2019年02月01日更新
英語の倒置法の具体的な作り方について。覚えるべきはわずかなバリエーション
倒置法というと、難しいと思っていませんか?文法の参考書中などでは終わり頃に登場し、いかめしく思えるわりに、あまりきちんと手を付ける時間がないものかもしれません。でも、ほんのちょっとの努力で出来るようになりますから、見てみましょう。

そもそも倒置法とは?実はそんなに難しくない、この文法事項の大枠の特徴

倒置とは、端的に言って語順が変わることです。英文には5つの文型というものがありますが、その文型をベースにして作られる通常の文章に対し、語順を変化させることが倒置です。

倒置法は文にこの変化を起こす文法事項ということになります。

■倒置法を使うケースとは?

倒置法を使うのは、特に強く言いたい言葉を強調する時などです。

文の語順で先頭でないものだけど、強調したいという語を先に回して文章が作られます。

「彼女は優しいね」という文章に対し、「優しいね、彼女は」という言い回しをするようなものです。

また、そのような倒置を使うことにより、文語調的と見なされる文章となったりすることもあります。

具体的な倒置法、形のバリエーションはおよそ2、3個だけ

■強調されるものはいくつか決まっている

英文の倒置法で文頭に回される語は大体、文型の所で習うSVOCMのうち、C、O、M、それからあとは否定語です。

ここで言う否定語というのは、neverとかhardly、scarcelyとかで、実は品詞的にはMのくくりですが、倒置法になる時の文の形の観点から、否定語を別立てで理解しておいた方がよいです。

例文を見てみましょう。


1.)She is kind.に対して、Kind she is.

2.)I like Japanese food.に対して、Japanese food I like.

3.)He went downstairs just a few minutes ago.に対して、Downstairs he went just a few minutes ago.

4.)I never dreamed of such a thing.に対して、Never did I dream of such a thing.


各項目とも後半の文章が倒置法を用いた文章です。1.)~4.)まで、順にC、O、M、否定語をそれぞれ強調した例文になっています。

■より詳細な倒置法の文の作り方

倒置法の文は、強調語を出した後SVとするか、VSとするかのパターンがあります。上ではまずはざっとイメージをつかむための、分かり易いSVの方の文章を書いていますが、元々はVSのパターンが多いため、強調語+VSを先に覚えられるといいかもしれません。

あとは、強調語のあと疑問文の語順になるというものもあります。

より具体的に見ていきましょう。


①強調語+VS(SV)のケース

この時の強調語には、C、O、Mが来ます。C/O/M+VS(SV)というわけです。

先ほど書いた、強調語のあとSVになるのは強調語がOの時です。それから、強調語が何でもSが代名詞であればなります。

この二パターン以外はベース通りに強調語+VSと覚えておくといいでしょう。


②強調語+疑問文の語順のケース

強調語に否定語が来るとその後ろが疑問文の語順になります。一つ上の項目の4.)の例文はまさにそれですね。

I never dreamed of such a thing.のneverを文頭に出したら、あとはI dreamed of such a thingが残りますが、これを疑問文の語順にして、did I dream of such a thingとして続ける形です。

たまに否定語ではない単なるMでも、①ではなくこの②の仕組みをとることもあります。


例題演習で理解する

実際に倒置法の文章を作ってみましょう。

以下の文を倒置法にしてみて下さい。


1.I ate some apples.

2.Her sister is beautiful.

3.A famous actor was there.

4.The bus had hardly left when he rushed into it.(hardlyを文頭に出す形で)

5.The great man is such that he always cares for other people. (suchを文頭に出す形で)

6.I didn't get up that day until the sun set.(not until を文頭にして書き始める形で)

7.She said,"Hurry up,or you will miss the train."(発言内容を文頭に出す形で)

8.Kate said,”Hurry up,or you will miss the train."(発言内容を文頭に出す形で)

解答です。


1.Some apples I ate.

2.Beautiful is her sister.

3.There was a famous actor.

4.Hardly had the bus left when he rushed into it.

5.Such is the great man that he always cares for other people.

6.Not until the sun set did I get up that day.

7."Hurry up,or you will miss the train,"she said.

8."Hurry up,or you will miss the train,"said Kate.


3はThere is/are~.の構文になりました。実はこんな所に倒置法の理屈が眠っていたことが分かります。

4~6については、このような倒置にした形のものが構文になっていて、訳し方も決まっていますから、形と訳の作り方を合わせて身に付けてしまえると望ましいです。

4~6の訳は以下の通りです。


4.彼が駆け込んだ途端にバスは出発した。

5.その素晴らしい人はいつも他人を気遣う。

6.その日私は日が沈んではじめて起きた。


・6は、普通の文章の段階ではつながっていないnotとuntilをセットにして出さなければいけないので、どういうことか戸惑ったかもしれません。なのでこういうものは覚えてしまうのが一番早いという考え方もありますが、倒置法が言いたいことを先に出すという性質であることを考えると、比較的作りやすいと思います。

「日が沈むまでやらなかった」を強調したいというのが初めの発想なわけですね。そのためこの部分を文頭に引っ張ってきていると考えられます。

この文は、否定語を含むので否定語強調の倒置法の形をしていますが、もう一つ注目できるのが、Mの要素を強調した文章だということです。文型の要素でMとは、副詞的な役割をしていれば句でも節でも全てあてはまりました。

