2019年01月31日更新
三角関数の合成とは?証明や最小値・最大値の求め方まで解説!
三角関数の合成は今までに習った知識を統合して、応用的な問題演習につなげていくための大切な公式です。またsinやcosの変形も必要なのでしっかりと方法を理解している必要があります。今回はそんな三角関数の豪勢について解説します。

三角関数とは

三角関数の合成とは以下のような式の変形をさします。

 

$$\begin{align}a\sin\theta+b\cos\theta=\sqrt{a^2+b^2}\sin(\theta+\alpha)\end{align}$$
$$\begin{align}ただし、\cos\alpha=\frac{a}{\sqrt{a^2+b^2}},\sin\alpha=\frac{b}{\sqrt{a^2+b^2}}\end{align}$$



$$\begin{align}a\sin\theta+b\cos\theta=\sqrt{a^2+b^2}\cos(\theta-\beta)\end{align}$$
$$\begin{align}ただし、\sin\beta=\frac{a}{\sqrt{a^2+b^2}},\cos\beta=\frac{b}{\sqrt{a^2+b^2}}\end{align}$$

 

三角関数の合成では上のようにsinθ、cosθ同士の和をsinだけにまとめることができます。sinθとcosθの和のままの場合、θの値によって2つの関数が変化しますが、合成することによって1つのsinの値であらわせるため、計算がより簡単になります

 

また三角関数の合成には加法定理の知識が必要になります。はじめに加法定理について確認してから、三角関数の合成の証明に移りましょう。

 

加法定理の確認

まずはじめに三角関数の加法定理の公式を確認します。

今回の合成の証明に用いるのはsinの加法定理のみなのでその項目に絞って解説します。

 

sinθの加法定理は以下のような公式です。

$$\begin{align}\sin (α+β)=\sin α\cos β+\cos α\sin β\end{align}$$
$$\begin{align}\sin(α-β)=\sin α\cos β-\cos α\sin β\end{align}$$

 

α,βにはそれぞれ角の値が代入されます。

このことで加法定理では既に明らかになっているsin θとcosθの値から、角の和や差で表される角度についてもsin θ値を導きだすことができます

 

加法定理はこのsinθの加法定理以外にもcosθ,tanθの場合があります。

cosθとtanθの加法定理は以下のとおりです。

 

$$\begin{align}\cos(α+β)=\cos α\cos β-\sin α\sin β\end{align}$$
$$\begin{align}\cos(α-β)=\cos α\cos β+\sin α\sin β\end{align}$$



$$\begin{align}\tan(α+β)=\frac{\tan α-\tan β}{1+\tan α\tan β}\end{align}$$
$$\begin{align}\tan(α-β)=\frac{\tan α+\tan β}{1-\tan α\tan β}\end{align}$$

 

この6つの式を加法定理と呼びます。合成の変形以外にも様々な面で必要になるのでぜひ覚えておきましょう。

それでは実際に三角関数の証明に移ります。

 

 

三角関数の合成の証明

ここからは三角関数の合成の証明方法について見ていきます。

 

座標平面状にP(a,b)をとり、原点Oと点Pを結びます。このときのOPがx軸の正の向きとなす角をαとします

点Pはx軸にa,y軸にbの点だから、

三平方の定理より

$$\begin{align}OP=\sqrt{a^2+b^2}\end{align}$$
$$\begin{align}またOP=\sqrt{a^2+b^2}を用いて、三角関数の定義より\end{align}$$
$$\begin{align}\cos\alpha=\frac{a}{\sqrt{a^2+b^2}}, \sin\alpha=\frac{b}{\sqrt{a^2+b^2}}\end{align}$$

変形して

$$\begin{align}a=\sqrt{a^2+b^2}\cos\alpha, b=\sqrt{a^2+b^2}\sin\alpha\end{align}$$



$$\begin{align}これらをa\sin\theta+b\cos\thetaに代入します。\end{align}$$
$$\begin{align}a\sin\theta+b\cos\theta\end{align}$$
$$\begin{align}=\sqrt{a^2+b^2}\cos\alpha*\sin\theta+\sqrt{a^2+b^2}\sin\alpha*\cos\theta\end{align}$$
$$\begin{align}\sqrt{a^2+b^2}についてまとめて、\end{align}$$
$$\begin{align}=\sqrt{a^2+b^2}(\sin\theta\cos\alpha+\cos\theta\sin\alpha)\end{align}$$

 

ここで加法定理を用います

加法定理は

$$\begin{align}\sin(\alpha+\beta)=\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta\end{align}$$

