2019年01月24日更新
英語の前置詞とは?全体のニュアンスと位置関係から詳しく解説!
日本語には存在しない英語の「前置詞」を、全体のニュアンスと位置関係から詳しく解説します!

前置詞とは何か① 日本語には存在しない品詞である「前置詞」

本記事では、前置詞について説明します。

 

もちろん前置詞と呼ばれる品詞は、英語独特のもので日本語には存在しません。

 

そのため、「前置詞とは何か」と言われても、はじめはイメージしにくいのではないかと思います。

 

前置詞の主な役割は、名詞の直前に置くことで、前置詞と名詞の塊が形容詞や副詞となって、文章の意味を補強することにあります。

 

つまり、文章の骨格となる意味を補強するために、名詞の直前におく品詞が前置詞です。

 

下の英文を見てください。

 

There is a pen on the desk.

和訳:ペンが一本、その机の上に置いてある。

 

上の英文では、「on」という前置詞が「the desk」の前に配置され、「机の上に」という副詞の働きをしています。

 

ただの名詞だった「desk」という言葉が、前置詞の力を借りることによって、「on the desk」という塊となり、一つの品詞(上の場合は副詞)の働きをするようになるわけです。

 

これが、前置詞とは何かを考える際に、最も大切になるポイントです。

 

前置詞の「前置」とは、「名詞の前に配置する」という意味があるわけです。

 

また、前置詞と名詞を組み合わせして、形容詞の働きをする場合もあります。

 

The building is under construction.

和訳:そのビルは工事中だ。

 

上の英文では、「construction」と言う言葉が、「under」(~の下に)という前置詞の助けを借りて、「工事中で」という形容詞の働きをしています。

 

このように、名詞の前に配置をして、主に形容詞や副詞の働きをする言葉の塊を作るのが前置詞の役割です。

 

この前置詞も、1語で前置詞として機能するものもあれば、数語を合わせて一つの前置詞として機能する「群前置詞」、2語続けて前置詞を置いて固めて一つの前置詞として機能する「二重前置詞」と呼ばれるものもあります。

 

主な前置詞

 

では、どんな前置詞が存在するでしょうか?

 

よく使う主な前置詞としては、on,at,by,for,from,in,to,with,until などがあります。

 

これらの前置詞で、何を表現するかというと、ざっくりとした「位置関係」を表現します。

 

それらの位置関係は、例文で後述しましょう。

前置詞とは何か② 動詞と結びつく前置詞とは

名詞と結びついて形容詞・副詞として働く以外にも、前置詞には重要な働きがあります。


それは、「動詞と結びついて定型句を作る」ということです。


例えば、下の例文です。


He laughed at the joke.

彼は、ジョークで笑った。


という英文があります。


動詞である「laugh」は、当然「笑う」という意味ですが、自動詞であるため、直接目的語をとることができません。


そのため、前置詞の助けを借りることで、「the joke」という名詞を目的語としてとれるようになります。


その際に利用するのは、必ず「at」という前置詞であることから、「laugh at~」(~で笑う)という定型句が生まれることになります。


こういった定型句は、動詞毎に決められていることが多いため、一つずつ覚えていかなくてはなりません。


例えば、


We will count on you.

私達は、君を当てにするつもりだ。(count on~:~を当てにする)


とか、


Your trials and errors will result in failure.

あなたの試行錯誤は、結局失敗で終わるだろう。(result in~:(結局~という結果になる)


といった定型句が存在します。


前置詞とは何かということを考える際の2つ目のポイントは、こういった「動詞と前置詞の結合によって、動詞の働きを補助する」というところにあります。


それでは、「前置詞とは何か①」の個々の前置詞の役割を例文で確認していきましょう。

主な前置詞の用法

前述した通り、前置詞は、ざっくりとした「位置関係」を表現するために利用します。


それぞれの位置関係のイメージが重要なので、各前置詞について、基本的なニュアンスを確認していきましょう。


On


「on」の基本的なニュアンスは、「接触」です。


そのため、上に接触する場合も、頭にのっている場合も、壁・天井に接触している場合も利用します。


体に接触する場合は、「着用」の意味で利用されます。


また、「接触」の意味から、「空間的な近接」、「時間的な近接」という意味も派生します。


さらに、「接触」から「支え・基盤」という意味も派生し、「(判断等の)根拠」という意味も生まれてきます。


その他では、曜日の前には、onを利用することが多いです。


また、「接触し続けている状態」というイメージも生まれるので、「継続した状態」を表す場合もあります。


それぞれの例文を見てみましょう。


The cat is running on the mat.

