2019年01月22日更新
解と係数の関係とは?証明方法、例題を徹底解説!
解と係数の関係を知っていますか?解と係数の関係は対称式を用いて、二次方程式の解から係数を、反対に二次方程式の係数をもとに解を求めることのできる公式です。 普段使われることが多いわけではないので、見落としがちになってしまう受験生も多いのではないでしょうか。今回はそんな解と係数の関係の証明方法と例題を紹介します。

解と係数の関係とは

解と係数の関係とは以下のような式を指します。

$$\begin{align}二次方程式 ax^2+bx+c=0の解を、\alpha,\betaとおくと\end{align}$$
$$\begin{align}\alpha+\beta=-\frac{b}{a}, \alpha\beta=\frac{c}{a}\end{align}$$

解と係数の関係を用いれば,二次方程式の解についての式を求める問題や,解の配置問題を解くことができます。

なかなか覚えにくかったり、恩恵がわかりにくかったりする公式ですが、複雑な計算を簡単にしたり、計算ミスを減らすなど使いこなせるようになると大きな強みになります。

それでは実際に解と係数の関係の証明方法を確認してみましょう。

 

解と係数の関係の証明

解と係数の関係の証明方法は二通りあります。一つは解の公式から求める方法、もう一つが因数定理から求める方法です。

2つの求め方について順に見ていきましょう。

 

解の公式から求める

はじめに解の公式について確認します。解の公式とは二次方程式の解xについて、式中のそれぞれの文字の係数を当てはめることで、解を求めることのできる公式です。

公式は以下のように表されます。

$$\begin{align}x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\end{align}$$

この公式を用いることでどのような二次方程式に関しても解を求めることができます。

このことから、解と係数の関係の証明を行います。

[証明]

$$\begin{align}ax^2+bx+c=0 (a≠0)\end{align}$$

この方程式の2つの解をそれぞれα、βとする。

 

$$\begin{align}ax^2+bx+c=0について\end{align}$$

解の公式より

$$\begin{align}\alpha=\frac{-b+\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\end{align}$$
$$\begin{align}\beta=\frac{-b-\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\end{align}$$



$$\begin{align}\alpha+\beta\end{align}$$
$$\begin{align}=\frac{-b+\sqrt{b^2-4ac}}{2a}+\frac{-b-\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\end{align}$$
$$\begin{align}=\frac{-2b}{2a}\end{align}$$
$$\begin{align}=\frac{-b}{a}\end{align}$$



$$\begin{align}\alpha\beta\end{align}$$
$$\begin{align}=\frac{-b+\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\cdot\frac{-b-\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\end{align}$$
$$\begin{align}=\frac{b^2-(\sqrt{b^2-4ac})^2}{4a^2}\end{align}$$
$$\begin{align}=\frac{b^2-(b^2-4ac)}{4a^2}\end{align}$$
$$\begin{align}=\frac{4ac}{4a^2}\end{align}$$
$$\begin{align}=\frac{c}{a}\end{align}$$

 

よって

$$\begin{align}\alpha+\beta=\frac{-b}{a}\end{align}$$
$$\begin{align}\alpha\beta=\frac{c}{a}\end{align}$$

 

以上で解の公式から、解と係数の関係α+β、αβについての式が求まりました。

 

因数定理からもとめる

解と係数の関係については因数定理からも求めることができます。

因数定理とは多項式f(x)が(x-a)を因数に持つことから、必ずf(a)=0になるということを述べた定理です。

$$\begin{align}多項式f(x)が(x-a)を因数に持つ\Leftrightarrow f(a)=0\end{align}$$

このことを用いて解と係数の関係を証明します。

 

[証明]

$$\begin{align}f(x)=ax^2+bx+c=0とおく。(ただしa≠0)\end{align}$$

この二次方程式の解をそれぞれα、βとする。

このとき、解x=α,βであるから、

$$\begin{align}f(\alpha)=f(\beta)=0\end{align}$$

したがって、f(x)は(x-α),(x-β)を因数に持つ式であると言える

 

よって

$$\begin{align}f(x)=a(x-\alpha)(x-\beta)\end{align}$$



$$\begin{align}f(x)=ax^2+bx+c=0であるから、\end{align}$$
$$\begin{align}ax^2+bx+c= a(x-\alpha)(x-\beta)\end{align}$$

