2019年01月29日更新
順列と組み合わせの違いを分かりやすく解説!
数Aの初めに学習する順列と組み合わせ。使う式が似ているため混乱してしまうことがありませんか?この記事では「順列と組み合わせの違いって?」「この問題はどっちを使えばいいの?」という疑問に詳しく答えます。

1.順列と組み合わせの違い

・順列とはあるものの中からいくつかを選び、その後並べることです。

・組み合わせとはいくつかを選ぶことです。


$$\begin{align}r!×nCr = nPr\end{align}$$

順列の式と組み合わせの式は上のような関係になっています。

r!はr個のものをすべて並べるときの通り数です。

そのため上の式から 

n個の中からr個選び、並べたもの数 = 順列の通り数 

となっていることが分かります。

これからこの関係が成り立つ理由を説明していきます。

2.r!×nCr = nPr が成り立つ理由

r!(アールの階乗)

まずr個のものをすべて並べるとき、その通り数が

$$\begin{align} r! = r(r-1)…2・1\end{align}$$

となる理由を説明していきます。

r = 3

の場合を考えてみましょう。

その時の樹形図は次のようになります。

3個のものをすべて並べる

このように1番目に並べるとき、その並べ方が3通り。

2番目のものの並べ方は、1つ選択肢が減ったので2通り。

3番目も同じように1通り。

したがって、そのすべての通り数は

2+2+2 = 3×2 = 6通り

となります。

これをrこの場合でも同じようにします。

数学的に言えば帰納法を使います。

厳密な証明ではありませんが、公式の意味を理解するのにとても有用です。

r-1個のものをすべて並べるのときにその通り数は(r-1)!となると仮定します。

r個のものを並べるときは

r個のものをすべて並べる

となり

$$\begin{align}(r-1)!+(r-1)!+…+(r-1)! = r × (r-1)! = r!\end{align}$$

よって、r個のものをすべて並べるときも、r!となることが分かります。

nPr(エヌピーアール)

$$\begin{align}nPr = n×(n-1)×…×(n-r+1)\end{align}$$

次は順列ーn個のものからr個選んで並べるー時の通り数が

となる証明をしていきます。

具体的な例として5個のものの中から3つ選ぶとき、その並べ方の樹形図は次のようになります。

5個のものから3つ選んで並べる

r!のときと、とても似ています。少し違うところは、1番目に並べるものの選択肢が多いことー2番目以降も同じですがーです。

同じように帰納法を使いましょう。

n個のものの中からr個選んで並べる順列は

$$\begin{align} nPr = n×(n-1)×…×(n-r+1)\end{align}$$

となります。

n = n+1,r = r+1のとき、樹形図は

n = n+1,r = r+1の順列の樹形図

したがって

$$\begin{align}nPr + nPr + … + nPr = (n+1)nPr = n+1Pr+1\end{align}$$

となり、n個の中からr個選んで並べる順列の総数がnPrで表されることが分かりました。

また前に述べたとおり、選択肢の数が増えます。nの数が1増えるごとに、1つ選択肢が増えます。ですから、

$$\begin{align}(n+1)×n×…×((n+1)-r+1) = n+1Pr\end{align}$$

nCr(エヌシーアール)

最後にn個のものの中からr個選ぶ(組み合わせ)とき、その通り数が

$$\begin{align}nCr = n(n-1)・…・(n-r+1) / r!\end{align}$$

となることを見ていきましょう。

5個のものの中から3個選ぶときは次のようになります。

5個のものから3個を選ぶ

この時は確かに

$$\begin{align}₅C₃=5・3・2 / 3! = 5\end{align}$$

証明

まとめとして

$$\begin{align}r!×nCr = nPr \end{align}$$

が成り立つことを示しましょう。

$$\begin{align}nCr = n(n-1)・…・(n-r+1) / r!\end{align}$$
$$\begin{align}nPr = n(n-1)・…・(n-r+1)\end{align}$$

したがって

$$\begin{align}nCr = nPr / r!\end{align}$$
$$\begin{align}∴r! × nCr = nPr\end{align}$$


となります。


先ほどr!がr個のものをすべて並べる通り数、であると証明したので、r!をかけるというのは、r個のものをすべて並べるということと同値であることが分かります。

したがって、


n個のものからr個選んで、すべて並べる ⇔ n個のものからr個並べる順列


です。

それを表す式は

$$\begin{align}r! × nCr = nPr\end{align}$$

です。

3.例題①

①-1

7人の生徒の中を1列に並べる方法はいくつあるか。

解答)

7人すべてを並べるから

7! = 7・6・…・2・1 = 5040

∴5040通り

①-2

7人の中からある3人を選んで、並べたい。その並べ方はいくつあるか。

解答)

7人から3人選んで並べる順列と同じだから

₇P₃ = 7・6・5 = 210

∴210通り

①-3

7人の中から3人の選び方はいくつあるか。

解答)7人から3人を選ぶから

₇C₃ = 7・6・5 / 3・2・1 = 35

∴35通り

4.例題②

②-1

7人それぞれにクラス内の別の委員会を割り当てたい。割り当て方は何通りあるか。

解答)

求めるのは7人すべてを並べる通り数であるから

7! = 5040


解説)

7人はそれぞれ別の委員会が割り当てられるから

1番目の委員会にAさん、2番目の委員会にBさん…というようにすれば大丈夫でしょう。

1 2 3 4 5 6 7

A B C D E F G

このA~Gの7人を並べかえればオッケーです。

②-2

7人の中から委員長と副委員長を決めたい。この時、決め方は何通りあるか。

解答)

7人の中から2人選んで並べる順列に等しいから

₇P₂ = 42

∴42通り


解説)

