2019年01月06日更新
法線の方程式とは?求め方と例題について解説!
法線の方程式をという公式を知っていますか?法線の方程式とは、関数のグラフで登場する微分法による求め方を用いたもので、接線の方程式とセットで扱われることの多い方程式です。しかし法線という言葉がピンとこないため、受験生の忘れがちな公式でもあります。今回はそんな法線の方程式とそれを使った例題について紹介します。

法線の方程式とは?求め方と例題について解説!

法線の方程式とは

法線の方程式とは以下のような一般式に表せる式を指します。

$$\begin{align}y=-\frac{1}{f’(a)}(x-a)+f(a)\end{align}$$

(法線はy=f(x)上の点(a,f(a))を通る直線とする)

 

法線の方程式とは、二次関数や三次関数上の直線を表す式の一つです。

法線とは接線に垂直な直線のことを指し、この法線を求める式を法線の方程式と呼びます。

高校の学習で法線という言葉を使わない・もしくは接線の方程式の応用問題に含まれる場合もありますが、この方程式を抑えておくことで計算を大幅に簡略化することができます。

法線の方程式を求める際には、接線の方程式を用いて、曲線上の接線に対して垂直であるという条件を使って算出が可能です。

それでは法線の方程式を求める前に、接線の方程式について確認しましょう。

接線の方程式の確認

法線の方程式の算出に必要な接線の方程式について確認します。今回は微分分野で履修する接線の方程式を用います。

 

はじめに微分係数の考え方を整理します。

関数f(x)上の点P(a,f(a))と任意の点Qを仮定します。

この2点について点Qを点Pに極限まで近づけた際、線分PQの傾きはある値に近づきます。

その値がx=aにおける微分係数を指し、一般にこれをf’(a)と表します。

これが微分係数の定義です。

この微分係数の約束事から「関数y=f(x)上の点P(a,f(a))を通る接線の傾きはf’(a)である」ということが言えます。

 

それでは実際に「関数y=f(x)上の点P(a,f(a))を通る接線の傾きはf’(a)である」ということから、この接線の方程式について求めてみましょう。

 

直線の方程式についての接線は以下のように求められました。

$$\begin{align}y-b=m(x-a)\end{align}$$

(傾きm、点(a,b)を通る接線を指す)

 

この式に上の点Pの座標(a,f(a))と傾きf’(a)を代入してみましょう。

$$\begin{align}y-b=m(x-a)\end{align}$$
$$\begin{align}y-f(a)=f’(a)(x-a)\end{align}$$

(傾きf’(a)、点(a,f(a)を通る接線を指す)

 

以上で接線の方程式を導くことができました。

この方程式を用いて法線の方程式について考えていきましょう。

法線の方程式の求め方

それでは直線の方程式を用いて、法線の方程式を証明していきます。

 

中学数学までの範囲で、線分の垂直条件について、「傾きの積=-1⇔垂直」ということが言えました。

これを用いて接線に垂直な法線の傾きを求めると、

$$\begin{align}f(a)*(法線の傾き)=-1\end{align}$$
$$\begin{align}法線の傾き=-\frac{1}{f’(a)}\end{align}$$

(ただしf’(a)≠0とする)

 

よって点Pを通る法線に関して次のように示すことができます。

$$\begin{align}点P(a,f(a))、傾き-\frac{1}{f’(a)}\end{align}$$

直線の方程式より

$$\begin{align}y-b=m(x-a)\end{align}$$
$$\begin{align}y-f(a)= -\frac{1}{f’(a)}(x-a)\end{align}$$
$$\begin{align}y=-\frac{1}{f’(a)}(x-a)+f(a)\end{align}$$
$$\begin{align}またf’(a)=0のとき、x=aとなる。\end{align}$$

 

以上で法線の方程式、

$$\begin{align}y=-\frac{1}{f’(a)}(x-a)+f(a)\end{align}$$

となることが示せました。

例題

それでは実際の法線の方程式を用いた問題について解いてみましょう。

問.

$$\begin{align}(1)y=x^2上の点(1,1)における法線の方程式を求めなさい。\end{align}$$
$$\begin{align}(2)y=2x^2-3xにおいて、傾きが2の接線に直交する、法線の方程式を求めなさい。\end{align}$$
$$\begin{align}(3)点(0,-2)から曲線y=x^3に引いた接線に直交する、法線の方程式を求めなさい。\end{align}$$

解答.

