2019年01月29日更新
対数関数の定義と指数との関係、計算方法、常用対数などを詳しく解説
本記事では対数関数の定義と計算問題の解き方を詳しく解説していきます。対数の定義、対数と指数の関係、底(てい)の大きさとグラフの形、常用対数の使い方などを、例題をとおして着実に身につけていきましょう。

はじめに

「対数関数ってどんな式? 真数(しんすう)と底(てい)って何? 対数と指数の関係は? どうして対数の足し算はかけ算に直せるの? 常用対数はいつ使うの?」

本記事ではこれらの質問にわかりやすく答えていきます。 

対数関数とは?

本記事では対数関数を解説してきますが、その前に対数の定義を確認しておきましょう。

対数とは?

対数の定義はこのとおりです。

b>0真数(しんすう)条件といいます。

左辺の読み方は、

 ①ログaのb

 ②ログaていb

 ③ログa、b

などがあります。

具体的には?

例えば、\(2^{3}=8\)を\(\log\)を使って表すと、

 \(\log_{2}{8}=3\)

となります。

つまり\(\log_{2}{8}\)は、真数の8が底2の何乗であるかを示すものなのですね。


これを元にすると、

 \(\log_{2}{16}=4\)

 \(\log_{3}{27}=3\)

となることが理解できるでしょう。


それではいくつか対数の値を考えてみましょう。

指数法則は大丈夫?

【例題1】

次の式の値を求めなさい。

①\(\log_{2}{32}\)

②\(\log_{2}{2}\)

③\(\log_{2}{1}\)

④\(\log_{2}{\frac{1}{2}}\)

⑤\(\log_{\frac{1}{2}}{8}\)


【ポイント】

指数計算の法則を使っていきます。

【例題1の解答】

①\(\log_{2}{32}=\log_{2}{2^{5}}=5\)

②\(\log_{2}{2}=\log_{2}{2^{1}}=1\)

③\(\log_{2}{1}=\log_{2}{2^{0}}=0\)

④\(\log_{2}{\frac{1}{2}}=\log_{2}{2^{-1}}=-1\)

⑤\(\log_{\frac{1}{2}}{8}=log_{\frac{1}{2}}{2^{-3}}=-3\)

指数の累乗について

例題1の③、④、⑤は難しかったのではないでしょうか?

ここで指数の知識を復習しておきます。


2の累乗を順に見ていくと、

 \(2^{3}=8\)

 \(2^{2}=4\)

 \(2^{1}=2\)

となりますね。

左辺の2の指数を1つ小さくすると、右辺は2で割っていくことになります。

するとこの次は、

 \(2^{0}=1\)

 \(2^{-1}=\frac{1}{2}\)

 \(2^{-2}=\frac{1}{4}\)

になることが想像できるでしょう。


また、

 \(2^{\frac{1}{2}}=\sqrt{2}\)

 \(2^{\frac{1}{3}}=\sqrt[3]{2}\)

となることも抑えておいてください。

対数の計算公式

足し算がかけ算に、引き算が割り算に

\(\log_{a}{b^{c}}=clog_{a}{b}\)

\(\log_{a}{a}=1\)

\(\log_{a}{b}+\log_{a}{c}=\log_{a}{bc}\)

\(\log_{a}{b}-\log_{a}{c}=\log_{a}{\frac{b}{c}}\)

\(\log_{a}{b}=\frac{\log_{c}{a}}{\log_{c}{b}}(底の変換公式)\)

公式の証明

対数の定義「\(a^{S}=b\)のとき\(\log_{a}{b}=S\)」を何度も確認してください。


①の証明

\(a^{S}=b\)とおくと、\(\log_{a}{b}=S\)となる。

ここで、最初の式の両辺をc乗すると、

 \(a^{Sc}=b^{c}\)

よって対数の定義より、

 \(\log_{a}{b^{c}}=Sc=c\log_{a}{b}\)


②の証明

\(a^{1}=a\)より対数の定義から、

 \(\log_{a}{a}=1\)


③の証明

\(a^{S}=b\)、\(a^{T}=c\)とおくと、

 \(\log_{a}{b}=S\)

 \(\log_{a}{c}=T\)

指数法則より、

 \(a^{S}×a^{T}=a^{S+T}=bc\)

よって、\(a^{S×T}=bc\)のとき対数の定義より、

 \(\log_{a}{bc}=S+T\)