なので、同様に

$$\begin{align}=\sqrt{a^2+b^2}\sin(\theta+\alpha)\end{align}$$

 

よって三角関数の合成、

$$\begin{align}a\sin\theta+b\cos\theta=\sqrt{a^2+b^2}\sin(\theta+\alpha)\end{align}$$

を導くことができました。

 

この合成を用いる際の注意点として、それぞれsinθ、cosθの前についている係数は違っても構わないのですが、θにあたる部分は必ず同じでなければ合成を用いることはできません。自分で合成できるところを見つける際にはその点に気をつけて計算しましょう。

 

例題

1.基本問題

次の式を三角関数の合成を用いて変形せよ。ただし、0≦θ≦2πとする。

$$\begin{align}(1)\sin\theta+\cos\theta\end{align}$$
$$\begin{align}(2)\sqrt{3}\sin\theta-\cos\theta\end{align}$$



[解説]

(1)

まずは与えられた式に基づいて、

$$\begin{align}a\sin\theta+b\cos\theta→\sqrt{a^2+b^2}\end{align}$$

の変形を行います。

 

$$\begin{align}\sin\theta+\cos\theta\end{align}$$
$$\begin{align}=\sqrt{2}(\frac{1}{\sqrt{2}}\sin\theta+\frac{1}{\sqrt{2}}\cos\theta)\end{align}$$
$$\begin{align}=\sqrt{2}(\sin\theta*\frac{1}{\sqrt{2}}+\cos\theta*\frac{1}{\sqrt{2}})\end{align}$$

 

ここでsinとcosの値を比べて、sin・cosのとる角を求めます。

$$\begin{align}この問題ではsinα=\frac{1}{\sqrt{2}},cosα=\frac{1}{\sqrt{2}}であるため、\end{align}$$
$$\begin{align}\alpha=\frac{π}{4}です(0≦α≦2π)。\end{align}$$

 

よって

$$\begin{align}=\sqrt{2}(\sin\theta\cos\frac{π}{4}+\cos\theta\sin\frac{π}{4})\end{align}$$

加法定理を用いて

$$\begin{align}=\sqrt{2}\sin(\theta+\frac{π}{4})\end{align}$$

 

したがって

$$\begin{align}\sin\theta+\cos\theta\end{align}$$
$$\begin{align}=\sqrt{2}\sin(\theta+\frac{π}{4})\end{align}$$



$$\begin{align}(2)\sqrt{3}\sin\theta-\cos\theta\end{align}$$



$$\begin{align}まずは(1)と同じく\sqrt{a^2+b^2}を導きます。\end{align}$$
$$\begin{align}\sqrt{3}\sin\theta-\cos\thetaより\end{align}$$
$$\begin{align}\sqrt{3+(-1)^2}=\sqrt{4}=2\end{align}$$

よって

$$\begin{align}\sqrt{3}\sin\theta-\cos\theta\end{align}$$
$$\begin{align}=2(\frac{\sqrt{3}}{2}\sin\theta-\frac{1}{2}\cos\theta)\end{align}$$
$$\begin{align}=2(\sin\theta*\frac{\sqrt{3}}{2}-\cos\theta*\frac{1}{2})\end{align}$$

 

角αを求めて、

$$\begin{align}\sin\alpha=\frac{\sqrt{3}}{2},\cos\alpha=\frac{1}{2}\end{align}$$

であるから

$$\begin{align}\alpha=\frac{π}{6}\end{align}$$

 

ここで(1)同様加法定理を用いるのですが、注意が必要です。

証明ではsinθとcosθの和のみを扱っていましたが、この問題のように差を使った問題も出題されます。その場合は合成する際にも、差の公式を用いなければいけない点に注意しましょう。

$$\begin{align}加法定理\sin(\alpha-\beta)=\sin\alpha\cos\beta-\cos\alpha\sin\betaより\end{align}$$
$$\begin{align}2(\sin\theta*\frac{\sqrt{3}}{2}-\cos\theta*\frac{1}{2})\end{align}$$
$$\begin{align}=2(\sin\theta\cos\frac{π}{6}-\cos\theta\sin\frac{π}{6}\end{align}$$
$$\begin{align}=2sin(\theta-\frac{π}{6}\end{align}$$

 

したがって

$$\begin{align}\sqrt{3}\sin\theta-\cos\theta\end{align}$$
$$\begin{align}=2sin(\theta-\frac{π}{6}\end{align}$$