$$\begin{align}(1)y=x^2上の点(1,1)における法線の方程式を求めなさい。\end{align}$$

法線の方程式を求めるため、このグラフ上の接線の傾きを求めます。

$$\begin{align}f(x)=x^2だから\end{align}$$
$$\begin{align}f’(x)=2x\end{align}$$

このときx=1のときのf’(x)は

$$\begin{align}f’(1)=2*1=2\end{align}$$

 

法線の傾きは

$$\begin{align}-\frac{1}{f’(a)}\end{align}$$

よって、この式にこの問題におけるf’(1)の値を代入して、

$$\begin{align}-\frac{1}{f’(1)}= -\frac{1}{2}\end{align}$$

法線の方程式に、座標(1,1)・傾きをそれぞれ代入して、

$$\begin{align}y=-\frac{1}{f’(a)}(x-a)+f(a)\end{align}$$
$$\begin{align}y=-\frac{1}{2}(x-1)+1\end{align}$$
$$\begin{align}y=-\frac{1}{2}x+\frac{1}{2}+1\end{align}$$
$$\begin{align}y=-\frac{1}{2}x+\frac{3}{2}\end{align}$$

 

よって求める法線の方程式は

$$\begin{align}y=-\frac{1}{2}x+\frac{3}{2}\end{align}$$

 


$$\begin{align}(2)y=2x^2-xにおいて、傾きが-5の接線に直交する、法線の方程式を求めなさい。\end{align}$$

先程と同様に求めていきますが、この問題では既に接線の傾きが明らかになっています。

そのため、今回は傾き-5を用いて、接線・法線の通る共通の点を求めなければなりません。

 

$$\begin{align}y=2x^2-xにおけるf’(x)について\end{align}$$
$$\begin{align}f’(x)=4x-1\end{align}$$

これが接線の傾き-5と等しい値を取る。

$$\begin{align}4x-1=-5\end{align}$$
$$\begin{align}4x=-5+1\end{align}$$
$$\begin{align}x=-1\end{align}$$

このとき、xの値を

$$\begin{align}y=2x^2-xに代入して\end{align}$$
$$\begin{align}y=4+1=5\end{align}$$

 

座標・傾きともに明らかになったため、法線の方程式にそれぞれ値を代入して、

$$\begin{align}y=-\frac{1}{f’(a)}(x-a)+f(a)\end{align}$$
$$\begin{align}y=-\frac{1}{-5}(x+1)+5\end{align}$$
$$\begin{align}y=5x-5+5\end{align}$$
$$\begin{align}y=5x\end{align}$$

 

よって求める法線の方程式は

$$\begin{align}y=5x\end{align}$$



$$\begin{align}(3)点(0,-2)から曲線y=x^3に引いた接線に直交する、法線の方程式を求めなさい。\end{align}$$

(1)(2)と同様に、先に接線を求め、法線の方程式について求めていきます。

この問題では接点の座標が明らかになっていないため、この接点の座標を

$$\begin{align}(p,p^3)とおきます。\end{align}$$

このとき接線の方程式は

$$\begin{align}y-f(p)=f’(p)(x-p)\end{align}$$
$$\begin{align}y-p^3=3p^2(x-p)\end{align}$$

 

これが点(0,-2)を通るため、この値を代入して

$$\begin{align}-2-p^3=3p^2(0-p)\end{align}$$
$$\begin{align}3p^3-p^3=2\end{align}$$
$$\begin{align}p^3=1\end{align}$$

接点の座標は実数平面上にあるグラフ上の点であるから、pは実数である。

$$\begin{align}p=1\end{align}$$

 

よってこの接線の傾きは

$$\begin{align}f’(p)=3p^2で、p=1より3\end{align}$$
$$\begin{align}接点の座標は(p,f(p))より、(1,1)\end{align}$$

 

これらの傾き・座標をそれぞれ法線の方程式に代入して、

$$\begin{align}y=-\frac{1}{f’(a)}(x-a)+f(a)\end{align}$$
$$\begin{align}y=-\frac{1}{3}(x-1)+1\end{align}$$
$$\begin{align}y=-\frac{1}{3}x+\frac{1}{3}+1\end{align}$$
$$\begin{align}y=-\frac{1}{3}x+\frac{4}{3}\end{align}$$

 

よって求める法線の方程式は

$$\begin{align}y=-\frac{1}{3}x+\frac{4}{3}\end{align}$$

まとめ

今回は法線の方程式の求め方と例題について紹介しました。

関数の計算や接線の方程式を用いるため、複雑に感じたかもしれませんが、公式を覚え、一つ一つの基礎を抑えていくことで確実に自分のものにできるはずです。

問題演習の中で手順を何度も確認し、この公式を自分のものにして得点アップを目指してくださいね!

この記事の執筆者
スタモ編集部
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