\(S=log_{a}{b}\)、\(T=log_{a}{c}\)を右辺に代入して、

 \(\log_{a}{bc}=log_{a}{b}+log_{a}{c}\)(終)


④の証明

\(a^{S}=b\)、\(a^{T}=c\)とおくと、

 \(\log_{a}{b}=S\)

 \(\log_{a}{c}=T\)

指数法則より、

 \(a^{S}÷a^{T}=a^{S-T}=\frac{b}{c}\)

よって対数の定義より、

 \(\log_{a}{\frac{b}{c}}=S-T\)

\(S=log_{a}{b}\)、\(T=log_{a}{c}\)を右辺に代入して、

 \(\log_{a}{\frac{b}{c}}=log_{a}{b}-log_{a}{c}\)(終)


⑤の証明

\(a^{S}=b\)のSに、\(S=log_{a}{b}\)を代入すると、

 \(a^{log_{a}{b}}=b\)

両辺でcを底とする対数をとると、

 \(log_{c}{a^{log_{a}{b}}}=log_{c}{b}\)

 \(log_{a}{b}×log_{c}{a}=log_{c}{b}\)

 \(log_{a}{b}=\frac{log_{c}{b}}{log_{c}{a}}(終)


公式でお腹いっぱいですね(笑)。

対数は計算問題が多いので、あとは実践あるのみです。

それではいくつか問題を解いていきましょう。

対数は足し算、引き算に注意!

【例題2】

次の式の値を求めなさい。

①\(\log_{6}{2}+log_{6}{18}\)

②\(\log_{5}{10}-\log_{5}{2}\)

③\(\log_{8}{32}\)


【ポイント】

対数では足し算がかけ算に、引き算が割り算になることに注意しましょう。

③では32が8の何乗かはわからないので、底の変換公式を使います。

底は8と32の約数の中で、一番小さい素数を使ってください。

【例題2の解答】

①\(\log_{6}{2}+\log_{6}{18}=\log_{6}{2×18}\)

 \(=\log_{6}{36}\)

 \(=\log_{6}{6^{2}}\)

 \(=2\)


②\(\log_{5}{10}-\log_{5}{2}=\log_{5}{10÷2}\)

 \(=\log_{5}{5}\)

 \(=1\)


③底の変換公式より、

 \(\log_{8}{32}=\frac{\log_{2}{8}}{\log_{2}{32}}\)

 \(=\frac{\log_{2}{2^{3}}}{\log_{2}{2^{5}}}\)

 \(=\frac{3}{5}\)

対数関数とは?

定義域に注意!

定義は対数の定義と同じです。

対数関数では、定義域にx>0(真数条件)の制限があることに気をつけてください。

yはあらゆる値をとることができます。

対数関数のグラフ

底が1より大きいか小さいか?

対数関数のグラフは、底を\(a\)としたとき、\(1<a\)と\(0<a<1\)の範囲で形が変わります

まず、底が1より大きい\(y=\log_{2}{x}\)のグラフを見てみましょう。

\(y=\log_{2}{x}\)のグラフはx=1のときy=0となります。

ここからxが増えるにつれて、

 \(x=2のとき、y=\log_{2}{2}=1\)

 \(x=4のとき、y=\log_{2}{4}=2\)

 …

のように、yも増えていきます。

xが分数になると、

 \(x=\frac{1}{2}のとき、y=\log_{2}{\frac{1}{2}}=-1\)

 \(x=\frac{1}{4}のとき、y=\log_{2}{\frac{1}{4}}=-2\)

 …

のように、yは減っていきます。

底が1より大きいときは、xとyが同時に増減するわけですね。


ただ、真数条件からx>0なので、グラフがy軸にぶつかることはありません

このようにグラフがぶつかることのない直線のことを漸近線(ぜんきんせん)といいます。


ところが底が\(0<a<1\)のとき、例えば\(y=\log_{\frac{1}{2}}{x}\)のグラフはこのようになります。

x=1でy=0になるのは先程と同じですが、xが増えていくと、

 \(x=2のとき、y=\log_{\frac{1}{2}}{2}=-1\)

 \(x=4のとき、y=\log_{\frac{1}{2}}{4}=-2\)

 …

そして、xが減っていくと、

 \(x=\frac{1}{2}のとき、y=\log_{\frac{1}{2}}{\frac{1}{2}}=1\)

 \(x=\frac{1}{4}のとき、y=\log_{\frac{1}{2}}{\frac{1}{4}}=2\)

 …

となり、底が1より小さいときはxとyの増減が逆になるのです。

これは対数の大小を求める問題で重要なので覚えておいてください。


それでは対数関数の問題に挑戦してみましょう。

底の大きさに注意!

