2019年02月08日更新
0から分かる特性方程式!数列の漸化式の問題での使い方を詳しく解説
本記事では特性方程式の内容と証明、その使い方を詳しく解説していきます。特性方程式と、その元となる数列の漸化式(ぜんかしき)とは何かを理解し、さまざまな漸化式の問題をとおして特性方程式の使い方を身につけていきましょう。

はじめに

高校数学でも屈指の難易度を誇る単元「数列」。


「特性方程式」は数列の漸化式(ぜんかしき)に登場する用語です。等差数列や等比数列など公式が多い単元ですが、特性方程式を詳しく説明している教科書はあまりありません。


しかし、数列の応用問題では必須の知識となっており、これを知らなければ数列で高得点を取ることは難しいでしょう。本記事ではこの特性方程式と、漸化式の仕組みを詳しく解説します。

特性方程式とは?

ベースは漸化式

数列\(\left\{a_{n}\right\}\)が次の漸化式を満たしている。

\(a_{n+1}=pa_{n}+q(p\neq1,q\neq0)\)…①


\(a_{n}+1\)と\(a_{n}\)を\(c\)とおき、

\(c=pc+q\)…②


としたとき、①-②より、


\(a_{n}+c=p(a_{n}+c)\)

が成り立つ。


これを特性方程式という。

漸化式(ぜんかしき)とは?

項と項の関係を表した式

さて、特性方程式を作るための「漸化式」ですが、難しそうな言葉ですよね?

しかし等差数列や等比数列を理解していれば大丈夫です。


例えば初項3、公差4の等差数列を\(a_{1}\)から順に並べていくと、

 \(a_{1}=3、a_{2}=7、a_{3}=11、\)…

となります。

項の番号が1つ増えるたびに、値は4ずつ増えていきますね。

つまり、下記のようにも表すことができます。

 \(a_{1}=3、a_{2}=a_{1}+4、a_{3}=a_{2}+4、\)…

すると、\(a_{n+1}\)は、

 \(a_{n+1}=a_{n}+4\)

と表せるのです。


このように、数列の項と他の項との関係を示したものが漸化式なのです。

これを理解していれば、公比5の等比数列の漸化式は、

 \(a_{n+1}=5a_{n}\)

と表せることが理解できるでしょう。

なぜ、\(p≠1、q≠0\)なのか?

特性方程式は、\(a_{n+1}=pa_{n}+q\)という漸化式に、\(p≠1、q≠0\)の条件がついていました。

これは、\(p=1\)とすると、漸化式は\(a_{n+1}=a_{n}+q\)となり、\(\left\{a_{n}\right\}\)は公差\(q\)の等差数列を表します。

また、\(q=0\)のときは、\(a_{n+1}=pa_{n}\)となり、公比\(p\)の等比数列となります。


特性方程式は数列\(\left\{a_{n}\right\}\)の漸化式が等差数列でも等比数列でもないときに、一般項を求める手段として使っていきます

実際に例題で見ていきましょう。

特性方程式の使い方

漸化式が、\(a_{n+1}=pa_{n}+q\)の形のとき

【例題1】

数列\(\left\{a_{n}\right\}\)において、\(a_{n}=2\)、\(a_{n+1}=-3a_{n}+4\)のとき、一般項を求めなさい。


漸化式右辺で\(a_{n}\)の係数が\(1\)ではなく、\(+4\)という定数項があることから特性方程式の出番です。


【例題1の解答】

\(a_{n+1}=-3a_{n}+4\)において、\(a_{n+1}\)と\(a_{n}\)を\(c\)とおくと、

 \(c=-3c+4\)

 \(c=1\) 

よって、

 \(a_{n+1}-1=-3(a_{n}-1)\)…①

ここで、

 \(b_{n}=a_{n}-1\)…②

とおくと、\(b_{n+1}=a_{n+1}-1\)なので①より、

 \(b_{n+1}=-3b_{n}\)

よって\(b_{n}\) は公比\(3\)の等比数列となり、初項は②より、

 \(b_{1}=a_{1}-1=2-1=1\)

ゆえに、\(b_{n}=(-3)^{n-1}\)

これを②に代入して、

 \((-3)^{n-1}=a_{n}-1\)

 \(a_{n}=(-3)^{n-1}+1\)(終)


②で\(b_{n}=a_{n}-1\)とおいたとき、\(b_{n+1}\)は\(a_{n}\)の項番号のみを変えることに注意しましょう。

漸化式の\(a_{n+1}\)の係数が\(1\)ではないとき

【例題2】

数列\(\left\{a_{n+1}\right\}\)において、\(a_{1}=3、5a_{n}+1=3a_{n}-4\)のとき、一般項を求めなさい。


漸化式で\(a_{n}\)だけでなく\(a_{n+1}\)にも\(1\)以外の係数がついているときには、特性方程式を作る際に注意が必要です


【例題2の解答】

\(5a_{n+1}=3a_{n}-4\)で\(a_{n+1}\)と\(a_{n}\)を\(c\)とおくと、

 \(5c=3c-4\)

 \(c=-2\)

また、漸化式の両辺を\(5\)で割ると

 \(a_{n+1}=\frac{3}{5}a_{n}-\frac{4}{5}\)

よって、

 \(a_{n+1}-(-2)=\frac{3}{5}\left\{a_{n}-(-2)\right\}\)

 \(a_{n+1}+2=\frac{3}{5}(a_{n}+2)\)…①

が成り立つ。

ここで、

 \(b_{n}=a_{n}+2\)…②

とおくと、\(b_{n+1}=a_{n+1}+2\)なので①より、

 \(b_{n+1}=\frac{3}{5}a_{n}\)

よって\(\left\{b_{n}\right\}\)は公比\(\frac{3}{5}\)の等比数列となり、初項は②より、

 \(b_{1}=a_{1}+2=3+2=5\)

ゆえに、\(b_{n}=5・(\frac{3}{5})^{n-1}\)

これを②に代入して、

 \(5・(\frac{3}{5})^{n-1}=a_{n}+2\)

 \(a_{n}=5・(\frac{3}{5})^{n-1}-2\)(終)


最初の漸化式では\(a_{n}\)の係数が\(3\)でしたが、特性方程式では\(\frac{3}{5}\)となっています。

漸化式で\(a_{n+1}\)の係数が\(1\)でないときは、それを必ず\(a_{n+1}=pa_{n}+q\)の形にして、\(p\)の値を求めてから特性方程式を作ってください

漸化式が分数のときは?