和訳:その猫は、マットの上で走っている。(マットの上に「接触」)


Look at the painting on the wall.

和訳:壁にかかっているその絵を見てごらん。(壁に「接触」)


She had a new hat on her head yesterday.

和訳:彼女は昨日、新しい帽子を被っていた。(頭に「着用」)


Osaka stands on the Yodo river.

大阪は、淀川のほとりにある。(空間的に「近接」)


On her arrival in Tokyo, I went to meet her.

彼女が東京に着くやいなや、私は彼女に会いに行った。(時間的に「近接」を示す)


I refused to answer on the grounds that I was too busy to answer.

私は忙しいということを根拠にして回答を断った。(「(判断等の)根拠」)


Ken always goes to the city on Sunday.

ケンは、日曜日にいつも街に繰り出す。(曜日の場合は、慣習的にonを利用)


Those who lived in the town were on the alert.

その村に住んでいる人々は、警戒していた。(「継続した状態」を示す)


以上が「on」の基本的な用法になります。


全体的に見ると、どうしても何かの点が平面の表面にくっついているイメージが「on」の主なイメージになります。


基本的な用法を確認すると、「前置詞とは何か」という部分のイメージがつきやすくなると思います。


At


「at」の基本的なニュアンスは「一点」です。


そして、一点と言っても、場所の「一点」、時間の「一点」、方向性の「一点」、ある比率・割合での「一点」、ある状態としての「一点」など、onと同様に意味の広がりがあります。


代表的なものを例文で確認しましょう。


We live at Sesame Street.

和訳:私達は、セサミストリートに住んでいる。(場所の「一点」を示す)


Our lesson begins at 10:00 a.m.

和訳:私達のレッスンは、午前10時に始まる。(時間の「一点」を示す)


Look at that museum!

和訳:あの博物館を見て!(方向性の「一点」を示す)


Those cars were going at about 180 miles an hour.

和訳:あれらの車両は、時速約180マイルで走っていた。(ある割合での「一点」を示す)


We were at lunch when he arrived.

和訳:私達は、彼が到着したときにランチをとっていた。(ある状態としての「一点」を示す)


とにかく、「点が孤立して存在する状態」というのが「at」の基本的なイメージになります。


狭い一点にフォーカスして、「ここ!」ということが明示されるのが「at」です。


By


「by」の基本的なニュアンスは「そば」です。


そばにあるものを利用するという連想から、「手段」という意味が派生します。


また、位置的に「そば」にいる場合や時間的な「そば」を表す場合もあります。


さらに、「頭の中のすぐ近くにあるもの」というところから、「判断の基準」を表す場合もあります。


「そばにいる行為主」が動作の主語になる受け身の場合は、行われた行為の「そばにいる人」ということで、「by」以下で主語を明示する形になります。


それぞれ、例文を見てみましょう。


She has stood by me for two hours.

和訳:彼女は私のそばに2時間たたずんでいる。(場所的な「そば」を示す)


We were running by the school at evening.

和訳:私達は、夕方、学校の近くをランニングした。(場所的な「そば」を示す)


Please be there by eleven o’clock.

和訳:11時までになんとかあそこにいてください。(時間的な「そば」を示す)


I came to this school by train three days ago.

和訳:私は3日前学校に電車で来た。(「手段」を示す)


You had better cure a stomach ache by taking a medicine.

和訳:薬を飲んで、腹痛を治したほうがよい。(「方法」を示す)


That is a painting by Monet.

和訳:あれは、モネが書いた絵だ。(「行為主」を示す)


You can judge job hunting students by their clothes.

