2019年01月06日更新
円周角の定理の証明、よく出る問題についても徹底解説!
円周角の定理を知っていますか?円周角の定理とは中学校の数学の分野で習う円にまつわる図形問題で使われる定理です。入試でも重要な得点源になるためできるだけ抑えておきたいところ。今回はそんな円周角の定理とその証明やよく出る問題・解法について解説していきます。

目次

    円周角の定理とは

    円周角の定理とは中学生で習う円周上で作られる角・中心角の関係に関する公式です。

    円周角の定理は以下の2つを表します。

     

    $$\begin{align}・同じ大きさの弧に対する円周角の大きさは等しい\end{align}$$
    $$\begin{align}・円周角の大きさは中心角の大きさの\frac{1}{2}である\end{align}$$

    まず1つ目から見てみましょう。

    上の図を見てください。

    同一の弧ABから、円周上にある点P、点P’、点P’’にそれぞれ線分が伸びています。

    $$\begin{align}この時の角、\angle{APB}、\angle{AP’B}、\angle{AP’’B}の角はそれぞれ等しくa°を示します。\end{align}$$

    これが円周角の定理1「同じ弧に対する円周角の大きさは等しい」です。

    また同じ弧だけでなく、同じ大きさの弧であれば円周角は等しくなります。

     

    2つ目です。上の図を参考にしてください。

    ここでは弧ABが、それぞれ中心Oと円周上の点Pに伸び、それぞれ角をなしています。

    $$\begin{align}このとき円周上の点Pで作られた角\angle{APB}の大きさは\end{align}$$
    $$\begin{align}中心Oでつくられた角\angle{AOB}の\frac{1}{2}になります。\end{align}$$
    $$\begin{align}これが円周角の定理2「円周角の大きさは中心角の大きさの\frac{1}{2}」です。\end{align}$$

     

    この2つは円上のどこに点が置かれても成り立ちます。

    それでは実際にこの定理が成り立つ仮定について見てみましょう。

     

    円周角の定理の証明

    それでは実際に証明していきましょう。

    図は中心をOとし、直径PBである円です。

    この図をもとに円周角の定理を証明していきます。

    はじめに半径であることから、

    $$\begin{align}OP=OA\end{align}$$

    であることがわかります。

    $$\begin{align}したがって\triangle{OPA}は二等辺三角形です。\end{align}$$

    よって二等辺三角形は2辺とその底角が等しい三角形であるため、

    二等辺三角形OPAより

    $$\begin{align}\angle{OPA}=\angle{OAP} …(1)\end{align}$$

     

    三角形の外角はその隣にない2つの角の和になります。

    よって

    $$\begin{align}\angle{AOB}=\angle{OPA}+\angle{OAP} …(2)\end{align}$$

     

    (1)(2)より

    $$\begin{align}\angle{AOB}=\angle{OPA}+\angle{OPA}\end{align}$$

    したがって

    $$\begin{align}\angle{AOB}=2\angle{BPA}\end{align}$$
    $$\begin{align}\angle{BPA}=\frac{1}{2}\angle{AOB}\end{align}$$

     

    以上のように円周角の定理「円周角の大きさは同一の弧で中心角の大きさの\frac{1}{2}」

    が証明されました。

    他にいくつか証明法がありますが、いずれも半径を等辺とする二等辺三角形の底角と三角形の外角とで証明が可能です。

    $$\begin{align}どの場合でも、円周上の点Pを含む\angle{AOB}は、中心角AOBの\frac{1}{2}\end{align}$$

    になることから、同一の弧に対する円周角についても等しいことが言えます。(「同じ弧に対する円周角の大きさは等しい」)

     

    以上で円周角の証明は終了です。

    それでは実際に円周角の定理を用いた例題をといてみましょう。

     

    例題

    問.

    以下の角xの大きさをそれぞれ求めよ。

    (1)

    (2)

    (3)ABは円Oの直径である

    解答.