【例題3】

次の関数の最大値と最小値を求めなさい。

①\(y=\log_{3}{x}(1≦x≦27)\)

②\(y=\log_{\frac{1}{2}}{x}(\frac{1}{16}≦x≦16)\)


【ポイント】

底が1より大きいか小さいかで、yの大小が変わってきます。

【例題3の解答】

①底は3>1より、

 \(x=1のとき最小値 y=\log_{3}{1}=0\)

 \(x=27のとき最大値 y=\log_{3}{27}=3\)


②底は\(0<\frac{1}{2}<1\)より、

 \(x=16のとき最小値 y=\log_{a}{16}log1/216=-4\)

 \(x=\frac{1}{16}のとき最大値 y=\log_{\frac{1}{2}}{\frac{1}{16}}=4\)

2次関数の応用

【例題4】

次の関数の最大値と最小値を求めなさい。

\(y=(\log_{2}{x})^{2}-4\log_{2}{x}+5(1≦x≦32)\)


【ポイント】

\(\log_{2}{x}^{2}=2\log_{2}{x}\)ですが、かっこの外に2乗がついている\((\log_{2}{x})^{2}\)の指数は前に出すことはできません

【例題4の解答】

\(t=\log_{2}{x}\)(…①)とおくと、底2>1と1≦x≦32から、

 \(\log_{2}{1}≦\log_{2}{x}≦\log_{2}{32}\)

 \(0≦t≦5\)

よって、

 \(y=(\log_{2}{x})^{2}-4\log_{2}{x}+5\)

 \(=t^{2}-4t+5\)

 \(=(t-2)^{2}+1\)…②

よって頂点は(2、1)で、グラフはこのようになる。

ゆえに、t=5のとき最大で②より、

 \(y=(5-2)^{2}+1=10\)

また、このとき①より、

 \(\log_{2}{x}=5\)

 \(x=32\)

t=2のとき最小で②より、

 \(y=(2-2)^{2}+1=1\)

また、このとき①より、

 \(\log_{2}{x}=2\)

 \(x=4\)

以上より、

 \(x=32のとき最大値5\)

 \(x=4のとき最小値1\)(終)


置き換えをした場合は、tを求めたあと必ずxも求めてください

常用対数とは?

数の桁数を知りたいとき

【例題5】

\(\log_{10}{2}=0.3010\)のとき、\(2^{50}\)の桁数を求めなさい。


【ポイント】

桁数を求める際には不等式を立てるのですが、ここで覚えておきましょう。

例えば503は3桁の数ですね。

つまり、

 \(10^{2}<503<10^{3}\)

となります。

これは、

 \(10^{2}<3桁の数<10^{3}\)

ということもできます。

つまり、真ん中の数の桁数が、右側の10の指数に一致し、左側の10の指数はそこから1を引いたものになるのです。

これを利用すると、

 \(10^{n-1}<n桁の数<10^{n}\)

となります。

【例題5の解答】

\(2^{50}\)をn桁の数とすると、

 \(10^{n-1}<2^{50}<10^{n}\)

底を10とする対数をとると、

 \(\log_{10}{10^{n-1}}<\log_{10}{2^{50}}<\log_{10}{10^{n}}\)

 \((n-1)\log_{10}{10}<50\log_{10}{2}<n\log_{10}{10}\)

 \(n-1<50\log_{10}{2}<n\)

ここに\(\log_{10}{2}=0.3010\)を代入して、

 \(n-1<50×0.3010<n\)

 \(n-1<15.05<n\)

これを満たすのは、\(n=16\)

ゆえに\(2^{50}\)は16桁の数となる。(終)

おわりに

以上、対数関数をご紹介しました。

分野が多岐にわたる数ⅡBの中では、比較的公式が少ない単元です。

足し算と引き算で独特の決まりがありますが、指数補足を抑えておけば、スムーズに理解できるでしょう。

計算を一つ一つ丁寧にこなしていき、確実に得点源としてください!

この記事の執筆者
スタモ編集部
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