両辺をaで割って

$$\begin{align}x^2+\frac{b}{a}x+\frac{c}{a}=(x-\alpha)(x-\beta)\end{align}$$

右辺を展開すると

$$\begin{align}x^2+\frac{b}{a}x+\frac{c}{a}=x^2-(\alpha+\beta)x+\alpha\beta\end{align}$$

よって、xについて係数比較して,

$$\begin{align}\alpha+\beta=-\frac{b}{a}\end{align}$$
$$\begin{align}\alpha\beta=\frac{c}{a}\end{align}$$

となる。

 

以上で因数定理を用いて解と係数の関係が証明できました。

例題

それでは実際に解と係数の関係が用いられている問題をといてみましょう。

 

問1.方程式から対称式を求める

$$\begin{align}(1)x^2-4x+1=0の解をα、βとする。このときのα+β、αβの値をそれぞれ求めよ。\end{align}$$
$$\begin{align}(2)2x^2+6x-1=0の解をα、βとする。このときの\alpha^2+\beta^2、\alpha-\betaの値について求めよ。\end{align}$$

解答.

問1.

$$\begin{align}(1) x^2-4x+1=0の解をα、βとする。このときのα+β、αβの値をそれぞれ求めよ。\end{align}$$

方程式の係数を解と係数の関係に代入し、対称式α+β、αβを求める。

 

$$\begin{align}x^2-4x+1=0において\end{align}$$
$$\begin{align}二次方程式 ax^2+bx+c=0の解を、\alpha,\betaとおくと\end{align}$$
$$\begin{align}\alpha+\beta=-\frac{b}{a}, \alpha\beta=\frac{c}{a}\end{align}$$

であることを用いる。

 

よって解と係数の関係より

$$\begin{align}\alpha+\beta=-\frac{-4}{1}=4\end{align}$$
$$\begin{align}\alpha\beta=\frac{1}{1}=1\end{align}$$




$$\begin{align}(2) 2x^2+6x-1=0の解をα、βとする。\end{align}$$
$$\begin{align}このときの\alpha^2+\beta^2、\alpha-\betaの値について求めよ。(ただし\alpha>\beta)\end{align}$$

 

まずはじめに(1)同様、対称式α+β、αβの値を求める。

$$\begin{align}2x^2+6x-1=0において、解と係数の関係より\end{align}$$
$$\begin{align}\alpha+\beta=-\frac{b}{a}, \alpha\beta=\frac{c}{a}\end{align}$$

であるから

$$\begin{align}\alpha+\beta=-\frac{6}{2}=-3\end{align}$$
$$\begin{align}\alpha\beta=-\frac{1}{2}\end{align}$$



$$\begin{align}この2つの式をもとに\alpha^2+\beta^2、\alpha-\betaの値についても\end{align}$$

求めていく。

 

$$\begin{align}\alpha^2+\beta^2\end{align}$$
$$\begin{align}=(\alpha+\beta)^2-2\alpha\beta\end{align}$$
$$\begin{align}=(-3)^2-2(-\frac{1}{2})\end{align}$$
$$\begin{align}=9+1\end{align}$$
$$\begin{align}=10\end{align}$$



$$\begin{align}(\alpha-\beta)^2\end{align}$$
$$\begin{align}=\alpha^2-2\alpha\beta+\beta^2\end{align}$$
$$\begin{align}=(\alpha^2+\beta^2)-2\alpha\beta\end{align}$$
$$\begin{align}=10-2(-\frac{1}{2})\end{align}$$
$$\begin{align}=10+1\end{align}$$
$$\begin{align}=11\end{align}$$




$$\begin{align}(\alpha-\beta)^2=11であるから\end{align}$$
$$\begin{align}\alpha-\beta=\pm\sqrt{11}\end{align}$$
$$\begin{align}ただし条件より\alpha>\betaであることから\end{align}$$
$$\begin{align}\alpha-\beta=\sqrt{11} \end{align}$$

 

よって

$$\begin{align}\alpha^2+\beta^2=10\end{align}$$
$$\begin{align}\alpha-\beta=\sqrt{11}\end{align}$$

 

 

 

問2.対称式から方程式を求める

$$\begin{align}m+n=-5,m^2+n^2=13を満たす(m,n)を求めよ。ただし,m>nとする。\end{align}$$

解答.

