2019年01月17日更新
方べきの定理はいつ使う?練習問題を解いて基本をマスターしよう!
方べきの定理の公式を覚えるのは簡単ですよね。でも、「いつ使ったらいいのかわからない」と苦手意識がある方も多いのではないでしょうか。この記事をしっかり読めば使い時が見極められるようになります。

はじめに

方べきの定理の公式『PA×PB=PC×PD』を覚えるのは簡単ですよね。

でも、「いつ使ったらいいのかわからない」と苦手意識がある方も多いのではないでしょうか。


方べきの定理の使いどきは、図形の特徴と公式の意味、その証明方法をおさえれば簡単に見極めることができるようになります。


まずは図形の特徴と公式の意味からおさえていきましょう。

最後に用意されている練習問題を解けるようになれば、方べきの定理の基本をマスターできますよ!

方べきの定理とは…?

方べきの定理とは、ある点を通る直線と円で作られる線分の性質を説いたものです。

方べきの定理を理解するには図形と公式をセットで覚える必要があります。

ここでは3つの図形パターンとそれに対応する公式をみていきましょう。

1.点Pが円の内部にある場合

点Pを通る2本の直線PB、PDと円が交点をもつとき、線分PA、PB、PC、PDの間には、

PA×PB=PC×PDが成り立ちます。

それぞれの線分と対応する公式の部分を色分けすると、以下のようになります。




2.点Pが円の外部にある場合

こちらもPA×PB=PC×PDが成り立つ図形ですが、点Pが円の外部にあります。


それぞれの線分と対応する公式の部分を色分けすると、以下のようになります。


3.1つの直線が円と接する場合

これは点Pが円の外部にあるパターンの派生で、直線PDが円の接線になっています。


それぞれの線分と対応する公式の部分を色分けすると、以下のようになります。


方べきの定理の証明

続いて、3つの図形パターンでなぜ方べきの定理が成り立つのかみていきましょう。


証明の流れを意識して、読み進めてくださいね。

1.点Pが円の内部にある場合の証明



【証明の流れ】

①円周角の定理を利用して、△PACと△PDBが相似であることを証明。

②相似の図形の性質「対応する辺の比は等しい」から方べきの定理に繋げる。

【証明】

△PACとPDBにおいて、円周角の定理により、


∠PAC=∠PDB…①


また、∠APCと∠DPBは対頂角であることから、


∠APC=∠DPB…②

  1. ②より△PACと△PDBは2組の角がそれぞれ等しいので、


△PAC∽△PDB

相似関係にある図形の対応する辺の比は等しいことから、

PA:PD=PC:PB

内項の積と外項の積は等しいので、

PA×PB=PC×PD(方べきの定理)

が成り立つ。

2.点Pが円の外部にある場合の証明



【証明の流れ】

①円に内接する四角形の性質を利用して、△PACと△PDBが相似であることを証明。

②相似の図形の性質「対応する辺の比は等しい」から方べきの定理に繋げる。

【証明】

△PACとPDBにおいて、円に内接する四角形の性質から、


∠PAC=∠PDB…①


また、∠APCと∠DPBは共通なので、


∠APC=∠DPB…②

①、②より△PACと△PDBは2組の角がそれぞれ等しいので、

△PAC∽△PDB

したがって、

PA×PB=PC×PD(方べきの定理)

が成り立つ。

3.1つの直線が円と接する場合の証明


【証明の流れ】

①接舷定理を利用して、△PACと△PDBが相似であることを証明。

  1. 相似の図形の性質「対応する辺の比は等しい」から方べきの定理に繋げる。


【証明】

△PADとPDBにおいて、接弦定理より、


∠PDA=∠PBD…①


また、∠APDと∠BADは共通なので、


∠APD=∠BAD…②


①、②より△PADとPDBは2組の角がそれぞれ等しいので、

△PAD∽△PDB

したがって、

PA×PB=PC×PD(方べきの定理)

が成り立つ。

方べきの定理の逆もおさえておこう

方べきの定理が成り立つ図形には、必ず円と直線の交点が4つ、または3つあります。


この性質を逆からとらえると、「方べきの定理の式が成り立つ線分を作る4点(または3点)は、同一円周上にある」といえますよね。

これが方べきの定理の逆です。

例として、以下をご覧ください。

ただの直線と点だけのように見えますが、この図においてPA×PB=PC×PDが成り立つ場合、方べきの定理の逆から、4つの点A、B、C、Dは同一円周上にあるといえます。

方べきの定理の逆は証明問題で利用することが多いので、しっかり覚えておいてくださいね。

方べきの定理の使い方・目的・デメリット

では、実際の使い方をみていきましょう。


方べきの定理は、円と2つの直線がつくる線分の長さを求める時に用いることが多いです。


【解答&解説】

(1)(2)はどちらも、方べきの定理の公式に与えられた線分の値を代入すれば解けます。


  1. 方べきの定理より、PA×PB=PC×PDなので、


x ×10=5×12

10x=60

 x=6

  1. 方べきの定理より、PA×PB=PD^2なので、


2×(2+6)=x^2

    x^2=16

      x=±4

x>0なので、x=4

問題では角度や円の半径などの情報が与えられていないので、三角形の相似から線分の長さを求めることはできません。

逆に言えば、方べきの定理は線分の長さだけしか与えられていない時でも使えるということですね。


例題(基本)

【解答&解説】

直線PEが円の接線なので、先ほど説明した「1つの直線と円が接する場合」の式を利用します。


方べきの定理より、PA×PB=PC×PDなので、

10×(10+x)=9×(9+7)

  100+10x=144

     10x=44

        x=4.4

また、PA×PB=PE^2から、

10×(10+4.4)=y^2

        y^2=144

         y =±12

y>0なので、y=12

例題(応用)


【解答&解説】

「4点C、D、E、Fが1つの円周上にある」という文言があるので、方べきの定理の逆を利用します


円Oについて、方べきの定理より、


PA×PB=PT^2…①


また、円Oについて、方べきの定理より、


PC×PD=PT^2…②

①=②なので、


PA×PB=PC×PD…③

点Pは2つの線分ABとCDの延長線上にあり、③が成り立つことから、

方べきの定理の逆より、4点A、B、C、Dは同一円周上にあるといえる。(証明終)

方べきの定理の逆は、PA×PB=PC×PDという関係性さえ成り立てば4点が同一円周上にあるといえるので、線分の長さが一切与えられていなくても使うことができます。

まとめ

方べきの定理の使い時を見極めるポイントは以下のとおりです。


■ある点を通る2つの直線と円が作る線分が4つある。

■ある点を通る2つの直線のうち、1つの直線が円に接している。

■4点が1つの円周上にあることを証明する。


どの場合でも円が関係していますよね。


つまり、円が関係する図形問題を解く時は、方べきの定理を使うことを候補に挙げておくといいということです。特に、角度や半径などの情報がない場合は要注意ですよ。

この記事の執筆者
スタモ編集部
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