    (1)

    この問題は円周角の定理1「同じ弧に対する円周角の大きさは等しい」を用います。

    $$\begin{align}図中で求める角xは弧BCの円周角\angle{BDC}です。\end{align}$$

    同じ弧に対する円周角の大きさは等しいため、

    $$\begin{align}同一の円周角である\angle{BAC}との大きさは等しくなります。\end{align}$$
    $$\begin{align}\angle{BDC}=\angle{BAC}=40°\end{align}$$

    よって

    $$\begin{align}x=40°\end{align}$$

     

    (2)

    $$\begin{align}この問題では円周角の定理2「円周角の大きさは中心角の大きさの\frac{1}{2}」\end{align}$$

    を用います。

    $$\begin{align}図中で求める角xは弧BCの円周角\angle{BAC}です。\end{align}$$
    $$\begin{align}ここで、円周角の大きさは中心角の大きさの\frac{1}{2}であることから、\end{align}$$
    $$\begin{align}\angle{BAC}は中心角\angle{BOC}の半分の大きさであることがわかります。\end{align}$$
    $$\begin{align}\angle{BAC}=\frac{1}{2}\angle{BOC}\end{align}$$
    $$\begin{align}\angle{BAC}=\frac{1}{2}*120°=60°\end{align}$$

    よって

    $$\begin{align}x=60°\end{align}$$

     

    (3)

    (3)は直径の円周角についての問題です。

    $$\begin{align}(2)で、「円周角の大きさは中心角の大きさの\frac{1}{2}」というルールについて\end{align}$$

    既に確認しました。

    それでは直径の場合の中心角は何度でしょうか。

    この場合の中心角は、直径は真っ直ぐな線分で結ばれたものであるため180°になります。

    $$\begin{align}よって図中で求める角x、\angle{ACB}中心角180°の\frac{1}{2}であるから、\end{align}$$
    $$\begin{align}\angle{ACB}=\frac{1}{2}*180°=90°\end{align}$$

    よって

    $$\begin{align}x=90°\end{align}$$

    これは円の直径に対するどんな円周角に対しても同じことが言えるため、

    「円の直径に対する円周角は90°である」ということができます。

     

    チェックしておきたい円周角の求め方

    問.

    以下の角xの大きさについてそれぞれ求めよ。

    (1)

    $$\begin{align}(2)\widehat{BC}=\widehat{CD}\end{align}$$

    (3)

    (4)AEは直径

    解答.

    (1)

    (1)はさっきまでの問題に比べると不思議な形に見えるかもしれませんが、

    $$\begin{align}実はこれは「円周角の大きさは中心角の大きさの\frac{1}{2}」を用いた問題です。\end{align}$$
    $$\begin{align}よって角AOBを中心角としたときの角x、円周角\angle{ACB}です。\end{align}$$
    $$\begin{align}\angle{AOB}=230°\end{align}$$
    $$\begin{align}円周角\angle{ACB}はこの\frac{1}{2}の大きさであるから、\end{align}$$
    $$\begin{align}\angle{ACB}=\frac{1}{2}*230°=115°\end{align}$$

    よって

    $$\begin{align}x=115°\end{align}$$

    中心角の大きさが180°を超える場合でも、落ち着いて図を眺めて、覚えた公式を適用できないかどうか検討して解法を探っていきましょう。

     

    (2)

    (2)は「同じ弧に対する円周角の大きさは等しい」を用いてときます。

    $$\begin{align}図中の角xは\angle{BEC}で弧BCに対応した円周角です。\end{align}$$
    $$\begin{align}しかし\angle{BEC}の他に弧BCから伸びている円周角が見当たらないため、\end{align}$$

    弧BCから直接角の大きさを求めるのは難しそうです。

    $$\begin{align}そこで\widehat{BC}=\widehat{CD}という前提に注目しましょう。\end{align}$$

    円周角の定理では、同じ大きさの弧であれば作られる円周角の大きさは等しくなります。

    そのため、同じ大きさの弧である弧BCと弧CDによって作られる円周角の大きさは等しいことがわかります。

    $$\begin{align}\angle{DAC}=40°\end{align}$$
    $$\begin{align}\angle{BEC}=\angle{DAC}=40°\end{align}$$

    よって

    $$\begin{align}x=40°\end{align}$$

    同一の弧に対してだけでなく、同じ大きさの弧に対しても円周角の定理が成り立つことを覚えておきましょう。

     

    (3)