【例題3】

数列\(\left\{a_{n}\right\}\)において、\(a_{1}=1\)、\(a_{n+1}=\frac{a_{n}}{3a_{n}+2}\)のとき、一般項を求めなさい。


特定方程式を作るために、どのような数列を\(\left\{b_{n}\right\}\)で置き換えるかがポイントです。


【例題3の解答】

漸化式の両辺の逆数をとると

 \(\frac{1}{a_{n+1}}=\frac{3a_{n}+2}{a_{n}}\)

 \(\frac{1}{a_{n+1}}=3+\frac{2}{a_{n}}\)

\(b_{n}=\frac{1}{a_{n}}\)…①とおくと、

 \(b_{n+1}=3+2bn\)

 \(b_{n+1}=2bn+3\)

ここで、\(b_{n+1}\)と\(b_{n}\)を\(c\)とおき、

 \(c=2c+3\)

 \(c=-3\)

よって、

 \(b_{n+1}+3=2(b_{n}+3)\)

が成り立つ。

さらに、\(c_{n}=b_{n}+3\)…②とおくと\(\left\{c_{n}\right\}\)は公比\(2\)の等比数列で、

 \(c_{1}=b_{1}+3=\frac{1}{a_{1}}+3=1+3=4\)

なので、\(c_{n}=4・2^{n-1}\)となり、②より、

 \(4・2^{n-1}=b_{n}+3\)

 \(b_{n}=4・2^{n-1}-3\)

これを①に代入して、

 \(4・2^{n-1}-3=\frac{1}{a_{n}}\)

 \(a_{n}=\frac{1}{4・2^{n-1}-3}\)(終)


特性方程式を作ると等比数列の公比が求められ、それから初項を求めていくという流れは変わりません。


隣接3項間の漸化式とは?

これまで扱ってきた漸化式は、\(a_{n}\)と\(a_{n+1}\)の2項の関係を示したもので、「隣接2項間の漸化式」といいます。

最後は隣接3項間の漸化式から、特性方程式を作ってみましょう。


【例題4】

数列\(\left\{a_{n}\right\}\)において、\(a_{1}=1\)、\(a_{2}=4\)、\(a_{n+2}-5a_{n+1}+6a_{n}=0\)のとき、一般項を求めなさい。


隣接3項間の漸化式では、\(a_{n+2}=x^{2}\)、\(a_{n+1}=x\)、\(a_{n}=1\)として、漸化式から\(x\)の2次方程式を作ります。

解を\(α\)と\(β\)とすると、解と係数の関係から、

 \(x^{2}-(α+β)x+αβ=0\)

 \(x^{2}-αx-βx+αβ=0\)

となります。

そして、これを変形した

 \(x^{2}-αx=β(x-α)\)

 \(x^{2}-βx=α(x-β)\)

の2本の式を元に、

 \(a_{n+2}-αa_{n+1}=β(a_{n+1}-αa_{n})\)

 \(a_{n+2}-βa_{n+1}=α(a_{n+1}-βa_{n})\)

という2本の特性方程式をを立てて、数列を求めていきます。


【例題4の解答】

漸化式において、\(a_{n+2}=x^{2}\)、\(a_{n+1}=x\)、\(a_{n}=1\)とおくと、

 \(x^{2}-5x+6=0\)

 \((x-2)(x-3)=0\)

 \(x=2、x=3\)

よって、

 \(a_{n+2}-2a_{n+1}=3(a_{n+1}-2a_{n})\)…①

 \(a_{n+2}-3a_{n+1}=2(a_{n+1}-3a_{n})\)…②

が成り立つ。 

①で、\(b_{n}=a_{n+1}-2a_{n}\)とおくと、\(\left\{b_{n}\right\}\)は公比\(3\)の等比数列で、

 \(b_{1}=a_{2}-2a_{1}=4-2=2\)

よって、

 \(b_{n}=2・3^{n-1}\)

 \(a_{n+1}-2a_{n}=2・3^{n-1}\)…③

また②より、\(c_{n}=a_{n+1}-3a_{n}\)とおくと、\(\left\{c_{n}\right\}\)は公比\(2\)の等比数列で、

 \(c_{1}=a_{2}-3a_{1}=4-1=3\)

よって、

 \(c_{n}=3・2^{n-1}\)

 \(a_{n+1}-3a_{n}=3・2^{n-1}\)…④

③-④より、

 \(a_{n}=2・3^{n-1}-3・2^{n-1}\)(終)

まとめ

本記事では「漸化式」と「特性方程式」をご紹介しました。

用語は難しいイメージがありますが、漸化式は数列の項と項の関係を示したもの、特性方程式はそれを少し変形したものだと抑えておきましょう。

\(a_{n}\)から\(b_{n}\)への置き換えのパターンは他にもありますが、「特性方程式→等比数列の公比がわかる→初項を求める」という流れはほとんど変わらないので、たくさんのパターンの漸化式を身につけていきましょう!

この記事の執筆者
スタモ編集部
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