2.方程式

$$\begin{align}\cos\theta-\sqrt{3}\sin\theta=0を解け。ただし0≦θ≦2πとする。\end{align}$$



[解説]

$$\begin{align}\cos\theta-\sqrt{3}\sin\theta=0\end{align}$$

この式を三角関数の合成を使って変形します。

計算方法は1.基本問題と同様です。

$$\begin{align}\cos\theta-\sqrt{3}\sin\theta\end{align}$$
$$\begin{align}=\sqrt{1+3}\sin(\theta-\alpha)\end{align}$$
$$\begin{align}=2\sin(\theta-\alpha)\end{align}$$

ここで

$$\begin{align}\sin\alpha=-frac{sqrt{3}}{2}, \cos\alpha={1}{2}\end{align}$$

よって

$$\begin{align}\alpha=\sqrt{5}{6}π\end{align}$$

またこのとき

0≦θ≦2πであるから、取る値は

$$\begin{align}0+\sqrt{5}{6}π≦θ+\sqrt{5}{6}π≦2π+\sqrt{5}{6}π\end{align}$$
$$\begin{align}\sqrt{5}{6}π≦θ+\sqrt{5}{6}π≦\sqrt{17}{6}π\end{align}$$

の範囲になる。


したがって

$$\begin{align}2\sin(\theta-\sqrt{5}{6}π)=0\end{align}$$

この式で値が0になるのはそれぞれπ、2πのときであるから、

$$\begin{align}\theta-\sqrt{5}{6}π=π,2π\end{align}$$
$$\begin{align}\theta=π+\sqrt{5}{6}π, 2π+\sqrt{5}{6}π\end{align}$$
$$\begin{align}\theta=\sqrt{11}{6}π, \sqrt{17}{6}π\end{align}$$



3.最大値・最小値を求める問題

三角関数の合成が問題の中でよく使われるのは、最大値・最小値を求める問題です。ここでは合成を利用した最大・最小の問題をといてみましょう。

 

$$\begin{align}y=\sin x+\cos xの最大値・最小値を求めよ。ただし0≦x≦πとする。\end{align}$$

[解説]

$$\begin{align}はじめにy=\sin x+\cos xを合成して\end{align}$$
$$\begin{align}y=\sin x+\cos x\end{align}$$
$$\begin{align}y=\sqrt{2}\sin(x+\alpha)\end{align}$$

ここで

$$\begin{align}\cos\alpha=\frac{a}{\sqrt{a^2+b^2}}, \sin\alpha=\sqrt{b}{\sqrt{a^2+b^2}}\end{align}$$

であるから

$$\begin{align}\cos\alpha=\frac{1}{\sqrt{2}},\sin\alpha=\sqrt{1}{\sqrt{2}}\end{align}$$

よって

$$\begin{align}\alpha=\frac{π}{4}\end{align}$$

 

したがって

$$\begin{align}y=\sqrt{2}\sin(x+\alpha)\end{align}$$
$$\begin{align}y=\sqrt{2}\sin(x+\frac{π}{4})\end{align}$$

 

範囲は0≦x≦πであるから

$$\begin{align}xに角度x+\frac{π}{4}を代入して\end{align}$$
$$\begin{align}0+\frac{π}{4}≦x+\frac{π}{4}≦π+\frac{π}{4}\end{align}$$
$$\begin{align}\frac{π}{4}≦x+\frac{π}{4}≦\frac{5}{4}π\end{align}$$

 

この範囲で

$$\begin{align}y=\sqrt{2}\sin(x+\frac{π}{4})のとる最大値の範囲を求めると\end{align}$$
$$\begin{align}-\frac{\sqrt{2}}{2}≦\sin(x+\frac{π}{4})≦1\end{align}$$



$$\begin{align}よってy=\sqrt{2}\sin(x+\frac{π}{4})の最大値・最小値はそれぞれ\end{align}$$
$$\begin{align}最大値 \sqrt{2}\end{align}$$
$$\begin{align}最小値 -1\end{align}$$



$$\begin{align}最大値\sqrt{2}のとき\end{align}$$
$$\begin{align}\sin(x+\frac{π}{4})=1より\end{align}$$
$$\begin{align}x=\frac{π}{4}\end{align}$$

 

最小値-1のとき

$$\begin{align}\sin(x+\frac{π}{4})=-\frac{\sqrt2}{\sqrt2}より\end{align}$$
$$\begin{align}x=π\end{align}$$



まとめ

ここまで三角関数の合成とその例題について解説しました。三角関数の範囲である加法定理や三角比など様々な知識を必要とする分野です。今までに習ったことをしっかりと確認して、自分の力で計算できるように演習を欠かさずにしていきましょう

この記事の執筆者
スタモ編集部
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