和訳:服装を見ることによって就活中の学生を判断できる(「判断の基準」を示す)


判断の基準という考え方から「単位」を示すこともできます。


We are going to sell these goods by the dozen tomorrow.

和訳:私達は、明日、これらの品物を1ダース売るつもりです。


「by」は、「そばにあるもの・人」を示すというニュアンスを頭に入れておきましょう。


In


「in」の基本的なニュアンスは、「中に含まれる」です。


それも、「すっぽりと中に入っている」という意味が加わります。


おまんじゅうの中のあんこをイメージすると分かりやすいと思います。


前置詞とは何かを考えるときには、絶対に位置関係のイメージを落とさないようにしましょう。


以上が、「in」のイメージです。


ここから、「場所的に中に入る」、「時間的に中に入る」、「服装を身に付ける」、「ある状態になる」、「ある動作をしている」といった意味が生まれます。


具体的な例文では、下記の通りです。


He swam in the river a week ago.

和訳:彼は一週間前にその川の中で泳いだ。(「場所的に中に入る」ことを示す)


It was fine in the evening.

和訳:夕方、天気は晴れていた。(「時間的に中に入る」ことを示す)


She looks very beautiful in her dress.

和訳:彼女は、ドレスを着ると、とても美しく見える。(「服装を身に付ける」ことを示す)


He has fell in love with her.

和訳:彼は、彼女を好きになってしまった。(「ある状態になる」ことを示す)


My father is now in business.

和訳:父親は今実業についている。(「ある動作をしている」ことを示す)


Of


「of」の基本的なニュアンスは「起源」(元となるもの)と「格」です。


また、「起源」から離れるというイメージである「分離」を意味する場合もあります。


何から生じるのか、ということを示す際に「of」を利用します。


また、何から生じるかというところから、「原因」を明示する場合もあります。


場合によっては、「from」を利用することもあるので注意が必要です。


例文を用いて説明しましょう。


Children would become independent of their parents.

和訳:子供というものは、親から独立していくものだ。(「分離」を示す)


This drink consists of oranges and apples.

和訳:このドリンクはオレンジとリンゴの果汁でできている。(「起源」を示す)


His father died of lung cancer.

和訳:彼の父親は、肺がんで亡くなった。(「原因」を示す)


これ以外に、重要なのは、「of」は、起源というイメージから、主格関係、目的格関係、同格関係、所有格関係という「格」を表す前置詞として機能する点です。


「格」とはわかりにくいですが、ざっくりといって、「2つ以上の名詞がつながるときにお互いにどういった関係性を持っているか」ということを示す文法用語です。


例えば、A of B という関係があります。


この英語を「BがAすること」という主語・述語関係が成り立つ場合は、「主格関係」と呼びます。


「BをAすること」という動詞・目的語の関係が成り立つ場合は、「目的格関係」と言います。


さらに、「B=A」という関係が成り立つことを「同格関係」、「Bの所有(帰属)するA」という関係が成り立つことを「所有格・帰属関係」と言います。


もちろん、文法用語を覚える必要は全くありません。


この関係は、英文和訳で英語を日本語にするときにきちんと捉えられないとうまい日本語にならないので、英語から日本語への訳出方法を知っておくと便利です。


フレーズで例文を見てみましょう。


the arrival of him

和訳:彼が到着すること(BがAすることなので、主格関係)


the destruction of the building

和訳:ビルを破壊すること(BをAすることなので、目的格関係)


There is no hope of us escaping from fire in the building.

和訳:私達がこのビル火災から逃れる希望は全くない。(B=Aなので、同格関係)


Secretary of State

和訳:アメリ国務長官(Bに帰属するAなので、所有格・帰属関係)


以上が、「of」の主な用法です。


For


ここからは、方向を示す前置詞がしばらく並びます。


「for」の基本的なニュアンスは「(到達地点を含まない)方向」です。


「方向性は含むけれども、到達まではしない」「方向性がやや漠然としている」というあたりのイメージが重要になっています。


逆に、「方向性をもっており、到達地点を強く意識する」というイメージは「to」を用います。


「(到達地点を含まない)方向」の意味から、心の求める方向性として、「目的」、「賛成」、「交換」、「追求」という意味が派生します。


例文で確認していきましょう。


He is earning money for buying a car.