委員長と副委員長は別なので、前の問題のように割り当てると、7人から2人選ぶ順列になります。

②-3

7人から代表を2人決めたい。この時、決め方は何通りあるか。

解答)

7人の中から2人選ぶから

₇C₂ = 21

∴21通り


解説)

代表に区別はないから、7人の中から2人を選べばオッケーです。

5.例題③

③-1

7人を2人部屋、X、Y、Z、1人部屋、Wに分けるとき、分け方は何通りあるか。


解答)Xに入る2人の選び方は₇C₂

   Yに入る2人の選び方は₅C₂

   Zに入る2人の選び方は₃C₂

   Wに入るのは残りの一人だから

求めるのは

$$\begin{align}₇C₂×₅C₂×₃C₂×1 = (7・6 / 2・1)×(5・4 / 2・1) ×(3・2 / 2・1) ×1 = 630\end{align}$$

∴630通り

解説)

この問題の解答で₇C₂×₅C₂×₃C₂×1としていますが、このCをかけるというのはどういう意味を持つのでしょうか。

2人の選び方に区別はありません。しかし、部屋には区別があります。

2人部屋に順番をつけて並べたものと考えることもできます。

つまりCをかけるというのは"選んだものをひとまとまりにしてかけられた順番通りに並べる"ということを示しています。

そしてこの問題の場合には、2人の組み合わせをすべて選んでいます。

ですからX,Y,Zの順に決めるとすれば、すべてのX,Y,Zと2人組の組み合わせができることになります。

③-2

7人を2人部屋3つ、1人部屋1つに振り分ける。この時分け方は何通りあるか。

解答)

③-1のX,Y,Zの区別をなくした通り数に等しいから

630 / 3! = 630 / 6 = 105

∴105通り

解説)

よく知られているように、割るというのはかけるの全く逆の操作をしています。したがってr!をかけるのが順番を区別して並べることであるのなら、r!で割るというのは順番の区別をなくすということを表しています。

したがって

$$\begin{align}r!×nCr = nPr \end{align}$$

が選んだものにr!をかけて順番をつけているということであれば

$$\begin{align}nCr = nPr / r!\end{align}$$

という式は並べたものの区別をなくして、選んだ状態にしているということを表しています。

豆知識 区別するとは

ドーナツとコップは一緒

上の例題で分かるように、部屋の番号を区別したら、通り数は多くなります。だから、区別しない方が助かる場合も多いです。例えば、上の例でいえば、修学旅行で行く班のメンバーの点呼をするとき、それがどの部屋なのかというのは余計な情報だろうと思います。誰がどの班なのかが分かればいいでしょう。

そのように区別をしないというのは、様々なものを分かりやすくしてくれることがあります。もっと正確に言うと、区別するのは必要な情報だけであれば分かりやすいです。

数学の分野でトポロジーというものがありますが、これはその一つで、図形を開いている穴の数で区別します。

例えば、チョコドーナツと持ち手が一つついたコップは同じ図形です。またドーナツとお皿は別の図形となっています。

数学の問題でわからないときは必要な情報で区別をしてみるのもいいかもしれません。

まとめ

組み合わせを並べたもの ⇔ 順列

並べる場所が区別されている ⇒ 順列

区別されていない ⇒ 組み合わせ


このように順列と組み合わせの式を使い分けていきましょう。

困ったときは樹形図を書くのはとても有用な方法です。

この記事の執筆者
スタモ編集部
最高の学習をもっと身近に、どこでも。スタモ編集部は、大学受験や日々の勉強に役立つ記事を発信しています。予備校講師や塾講師の経験のある東大、京大、早慶の卒業者メンバーが中心に、どこよりも詳しく、どこよりも丁寧な内容をお届けいたします。
関連記事
数学的帰納法はこれでマスター!基本から大学入試レベルの問題の解き方まで徹底解説!
証明が苦手な方なら数学的帰納法はすごい難しいことをしているように見えるのではないでしょうか?しかし、その仕組みを理解すれば意外と簡単なんですよ。本記事では、数学的帰納法の基本や仕組み、問題の解き方について分かりやすく解説していきます。
反比例について徹底解説!基礎からからグラフの描き方まで初学者にもわかりやすく解説します
「反比例って苦手だったな…」「反比例のグラフの描き方忘れちゃった!」「日常生活で反比例の関係にあるものって?」本記事では反比例が苦手な方に向けて、今さら聞けない基本から徹底的に解説していきます。
0から分かる特性方程式!数列の漸化式の問題での使い方を詳しく解説
本記事では特性方程式の内容と証明、その使い方を詳しく解説していきます。特性方程式と、その元となる数列の漸化式(ぜんかしき)とは何かを理解し、さまざまな漸化式の問題をとおして特性方程式の使い方を身につけていきましょう。
0から分かる2倍角の公式!導出から公式を用いた計算まで徹底解説
この記事では、加法定理から2倍角の公式を導出します。また公式を用いた計算まで例題を解いて確認しましょう!
【等差数列】基礎から学んで3つの公式を使いこなそう!
等差数列は数列の基礎、土台です。数列は大学入試において頻出テーマなので、等差数列が苦手であっては大学合格は厳しいと言っても過言ではないでしょう。本記事では等差数列の3つの公式について分かりやすく解説していきます。
切片とは?傾き・2点の座標がわかっている時の求め方、切片の範囲についても解説!
切片とはなんでしょうか。切片とは直線に置いてy軸と交わっている点のことを指し、直線の式を求める際に傾きとともに最も大切な要素の一つです。本記事では切片とその求め方について解説します。
© 2018 スタモ.