ここでは、副詞節の「until the sun set」についてnotを含めて強調したいという意図からの倒置法だったとも言えます。Mの強調による倒置法について、句や節でも取ることがあるという、このポイントも押さえておきましょう。


・7、8も同様のことになりますが、ここで文頭に出した発言内容は、接続詞thatでくくられて「~ということ」を表す名詞節の要素であると見なせます。

なので、Oを文頭に出したパターンと見て倒置法の文を作ります。その際は、Sが代名詞かどうかよく見て、その後VSなのかSVなのかを判断しましょう。

■倒置法の文章を全部自力で作るとしたら

・例題では、長めの作文になりそうな問いに関しては、「この語を文頭に出す形で」と指定がありました。

しかし普通倒置法で書きたいなと思ったら、この補助ありの出題というのはそうないと思われます。

普通の文章を与えられて、「これを倒置法にせよ」と言われたらどうやるのかということですが、これはやはり意味の上で何を強調したいかをつかむことに尽きます。

上の1.の「I ate some apples.」のように、まだ短い文ならC/O/Mや否定語が文頭に来るから、という知識からぱっと判断できるかもしれません。

しかし5.の「The great man is such that he always cares for other people.」のような、少し複雑になった文章に関してはどうでしょうか。

これは訳してみた時に、「such」というものが入っているのに気づきますね。「その素晴らしい人はそのようである」と言っています。そしてその内容がthat節以下であるという風に続きます。

なので、素晴らしい人という主語に対して、そんなに感動をしたというような気持ちがここから伺えるのではないかという視点があると、ここを文頭に出して倒置かなと気づくことができるはずです。

パッと見では「素晴らしい」という要素を強調したいのかなという勘を抱いてしまいがちですが、ちゃんと訳してみると、倒置に出せそうな要素で強調的になりそうなものに気付けるはずだというわけです。

そこを見つけて、その後はその強調語のための構造をとって書けば大丈夫です。


・また、通常の形の英文を与えられずに、日本語から倒置法の文章を作らなければいけなくなった場合は、まずは通常の英文を書いてみて、そこから倒置法の文章にすることをお勧めします。

時々強調的でなく、普通の日本語文に思える問題なのに解答が倒置法になっている時もありますが、倒置法は普通の文章あってのことなので、「この位の言い回しであるとか、題材であるとかになれば倒置法かな」という判断は、倒置法のテーマの中で解いたことがあるのはこんな感じという経験値を積んでおいてやるといいと思います。

■暗記をしているかもしれない、意外な倒置法の文

・上の例題の3.で、There is/are~.構文が意外にも倒置法の理屈で出来ているというのがありました。

それに関連して、同様な文章を挙げてみたいと思います。


1.)So do I.

2.)Neither could he.


二つとも前文の内容を受けて、「私もそうします。」とか「彼も出来ませんでした。」とか言う表現ですね。

もともと、それぞれ「I do so.」「He could not either.」などと言うところを、Mの要素であるso、not either(=neither)を強調し、「So do I.」、「Neither could he.」とした倒置法の文章と言うことができます。


・他の数々の倒置についても触れておきましょう。単に純粋に倒置法だけを習得したいということであれば、ここは飛ばして次の項目へ行ってしまっても大丈夫です。

倒置法というなら、受験英文法の世界ではあらかた今まで取り上げてきたようなことでくくられていますが、単に倒置というだけなら英語では数知れません。

5つの文型ベースの文章に対して語順が変われば倒置なわけですから、結構よく扱ってきているはずです。

例を挙げて紹介しておきます。


倒置が起きている英文の例:

1.)疑問文

2.)感嘆文

3.)if節のifの省略によって起こる倒置


「Mary will be free next Sunday.」に対して「Will Mary be free next Sunday?」であるとか、

「John is a wonderful person.」に対して「What a wonderful person John is!」であるとか、

「If it were not for his help,I wouldn't be here.」に対して「Were it not for his help,I wouldn't be here.」であるとかの形は、確かに元々の文章から語順が変わっていますね。

元の位置から語の位置が外れることがあると、それに伴って倒置を起こすというのは英文のよくある仕組みだったのです。

その理屈が共通して通っているということで言えば、倒置法もやはりそんなに別格な難解さを持つものではなく、あとは特有のルールを覚えるだけで馴染めるものであると分かります。

倒置法のまとめ

倒置法は長文読解の中でも必要になる事項です。文法演習と共に、読解でも力を磨いてみて下さい。

読解時にどうも訳がうまくできないという時に、倒置法であるのに見抜けていないという場合も多いです。そこに注目して読解を考えてみることも、倒置法の習得に役立ちます。


作り方をおさらいしておきましょう。


・倒置法は、5つの文型通りの語順の文に対して、強調したい語を文頭に出し、語順を変えることで作られました。

文頭に持って来られる語はC、O、M(否定語)です。

形には以下の2パターンがありました。


①C/O/M+VS(SV)の語順(SVになるのは文頭がOの時と、Sに代名詞が来る時)

否定語+疑問文の語順

この記事の執筆者
スタモ編集部
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