詞です。

まとめ

冠詞〈a〉〈an〉〈the〉に関するさまざまな文法事項について述べてきました。


長い英文の中で、冠詞というものは、とても短い箇所です。

しかし、冠詞は、意外に難解かつあまり知られていないような文法事項を含んでいます。


英語の文では、これらの冠詞をどう使い分ければいいのかを、あらゆる名詞について考えなければいけません。

そういった面では、日本人にとって、英語の冠詞というのは少々面倒な文法であると言えるかもしれませんね。


冠詞の文法は難しくて覚えづらいな、と感じた方には、

① 正しい例文を何度も口頭で暗唱する

② 英文全体のリズムを感じながら、冠詞を自然に体得していく

ということをおすすめします!


日本語にはないため、日本人にはなかなか取り組みにくい冠詞の文法ですが

覚えておくといつか必ず役に立つはずです。

この記事の執筆者
スタモ編集部
最高の学習をもっと身近に、どこでも。スタモ編集部は、大学受験や日々の勉強に役立つ記事を発信しています。予備校講師や塾講師の経験のある東大、京大、早慶の卒業者メンバーが中心に、どこよりも詳しく、どこよりも丁寧な内容をお届けいたします。
関連記事
感嘆文を完全マスター!構造や成り立ちから作り方まで優しく解説します
英語における感嘆文の構造や成り立ち、作り方などについて、さまざまな側面から考えてみたいと思います。
使役 make have let get helpの動詞の意味からマスター!
〈使役〉という言葉は、国語や英語の授業で文法を学ぶ時に聞いたことがあると思います。英語では〈使役動詞〉などの言葉を学んだ人もいるかもしれませんね。ここでは、〈使役〉に使われる言葉とその使い分けを中心に、使役の文法について学んでいきたいと思います。 
仮定法はこれでマスター!4つの用法と仮定法を見抜くポイントを抑えよう!
日本語には存在しない「仮定法」の考え方をマスターします。
not only ~ but also … の意味は?相関接続詞についても分かりやすく解説します
〈not only ~ but also …〉 という形の文を学校の英語で学んだ記憶があるかと思います。これは、英語の文法の中で相関接続詞と言われるものの1つです。 ここでは、〈not only ~ but also …〉をはじめとする相関接続詞の文について説明します。
過去進行形とは?現在進行形と比較して徹底解説します
実は、試験で問われる、あるいは長文の中で見かけるのは現在進行形よりも過去進行形の方が多いのです。 理由は簡単。 「過去進行形の方が汎用性が高いから」なんです。 でも、なんとなく学校ではあまり深く習っていないような気がしませんか? 今回はそんな過去進行形についてしっかりおさえていきましょう。
英語における受動態をこれで完璧!よくある疑問から作り方まで完全解説します
受動態の文法について詳しく説明!いろいろな観点から詳しく説明いたします。
© 2018 スタモ.