はじめに解と係数の関係を使うため、対称式mnの値を求めます

$$\begin{align}m^2+n^2=(m+n)^2-2mn\end{align}$$
$$\begin{align}13=(-5)^2-2mn\end{align}$$
$$\begin{align}2mn=(-5)^2-13\end{align}$$
$$\begin{align}mn=\frac{25-13}{2}\end{align}$$
$$\begin{align}mn=\frac{12}{2}\end{align}$$
$$\begin{align}mn=6 \end{align}$$

 

よってこの方程式の対称式はm+n=-5,mn=6

解と係数の関係より

$$\begin{align}二次方程式 ax^2+bx+c=0の解を、m,nとおいたとき、\end{align}$$
$$\begin{align}m+n=-\frac{b}{a},mn=\frac{c}{a}\end{align}$$

である。よってこれを逆に用いることで、解がm,nとなる二次方程式は以下のように定まる。

$$\begin{align}x^2+5x+6=0\end{align}$$
$$\begin{align}(x+2)(x+3)=0\end{align}$$
$$\begin{align}x=-2,-3\end{align}$$
$$\begin{align}m>nより,m=-2,n=-3\end{align}$$

 

よって求める解は-2,-3

 

【応用】三次方程式の解と係数の関係

ここまで二次方程式に限った場合の、解と係数の関係について説明してきました。しかし実は2つ目の証明で用いた因数定理を用いれば、三次方程式における解と係数の関係も求められるようになります

 

$$\begin{align}三次方程式ax^3+bx^2+cx+d=0(ただしa≠0)の3つの解を\end{align}$$
$$\begin{align}それぞれα,β,γとする。このとき、\end{align}$$
$$\begin{align}\alpha+\beta+\gamma=-\frac{b}{a}\end{align}$$
$$\begin{align}\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha=\frac{c}{a}\end{align}$$
$$\begin{align}\alpha\beta\gamma=-\frac{d}{a}\end{align}$$




[証明]

$$\begin{align}三次方程式ax^3+bx^2+cx+d=0(ただしa≠0)とおくと、\end{align}$$

解x=α,β,γはこの方程式の解であるから、

$$\begin{align}f(\alpha)=f(\beta)=f(\gamma)=0\end{align}$$

よって

$$\begin{align}(x-\alpha),(x-\beta),(x-\gamma)が因数にそれぞれ含まれる式である。\end{align}$$

このことから、三次方程式f(x)について以下のように表せられる。

$$\begin{align}f(x)=a(x-\alpha)(x-\beta)(x-\gamma)\end{align}$$

 

すなわち

$$\begin{align}ax^3+bx^2+cx+d=a(x-\alpha)(x-\beta)(x-\gamma)\end{align}$$

両辺をaで割って

$$\begin{align}x^3+\frac{b}{a}x^2+\frac{c}{a}x+\frac{d}{a}=(x-\alpha)(x-\beta)(x-\gamma)\end{align}$$

右辺を展開して、

$$\begin{align}x^3+\frac{b}{a}x^2+\frac{c}{a}x+\frac{d}{a}\end{align}$$
$$\begin{align}=x^3-(\alpha+\beta+\gamma)x^2+(\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha)x-\alpha\beta\gamma\end{align}$$

 

よって係数比較より

$$\begin{align}\alpha+\beta+\gamma=-\frac{b}{a}\end{align}$$
$$\begin{align}\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha=\frac{c}{a}\end{align}$$
$$\begin{align}\alpha\beta\gamma=-\frac{d}{a}\end{align}$$

 

以上のように三次方程式においても解と係数の関係が成り立ちます。因数定理を用いることで、二次・三次方程式よりも更に高次な方程式についても解と係数の関係を求めることができます。気になる人は是非試してみてください。




まとめ

今回は解と係数の関係の証明と例題について紹介しました。

対称式や係数比較などふだん計算の中であまり使わないものをを用いるため、複雑に感じたかもしれません。公式を覚えて、一つ一つの基礎を着実に抑えていくことで自分のものにしていきましょう。

問題演習の中で手順を何度も確認し、得点アップを目指してくださいね!

この記事の執筆者
スタモ編集部
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