和訳:彼は、車を買うためにお金を稼いでいる。(「目的」を示す)


The train for Nagoya leaves in 10 minutes.

和訳:名古屋行きの電車は、あと10分で出発する。(「(到達地点を含まない)方向」を示す)


I am for your suggestions.

和訳:あなたの提言に私は賛成です。(「賛成」を示す)


That child cried for help.

和訳:あの子供は、大声で助けを求めた。(「賛成」を示す)


I will buy this bicycle for 100 dollars.

和訳:私は、100ドルでこの自転車を買いたい。(「交換」を示す)


「for」には、以上の意味以外にも、重要な役割として、「不定詞の意味上の主語の明示」という機能があります。


例文を見てみましょう。


You have work for her to do.

和訳:あなたは、彼女にしてもらう仕事をもっている。(「for her」が「to do」の動作の主語を示す)


不定詞の動作の主語を示す場合は、for A to Bの間に、「AがBすること」という主語・述語関係が生まれることに注意して下さい。


To

「to」の基本的なニュアンスは「到達点を含む方向」です。


このため、「for」と違って、どこに到達するのかが強く意識されます。


そのため、「方向」「到達点」という基本的な意味から、「期間の終点」、到達点からの結合としての「関係」、「比較」といった意味が派生します。


例文は下記の通りです。


She is running to the west.

和訳:彼女は西の方角に走っている。(「方向」を示す)


Water temperature rose to 50 degrees C.

和訳:水温は、50℃まで上がった。(「到達点」を示す)


The Expo is open from Wednesday to Friday

和訳:その博覧会は、水曜から金曜まで開催している。(「期間の終点」を示す)


This is the key to success.

和訳:これが成功の鍵だ。(「関係」を示す)


Her height is equal to his.

和訳:彼女の身長は、彼と同じだ。(「比較」を示す)


From


「from」の基本的なニュアンスは「起点」です。


時間的・空間的な起点・出発点という意味から、「起源」、「由来」、「判断の根拠」という意味が派生します。


例文を見てみます。


I must run all the way from the school to the station.

和訳:私は、学校から駅までの道をずっと走らなければならなかった。(「起点」を示す)


That is a quotation from Chesterton.

和訳:あれは、チェスタトンの著作からの引用です。(「起源」を示す)


Judging from this situation, he must be very dangerous.

和訳:この状況からすると、彼はとても危険な状態に違いない。(「判断の根拠」を示す)


With


「with」の基本的なニュアンスは「一緒」です。


「一緒」と言う意味から「同伴」、「携帯」、「付加」といった意味が派生します。


I always play soccer with my brother.

和訳:私はいつも兄弟とサッカーで遊んでいる。(「同伴」を示す)


Do you have a pencil with you?

和訳:鉛筆をもっていますか?(「携帯」を示す)


また、「with」特有の用法として、「付帯状況」という用法があることに注意して下さい。


Listen to what I say with your eyes closed.

和訳:私の言うことを、目を閉じたままにして聞いてください。


「付帯状況」の「with」では、with A B の語順の関係が「AがBしたままで」(Aが主語、Bが述語)という関係になることが極めて重要です。


前置詞とは


さて、長々と英文を見てきましたが、「前置詞とは何か」を考えたとき、全体のニュアンスと「位置関係」のイメージをざっくりとつかんだ上で、個別の用法を覚えていくと、全体像が見えるようになってきます。


どの単語もいくつかの用法があります。


ただ、決まりきった使い方しかしないため、慣れてくるとすぐに意味がつかめるようになります。


ぜひ本稿の例文を参考にして、前置詞の用法に慣れるようにして下さい。



この記事の執筆者
名古屋大学工学部→大学4年次編入で京都大学法学部へ。高校数学の講師歴3年あり。工学部で利用する基礎科学的な内容や、数学(数ⅢC)について、大学を視野に入れた数学の勉強方法、リスニング、パラグラフリーディング、英文解釈、英文和訳、単語熟語の覚え方を分かりやすくご説明します。
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