2019年01月30日更新
分配法則とは?中学・高校別に分配法則の仕組みを解説!
分配法則の仕組みを知ってますか?分配法則とは式の計算を行う際の計算方法の一つで、中学/高校でそれぞれ習います。いずれも計算を行う上で最も大切な基礎になる部分なのでしっかりと見に付けておきましょう。本記事ではそんな分配法則について解説します。

分配法則とは

分配法則とは以下のような法則です。

$$\begin{align}A(B+C)=AB+AC\end{align}$$

分配法則は、カッコで括られた中の数…(B+C)と外の数…A同士を展開するときには、

必ずカッコの中のすべての項に、カッコの外の数をかけなければいけない…AB+ACというルールです。

文字の式の計算に多く使われます。

中学以降の数学に頻繁に登場する必修知識で、高校でも形を少し変えたものが再登場します。本記事では中学の範囲・高校の範囲とそれぞれ分けて、順番に解説していきます。

 

中学で習う分配法則

・文字式

分配法則で最初に中学校で習うのは、最初に解説した基本形“A(B+C)=AB+AC”を使った展開です。

実際に問題を解きながら見ていきましょう。

 

$$\begin{align}(1)2(3x+2y)\end{align}$$

これが最も基本的な形の分配法則です。

A(B+C)=AB+ACの形に習って、カッコの前にかかっている数字をそれぞれカッコの中身に掛け算していきます

$$\begin{align}2(3x+2y)\end{align}$$
$$\begin{align}=2*3x+2*2y\end{align}$$
$$\begin{align}=6x+4y\end{align}$$

 

この基本形だけでなく、少し外れた形で分配法則を用いる場合もあります。

次の問題をといてみましょう。

$$\begin{align}(2)2(x-3)-3(x+1)\end{align}$$
$$\begin{align}(3)\frac{n-1}{2}+\frac{2n+3}{3}\end{align}$$

[解説]

$$\begin{align}(2) 2(x-3)-3(x+1)\end{align}$$

この式は先ほどのA(B+C)がさらにもう一つ付け加わったものになります。この場合も基本形通りに計算をした後で、xをまとめて答えを出しましょう。

 

$$\begin{align}2(x-3)-3(x+1)\end{align}$$
$$\begin{align}=2x-6-3x-3\end{align}$$
$$\begin{align}=-x-9\end{align}$$



$$\begin{align}(3) \frac{n-1}{2}+\frac{2n+3}{3}\end{align}$$

分数の問題です。分数同士の足し算引き算の場合、どうしても通分が必要になるため、その過程で分配法則が必要になります

まずはこの2つを通分します。2と3の最小公倍数である6を分母に取ります。

 

$$\begin{align}\frac{n-1}{2}+\frac{2n+3}{3}\end{align}$$
$$\begin{align}= \frac{3(n-1)}{6}+\frac{2(2n+3)}{6}\end{align}$$

 

ここで分配法則の形A(B+C)のかたちができました。分数の場合もやり方は同様です。括弧の外にある数を中の数にそれぞれかけ合わせましょう

$$\begin{align}= \frac{3(n-1)}{6}+\frac{2(2n+3)}{6}\end{align}$$
$$\begin{align}=\frac{3n-3}{6}+\frac{4n+6}{6}\end{align}$$
$$\begin{align}=\frac{3n-3+4n+6}{6}\end{align}$$
$$\begin{align}=\frac{7n+3}{6}\end{align}$$

 

文字式の場合の分配法則は以上です。どの場合にも必ずA(B+C)=AB+ACの形に直せることを覚えておきましょう。

 

・大きな数を使った分配法則

中学数学の分野では、この法則の応用として大きな数をより簡単にするために分配法則を用いることがあります。

例えばこのような場合です。

 

$$\begin{align}(1)6*23\end{align}$$

暗算でそのまま6*23を出すのは、計算が苦手な人にとってはかなり難しく感じてしまいます。しかし、この分配法則を使うことでかなり簡単に計算ができてしまうんです。

 

27、大きな数をキリの良い数に、この場合は20と3に分けます。つまり23(=20+3)ですね。この(20+3)を先ほどの6にかけてみましょう。

 

$$\begin{align}6*23\end{align}$$
$$\begin{align}=6*(20+3)\end{align}$$
$$\begin{align}=6*20+6*3\end{align}$$
$$\begin{align}=120+18\end{align}$$
$$\begin{align}=138\end{align}$$

 

いずれも分配法則を用い、簡単な数に置き換えて計算することができました。分配法則ではこのように大きな数をできるだけ簡単な数に直して計算することができます。以下の例題2つを解いて考え方に慣れてみましょう。

 

$$\begin{align}(2)7*98\end{align}$$
$$\begin{align}(3)4*1096\end{align}$$



[解説]

$$\begin{align}(2)7*98\end{align}$$

この問題ではおおきな数98をできるだけ簡単な数にしていきます。98を先ほどと同じように簡単な数に分けると(90+8)…ですが、ここでもう一捻りしてみましょう。98だと、より近いキリの良い数に100がありますね。この100を使って98を表します