    この問題では「円周角の大きさは中心角の大きさの\frac{1}{2}」を応用して、

    一つ計算を簡単にするための新しい法則を導き出します。

    まず中心Oから点A,点Bに線を引き、線分OA,OBをつくります。

    $$\begin{align}これにより、円周角\angle{ACB}に対する中心角\angle{AOB}ができます。\end{align}$$
    $$\begin{align}\angle{ACB}=115°\end{align}$$
    $$\begin{align}円周角の大きさは中心角の\frac{1}{2}であることから、\end{align}$$
    $$\begin{align}中心角\angle{AOB}の大きさは円周角ACBの2倍。\end{align}$$
    $$\begin{align}\angle{AOB}=2*\angle{ACB}=230°\end{align}$$

     

    ここで線分OA,OBを引いたことにより、

    $$\begin{align}角x、\angle{ADB}に対する中心角である、もう一方の\angle{AOB}が生じています。\end{align}$$
    $$\begin{align}その\angle{AOB}(\angle{ADB}(\angle{X})の中心角)は\angle{AOB}(\angle{ACB}の中心角)\end{align}$$

    の反対側であるため、

    一周が360°であることから

    $$\begin{align}\angle{AOB}(\angle{ADB}(\angle{X})の中心角)=360°-\angle{AOB}(\angle{ACB}の中心角)\end{align}$$
    $$\begin{align}\angle{AOB}(\angle{ADB}(\angle{X})の中心角)=360°-230°\end{align}$$
    $$\begin{align}\angle{AOB}(\angle{ADB}(\angle{X})の中心角)=130°\end{align}$$
    $$\begin{align}円周角の大きさは中心角の\frac{1}{2}であることから、\end{align}$$
    $$\begin{align}\angle{ADB}=\frac{1}{2}*130°=65°\end{align}$$

    よって

    $$\begin{align}x=65°\end{align}$$

     

    またこのことは同様の形のどの円周角・中心角の関係にも成り立つため、

    「同一円周上にある4点からなる四角形に関して、向かい合う角の和は180°である」ということが言えます。

     

    (4)

    この問題は例題の(3)で証明した、直径の円周角が90°であることを用います。

    $$\begin{align}求めたい角xは弧ACに対する円周角である\angle{ABC}です。\end{align}$$

    しかし弧ACで共通な円周角を持つ線分は見当たりません。

    そこでA,Dを結んで、補助線ADを作ります。

    $$\begin{align}こうすることで弧ACで共通な円周角\angle{ADC}を作ることができました。\end{align}$$
    $$\begin{align}しかしそのままでは\angle{ADC}の角度は明らかではありません。\end{align}$$
    $$\begin{align}そこで補助線ADを引くことによってできた角\angle{ADE}に着目します。\end{align}$$

    この角は直径AEによってつくられた円周角です。

    ここで「円の直径に対する円周角は90°である」ことから、

    $$\begin{align}円周角\angle{ADE}は90°であることがわかります。\end{align}$$
    $$\begin{align}\angle{ADE}=90°\end{align}$$

    そして前提より

    $$\begin{align}\angle{CDE}=40°\end{align}$$
    $$\begin{align}よって\angle{ADE}=\angle{ADC}+\angle{CDE}であることから、\end{align}$$
    $$\begin{align}\angle{ADC}=\angle{ADE}-\angle{CDE}\end{align}$$
    $$\begin{align}\angle{ADC}=90°-40°\end{align}$$
    $$\begin{align}\angle{ADC}=50°\end{align}$$

     

    「同じ弧に対する円周角の大きさは等しい」より、

    $$\begin{align}弧ACに対する円周角\angle{ABC}と\angle{ADC}は等しいから、\end{align}$$
    $$\begin{align}\angle{ABC}=\angle{ADC}=50°\end{align}$$

    よって

    $$\begin{align}x=50°\end{align}$$

    まとめ

    今回は円周角の定理と例題・チェックしておきたい問題について解説しました。

    円周角の定理といった図形を扱った問題はなれが必要な分野です。

    できるだけ多く問題を解いて、円周角の定理を用いた問題に慣れていきましょう!

    この記事の執筆者
    スタモ編集部
    最高の学習をもっと身近に、どこでも。スタモ編集部は、大学受験や日々の勉強に役立つ記事を発信しています。予備校講師や塾講師の経験のある東大、京大、早慶の卒業者メンバーが中心に、どこよりも詳しく、どこよりも丁寧な内容をお届けいたします。
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