 

$$\begin{align}98=100-2\end{align}$$

それではこの(100-2)をもとの計算の中に入れてみましょう。

 

$$\begin{align}7*98\end{align}$$
$$\begin{align}=7*(100-2)\end{align}$$
$$\begin{align}=7*100-7*2\end{align}$$

 

ここで符号が-(マイナス)になる点に注意です。分配法則の符号はそれぞれカッコの中の符号に依存しますA(B+C)=AB+ACでカッコの中の+(プラス)が展開したときに残りますが、A(B-C)=AB-ACのようにカッコの中が-(マイナス)の場合、展開後も-(マイナス)で計算することになります。

 

$$\begin{align}=7*100-7*2\end{align}$$
$$\begin{align}=700-14\end{align}$$
$$\begin{align}=686\end{align}$$



$$\begin{align}(3)4*1096\end{align}$$

最後の問題はカッコの中の項が3つになる計算です。これまでの知識をすべて使って挑戦してみましょう。

まずは大きな数1096を分解します。1096を一旦、1000と96に分けて計算します1096=(1000+96)>。このときの96を(2)の問題に習ってより簡単な数にすると、96は100より4小さいので、(100-4)

よって

$$\begin{align}1096\end{align}$$
$$\begin{align}=1000+(100-4)\end{align}$$
$$\begin{align}=1000+100-4\end{align}$$

 

これを元の式に入れて計算してみましょう。

$$\begin{align}4*1096\end{align}$$
$$\begin{align}=4*(1000+100-4)\end{align}$$

 

この場合も今までと同じように、カッコの外の数をカッコの中の数にそれぞれひとつずつかけていきます。このときに+(プラス)-(マイナス)の符号に気をつけましょう。

$$\begin{align}=4*(1000+100-4)\end{align}$$
$$\begin{align}=4*1000+4*100-4*4\end{align}$$
$$\begin{align}=4000+400-16\end{align}$$
$$\begin{align}=4384 \end{align}$$

 

以上のように大きな数の掛け算も、分配法則を用いることでより簡単に計算することができます

 

高校で習う分配法則

高校分野では分配法則は主に(m+n)(a+b)のかたちで登場します。次数が大きくなりより複雑な計算が増えるため、ケアレスミスに注意です。因数分解の計算とも直結するため、ここでは特に特徴的な分配法則を用いた公式も合わせて紹介します

 

$$\begin{align}(1)(a+2b)(4a^2-3ab+2b^2)\end{align}$$

この式では(a+2b)を分配法則により、それぞれaと+2bの2つに分けて計算を進めていきます。

 

$$\begin{align}(a+2b)(4a^2-3ab+2b^2)\end{align}$$
$$\begin{align}=a(4a^2-3ab+2b^2)+2b(4a^2-3ab+2b^2)\end{align}$$
$$\begin{align}=4a^3-3a^2b+2ab^2+8a^2b-6ab^2+4b^3\end{align}$$

 

最後に同類項をまとめて、

$$\begin{align}=4a^3+(-3+8)a^2b+(2-6)ab^2+4b^3\end{align}$$
$$\begin{align}=4a^3+5a^2b-4ab^2+4b^3 \end{align}$$

 

シンプルで見やすいもの場合、頭の中で分配法則をして暗算で導くほうが早く計算できますが、文字が多く複雑だったり、より確実に計算したいときにおすすめです。次の2問についてもといてみましょう。

 

$$\begin{align}(2)(x+y)(x^2-xy+y^2)\end{align}$$
$$\begin{align}(3)(x-y)(x^2+xy+y^2)\end{align}$$



[解説]

解き方は(1)と同様です。

$$\begin{align}(2) (x+y)(x^2-xy+y^2)\end{align}$$
$$\begin{align}=x^3-x^2y+xy^2/+x^2y-xy^2+y^3\end{align}$$
$$\begin{align}= x^3+(-1+1)x^2y+(+1-1)xy^2+y^3\end{align}$$
$$\begin{align}=x^3+y^3\end{align}$$



$$\begin{align}(3)(x-y)(x^2+xy+y^2)\end{align}$$
$$\begin{align}=x^3+x^2y+xy^2/-x^2y-xy^2+y^3\end{align}$$
$$\begin{align}= x^3+(-1+1)x^2y+(+1-1)xy^2+y^3\end{align}$$
$$\begin{align}=x^3-y^3\end{align}$$

 

この2問は実は代表的な3乗の乗法公式です。この2つについては問題の中で頻繁に用いられるため、分配法則で求めることはできますが、最終的にはこの形をそのまま覚えて、実践的に使えるようにしましょう

 

まとめ

ここまで中学、高校とそれぞれで習う分配法則について問題と交えながら解説しました。分配法則は計算を進める上で大切な根幹となる法則です。しかし同時に最終的に問題を解く際に大切になるのが、基礎がどれだけしっかりしているかというところでもあります。日頃から基礎の確認を怠らずにしっかりと仕組みから抑えて、問題を解いていきましょう。

この記事の執筆者
スタモ編集部
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